常緑種と落葉種を最初に見分ける
園芸店のアガパンサスは、大きく常緑種と落葉種に分かれます。葉が幅広く厚みがあり冬も青いのが常緑種、葉が細めで冬に地上部が枯れるのが落葉種です。落葉種のほうが寒さに強く関東平野部の庭で放任できますが、常緑種は強い霜で葉が傷みます。
ラベルに種類が書かれていない苗は、葉の厚みと幅で見当をつけます。指でつまんで厚くて硬い葉なら常緑種の可能性が高く、薄くしなやかなら落葉種です。買う時期が冬なら、葉が青いかどうかで一目で分かります。
| タイプ | 冬の姿 | 寒さへの強さ | 向く場所 |
|---|---|---|---|
| 常緑種 | 葉が青いまま残る | 氷点下三度あたりで葉が傷む | 暖地、関東の日だまり、鉢 |
| 落葉種 | 葉が枯れて根だけ残る | 氷点下十度前後まで耐える | 関東以北の庭、寒冷地 |
| 矮性品種 | 品種による | 親と同じ | 鉢、花壇の手前 |
常緑種と落葉種の交配品種も多く、中間の性質を持ちます。迷ったら落葉種寄りとして扱うと失敗が少なくなります。
根が鉢底から見える苗を選ぶ
アガパンサスは太くて白い根を持ち、根がしっかり張った苗ほど翌年に咲きやすくなります。ポットの底から白い根がのぞいている苗、葉が根元から扇状にたくさん出ている苗を選びます。花付き苗は品種の花色が確かめられる代わりに、植え付け後の根の回復に一年かかります。
- 根の色を見る
- ポットの底穴から見える根が白か薄い茶色なら健全です。黒くてぬめりがあるものは根腐れが始まっています。
- 葉の数を数える
- 一株あたり葉が六枚以上あり、根元から扇状に出ているものを選びます。葉が二、三枚の苗は咲くまで二年かかります。
- 株元を触る
- 根元を指でつまんで固ければ合格です。ぶよぶよと柔らかい株や、株元から嫌なにおいがする株は根が腐っているので避けます。
- 花色は品種名で確かめる
- 花のない時期に買うときは、品種名から花色と草丈を調べます。矮性かどうかで植える場所が変わります。
植え付けは春か秋、深植えしない
植え付けの適期は三月から四月と、九月から十月です。真夏と真冬を避ければ鉢苗はいつでも植えられますが、根が動く春がいちばん活着します。植える深さはポットに入っていたときと同じか、根元の白い部分がわずかに見える程度にします。深植えすると株元が蒸れて腐ります。
- 根鉢を崩さない
- ポットから抜いたら根を崩さず、底で固く巻いている部分だけ軽くほぐします。太い根を切ると回復に時間がかかります。
- 深さを合わせる
- 植え穴の底に土を戻し、根鉢の表面が地面と同じ高さになるよう調節します。埋めすぎないよう確かめます。
- 株間は四十センチ
- 数年で株が直径五十センチほどに広がります。地植えは株間四十センチ以上、矮性品種でも三十センチ空けます。
- たっぷり水をやる
- 植えた直後に鉢底から流れるまで水をやり、土と根を密着させます。以後は土が乾いてから与えます。
植え付けた年は花が咲かないか小さいのが普通です。根が張った二年目から本来の花になります。
場所は日なた、土は水はけ重視
花をよく咲かせるには一日五時間以上の日照が要ります。半日陰でも育ちますが、葉ばかり茂って花茎が少なくなります。土は水はけが最優先で、粘土質の庭なら腐葉土と軽石を混ぜて高めに植えます。酸度はあまり気にしなくてよく、一般の草花用の土でそのまま育ちます。
| 場所 | 向き不向き | 工夫 |
|---|---|---|
| 南向きの花壇 | 最適 | 夏の西日だけ避けられれば理想 |
| 東向きで午前だけ日が当たる | 咲くが花数はやや減る | 株間を広めに取って風を通す |
| 北向きの半日陰 | 葉は育つが咲きにくい | 鉢にして日なたへ移す |
| 水がたまる低い場所 | 根腐れしやすい | 高畝にするか鉢植えにする |
鉢植えは小さめの鉢で根を詰める
アガパンサスは鉢の中で根が詰まったほうがよく咲く、めずらしい性質を持ちます。大きすぎる鉢に植えると葉ばかり育って花が付かず、根が回るまで数年待つことになります。苗より一回り大きい鉢、五号苗なら六号か七号鉢に植え、根が鉢底から出るくらいまで植え替えません。
- 一回り大きい鉢を選ぶ
- 苗のポットより直径で三センチほど大きい鉢にします。深さのある鉢のほうが太い根に合います。
- 土は草花用に軽石を一割
- 市販の草花用培養土に軽石か日向土を一割混ぜ、水はけをよくします。重い土は根腐れを招きます。
- 鉢底石を厚めに
- 鉢底に軽石を三センチほど厚めに敷きます。太い根が底で巻いても水が抜けやすくなり、梅雨の根腐れを防げます。
- 根が出るまで植え替えない
- 鉢底から根が伸び出し、水が染み込みにくくなるまでそのまま育てます。三、四年が目安です。
植え付け後に葉が黄ばむときの原因
植えて数週間で外側の葉が一、二枚黄ばむのは、環境が変わった疲れで問題ありません。中心の若い葉まで黄ばむ、株元が柔らかい、葉が急に倒れるといった変化は原因を切り分けます。ほとんどは水の与えすぎか深植えで、日照不足で黄ばむことはまれです。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 外側の葉だけ黄ばむ | 植え替えの疲れ | そのまま様子を見る |
| 中心の葉まで黄ばみ株元が柔らかい | 水の与えすぎ、深植え | 掘り上げて乾かし浅く植え直す |
| 葉先が茶色く枯れる | 強い西日か乾きすぎ | 西日を避け乾いたらたっぷり |
| 葉が細く色が薄い | 日照不足 | 日なたへ移す |
太い根は乾燥に耐える貯水庫です。少しくらい水を忘れても枯れないので、迷ったら水を控えるほうが安全です。
アガパンサスの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
アガパンサスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアガパンサスの育て方にまとめています。
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