見た目から不調を見分ける
アガパンサスは病害虫の少ない花で、不調の大半は環境が原因です。株元が柔らかく葉が根元から倒れれば根腐れ、葉に穴やかじり跡があればナメクジやヨトウムシ、冬に葉が茶色く溶けたら霜の害です。まず株元、次に葉の裏、最後に季節を考えて切り分けます。
| 見た目 | 疑うもの | 出やすい時期 |
|---|---|---|
| 株元が柔らかく葉が倒れる | 根腐れ | 梅雨、冬の水のやりすぎ |
| 葉やつぼみに穴、光る跡 | ナメクジ | 梅雨〜夏の夜 |
| 葉が縁から食われる | ヨトウムシ | 春と秋の夜 |
| 葉が茶色く溶けるように傷む | 霜の害(常緑種) | 12〜2月 |
| 葉の裏が白くかすれる | ハダニ | 夏の乾燥時 |
| 花茎の先や葉に緑の小虫 | アブラムシ | 春 |
根腐れは水の与えすぎで起きる
太い根に水をためる植物なので、土が常に湿っていると根が息をできずに腐ります。梅雨に雨が続く時期と、冬に水をやりすぎたときに多く出ます。予防は水はけのよい土と乾いてからの水やりに尽きます。株元が柔らかくなっていたら、掘り上げて腐った根を切り、乾かしてから植え直します。
- 株元を触って確かめる
- 葉の付け根をつまみ、固ければ問題ありません。ぶよぶよなら根腐れが始まっているので、すぐ掘り上げます。
- 腐った根を切る
- 黒くて柔らかい根をすべて切り落とし、白くて固い根だけ残します。清潔なはさみを使います。
- 半日乾かしてから植える
- 切った株を日陰で半日から一日乾かし、新しい水はけのよい土に植えます。植えた直後は水を与えません。
- 以後は乾いてから
- 土の表面が乾いて二、三日たってから水を与える習慣に変えます。受け皿の水は毎回捨てます。
梅雨どきの鉢は軒下に移すだけで根腐れがほぼ防げます。雨に当てないことが最良の予防です。
ナメクジとヨトウムシは夜に見回る
梅雨から夏、つぼみや若い葉にかじり跡が付き、光る粘液の跡があればナメクジです。日中は鉢の下や葉の付け根に隠れ、夜に出て食べます。ヨトウムシは昼間は土に潜り、夜に葉を縁から食べます。どちらも夜に懐中電灯で見回って捕るのが確実です。
- 鉢の底を見る
- 昼間に鉢を持ち上げ、底に張り付いたナメクジを取ります。すのこに乗せると隠れ場所が減ります。
- 夜に見回る
- 日が暮れて二時間ほどたってから、懐中電灯でつぼみと葉を照らします。見つけた虫は割り箸で取ります。
- 株元の土を掘る
- 葉の食われ方が急に増えたら、株元の土を二センチほど掘ってヨトウムシを探します。丸まった幼虫が出てきます。
- 薬は誘引剤を
- 数が多ければナメクジ用の誘引剤を株から少し離して置きます。雨で流れるので梅雨は数日おきに補充します。
霜と寒さの傷みは常緑種に出る
冬に常緑種の葉が茶色く溶けるように傷むのは霜の害です。氷点下三度あたりから出始め、放置すると株元まで傷んで春に芽が出なくなります。傷んだ葉は春まで残しておくと株元の保温になり、三月に取り除けば新しい葉が出ます。落葉種は葉が枯れるのが正常なので心配いりません。
| タイプ | 冬の傷み方 | 対処 |
|---|---|---|
| 常緑種の鉢植え | 葉先から茶色く溶ける | 軒下へ移し不織布を掛ける |
| 常緑種の地植え | 葉全体が傷むが株は生きる | 霜の夜に不織布、春に葉を取る |
| 落葉種 | 葉が黄ばんで枯れる(正常) | 根元で刈って腐葉土で覆う |
| どのタイプも鉢ごと凍った | 根が傷み春に芽が出ない | 鉢を凍らせない場所で冬越し |
ハダニとアブラムシは水で減らす
夏の乾燥した時期に葉の裏が白くかすれてきたらハダニ、春の花茎の先に緑の小さな虫が群れていたらアブラムシです。どちらも命に関わることはまれで、葉裏に水をかける、指でつぶす、で十分間に合います。数が多ければ野菜用の殺虫剤や殺ダニ剤で構いません。
- 葉裏に水をかける
- ハダニは水に弱いので、夕方に葉の裏へ霧吹きで水をかけます。週に二、三回続けると減ります。
- アブラムシは指でつぶす
- 花茎の先に付いたアブラムシは、指でしごいてつぶすか、テープで貼り取ります。数日おきに繰り返します。
- 薬は開花前に
- 薬を使うなら花茎が伸びる五月、花が開く前に済ませます。開花中の散布は小花を傷め、花持ちを縮めることがあります。
被害が出たあとの立て直し
アガパンサスは根の一部が生きていれば必ず復活します。葉を全部失っても、根元の固い部分から翌春に芽が出ます。あきらめる前に株元を掘って、白くて固い根が残っているかを確かめてください。その年は花を期待せず、葉を育てることに集中します。
- 根を掘って確かめる
- 株元の土を指で掘り、根の色と固さを見ます。白くて固い根が数本あれば再生できるので、その部分を残して手当てします。
- 傷んだ部分を全部切る
- 腐った根と葉を残らず切り、固い部分だけにします。切り口を半日乾かしてから小さめの鉢に植えます。
- 翌年は葉を育てる
- 再生した年は日なたで葉を六枚以上に育てることを目標にします。花はその翌年からです。
根腐れの出た土と鉢は使い回しません。鉢は洗って日に干し、土は新しくします。
アガパンサスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアガパンサスの育て方にまとめています。
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