花芽は前年の秋から冬にできる
六月に咲く花の芽は、前年の秋に葉の付け根で作られ、冬の寒さに当たって春に伸び始めます。つまり今年咲かなかったのは今年の管理ではなく、去年の夏から冬の過ごし方が原因です。秋までに葉を大きく育て、冬に寒さに当てることが翌年の花の条件になります。
| 時期 | 株の中で起きること | やること |
|---|---|---|
| 7〜9月 | 葉で養分をため根が太る | 花茎を切り葉を残し、お礼肥 |
| 10〜11月 | 葉の付け根に花芽ができる | 日に当て肥料は与えない |
| 12〜2月 | 寒さで花芽が育つ準備 | 戸外で冬越し、常緑種は霜よけ |
| 3〜4月 | 葉と一緒に花茎が伸び始める | 芽出し肥、水やり再開 |
| 5〜6月 | 花茎が伸び先端が膨らむ | 水を切らさない |
冬の寒さに当てる
アガパンサスは冬に五度前後の寒さに一か月以上当たることで花芽が動きます。暖かい室内で冬を越した株は、葉は元気でも翌年ほとんど咲きません。落葉種は霜に当ててそのまま、常緑種は葉が傷まない程度に軒下で冬を越させるのが、咲かせるための正しい寒さの当て方です。
- 落葉種は戸外に放置
- 地植えはもちろん鉢植えも戸外のままにします。葉が枯れたら根元で刈り、株元に腐葉土をかぶせておきます。
- 常緑種は軒下で
- 鉢を軒下の霜の当たらない場所に移します。寒さは受けつつ葉を凍らせない場所が、花芽のためにちょうどよい環境です。
- 室内に入れない
- 暖房の部屋に入れると寒さ不足で咲きません。どうしても入れるなら無暖房の玄関や廊下に置きます。
暖地で冬が暖かい年は花が少なくなることがあります。鉢なら北側の日陰に一か月置いて寒さを補えます。
根を程よく詰まらせる
鉢植えのアガパンサスは、根が鉢いっぱいに回った状態で最もよく咲きます。植え替えの直後や大きすぎる鉢では、根を広げることに力を使って花芽が付きません。花を優先するなら、鉢底から根が出て水が染み込みにくくなるまで植え替えを我慢します。
- 鉢のサイズを上げない
- 植え替えるときも一回りだけ大きくします。二回り以上大きな鉢に移すと翌年は咲かないと考えておきます。
- 根が出るまで待つ
- 鉢底の穴から白い根が伸び出すのが植え替えの合図です。それまでは根詰まりを気にせず育てます。
- 地植えは株分けを遅らせる
- 地植えは五年ほど放任して大株にすると花茎が十本以上上がります。株分けは中心が枯れてからで十分です。
日照と肥料の加減
花芽ができる秋に日照が足りないと、翌年の花数が目に見えて減ります。秋は建物の影が長くなるので、鉢植えは十月に置き場所を見直します。肥料は夏のお礼肥のあと与えず、秋に窒素が効いていると葉が伸びて花芽が付きにくくなります。
| 場面 | 花への影響 | 対処 |
|---|---|---|
| 秋に日が三時間しか当たらない | 花芽が減る | 十月に日の長い場所へ鉢を移す |
| 秋に窒素肥料を与えた | 葉ばかり伸び花芽が少ない | 肥料を止め翌年は夏で終える |
| 夏に花茎を残して種を付けた | 株が疲れ翌年の花が減る | 花後すぐ花茎を切る |
| 夏に葉を切りすぎた | 養分不足で花芽ができない | 枯れ葉以外は切らない |
開花期の水と支柱
五月に花茎が伸び始めてから咲き終わるまでは、水を切らさないようにします。この時期だけは乾かし気味をやめ、鉢なら毎朝土を触って乾いていれば与えます。花茎は一メートル近くになる品種もあり、強い風雨で倒れるので、つぼみが膨らんだら支柱を添えます。
花色を濃く出したいときも、この時期の水と日照が効きます。日照が足りないと青色が薄く白っぽく咲き、水切れすると花房の外側から小花がしおれます。花房が開き始めたら株の様子を毎朝見て、葉先が少し垂れていたら水が足りない合図と判断します。
- 花茎が見えたら水を増やす
- 葉の中心から花茎が顔を出したら、土の表面が乾いた日は毎朝与えます。水切れすると花房が小さくなります。
- つぼみで支柱を立てる
- 先端の膨らみが見えたら、花茎の横に支柱を立ててゆるく結びます。開花後だと花を傷めます。
- 咲いたら雨を避ける
- 鉢植えは開花中の強い雨で小花が落ち、花房が乱れます。軒下に移して雨を避けると二週間ほど長く楽しめます。
咲かない、花が小さいときの切り分け
花が咲かない理由は一つではなく、株の姿と前年の管理から順に切り分けます。葉の色と長さ、鉢の大きさ、冬の置き場所、植えてからの年数の四つを確かめれば、たいてい原因が見つかります。直してから咲くまでは翌年になるので、慌てず一年計画で考えます。
| 状態 | 疑う原因 | 翌年に向けた直し方 |
|---|---|---|
| 葉は多いが花茎が出ない | 冬の寒さ不足 | 戸外か無暖房の場所で冬越し |
| 花茎は出るが花房が小さい | 開花期の水切れか肥料不足 | 五月から水を増やし三月に芽出し肥 |
| 植え替えた翌年に咲かない | 根がまだ回っていない | そのまま二年育てる |
| 株の外側だけ咲く | 株の老化 | 春に株分けして若返らせる |
植え付けから三年たっても咲かない株は、日照不足がほぼ原因です。鉢なら思い切って一番日の当たる場所に移します。
アガパンサスの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
アガパンサスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアガパンサスの育て方にまとめています。
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