一年の作業を月で追う
関東平野部の露地を前提にした一年です。落葉種と常緑種の違いは冬の扱いだけで、他の月はほぼ共通です。毎日の水やり以外はやることが少なく、三月と七月の二回の作業を押さえておけば咲き続けます。
寒冷地では春の作業を二、三週間遅らせ、株分けは雪解け後の四月に行います。暖地では冬の霜よけがほぼ不要になる代わりに、夏の西日対策を早めに始めます。表の月を自分の地域の気温に合わせて前後にずらして読んでください。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1〜2月 | 冬越し、常緑種は霜よけ | 水は月に一、二回 |
| 3月 | 株分け、植え替え、芽出し肥 | 新芽が動く前 |
| 4月 | 植え付け適期、水やり再開 | 土が乾いたら |
| 5月 | 花茎が伸びる、支柱 | つぼみが見えたら |
| 6〜7月 | 開花、花後に花茎切り | 花房の八割が終わったら |
| 7〜8月 | お礼肥、西日よけ | 花茎を切ったあと |
| 9〜10月 | 植え付けもできる、日照を確保 | 肥料は与えない |
| 11〜12月 | 落葉種は枯れ葉を刈る、常緑種は軒下へ | 霜が降りる前 |
三月は株分けと芽出し肥
三月は一年でいちばん大事な月です。株分けと植え替えは新芽が動き出す直前のこの時期に行い、根が春の生育とともに回復します。芽出し肥もこのときで、株元から離して緩効性肥料をまきます。冬に枯れた葉があれば根元から取り除いて株元を清潔にします。
- 枯れ葉を取る
- 冬のあいだに茶色くなった葉を根元から引き抜きます。株元に光と風が入り、病気の元も減ります。
- 株分けは必要なときだけ
- 地植えで中心が枯れた株、鉢で水が染み込まない株だけ分けます。順調な株は触りません。
- 芽出し肥をまく
- 緩効性肥料を株元から五センチ離して軽くひと握りまき、土と軽く混ぜます。株元に直接置くと根が傷みます。
- 水やりを再開
- 冬に控えていた水を、土が乾いたらたっぷり与えるやり方に戻します。鉢底から流れるまで与えます。
五月から七月は開花と支柱
五月に葉の中心から花茎が伸び始め、六月中旬から七月にかけて球状の花房が開きます。花茎が伸びる時期は水を切らさず、つぼみが膨らんだら支柱を立てます。咲き終わった花茎は早めに切り、種を作らせません。
- 花茎を見つけたら水を増やす
- 葉の間から花茎が出てきたら、鉢は毎朝土を触って乾いていれば与えます。この時期だけは乾かしません。
- 支柱を添える
- 花茎が五十センチを超える品種は、つぼみの段階で支柱を立てます。倒れてから直すと折れます。
- 咲き終わりを切る
- 花房の八割がしぼんだら、花茎を根元から切ります。まだ咲いている部分は切り花にします。
梅雨の長雨で花が傷むときは、鉢を軒下に寄せると花持ちが一週間ほど延びます。
七月から九月はお礼肥と暑さ対策
花が終わったら緩効性肥料を軽くひと握り与えて、翌年の花芽を作る力にします。夏は根が太る時期で、葉を大切にします。鉢植えは西日で鉢が熱くならないよう、すのこに乗せるか鉢の西側を覆います。九月以降は肥料を止め、秋の日照を確保します。
八月に葉先が枯れ込むのは、乾きすぎか鉢の熱で根が傷んだ合図です。葉を触ってしんなりしていれば夕方にも水を足し、鉢の側面が熱ければ置き場所を変えます。九月の彼岸を過ぎて涼しくなれば新しい葉が出て回復します。
| 時期 | やること | 注意 |
|---|---|---|
| 7月下旬 | お礼肥 | 株元に直接置かない |
| 8月 | 西日よけ、朝の水やり | 葉を切らない |
| 9月 | 肥料を止める | 秋の窒素は花芽を減らす |
| 10月 | 日の当たる場所へ | 建物の影が長くなる時期 |
十一月から二月は冬越し
落葉種は葉が枯れたら根元で刈り取り、株元に腐葉土を敷いてそのまま冬を越させます。常緑種は霜で葉が傷むので、鉢は軒下に移し、地植えは不織布を掛けて霜を避けます。水は落葉種はほぼ断ち、常緑種は月に二、三回、暖かい日の午前に与えます。
- 落葉種は刈って覆う
- 十一月に葉が黄ばんだら根元五センチで刈り、腐葉土を五センチほど株元にかぶせます。
- 常緑種は霜を避ける
- 鉢は軒下へ移し、地植えは霜の予報が出た夜に不織布を掛けます。日中は不織布を外して葉に日を当て、蒸れを防ぎます。
- 水は控えめに
- 冬に水を与えすぎると根が腐ります。鉢の土が完全に乾いてから、暖かい日の午前中に少量与えます。
時期を逃したときの直し方
株分けや肥料の時期を逃しても、アガパンサスは丈夫なので次の適期まで待てばよいものがほとんどです。ただし真夏の株分けと冬の植え付けは株を弱らせるので、次の春まで待ちます。逃した作業ごとの直し方を並べておきます。
| 場面 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 三月の株分けを逃した | 夏まで根詰まりが続く | 花後の九月に分けるか翌春まで待つ |
| 花茎を切り忘れ種が付いた | 翌年の花が減る | 気づいたら切ってお礼肥 |
| お礼肥を忘れた | 翌年の花房が小さい | 九月上旬までなら少量与える |
| 常緑種を霜に当てた | 葉が茶色く溶ける | 傷んだ葉を取り軒下へ、株は生きている |
アガパンサスの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
アガパンサスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアガパンサスの育て方にまとめています。
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