増やし方の選び方
アガパンサスは株分けが基本で、親と同じ花が確実に咲きます。種からも育ちますが、咲くまで三年から四年かかり、花色が親と違うことも多いので、品種を増やしたいなら株分け一択です。株分けの適期は三月と、花後の九月です。
株分けは四、五年に一度で十分です。毎年分けると株が小さくなって花が付くまで回復に時間がかかります。中心が枯れてきた、鉢に水が染み込まなくなった、というのが分けどきの目安です。
| 方法 | 時期 | 咲くまで | 向く場面 |
|---|---|---|---|
| 株分け | 3月、または9月 | 翌年か翌々年 | 品種を増やす、株の若返り |
| 種まき | 採りまきの秋か翌春 | 三〜四年 | 実生の変化を楽しむ |
| 小さな子株を外す | 3月 | 二、三年 | 親株を崩さず少し増やす |
株分けは三月、新芽が動く前に
三月上旬から中旬、新芽が伸び始める直前に掘り上げて分けます。太い根が多いので、スコップで株の周りを大きく掘り、根を切らないよう持ち上げます。分ける単位は一株に葉が四、五枚以上付くようにし、小さく分けすぎないのが翌年咲かせるコツです。
- 大きく掘り上げる
- 株の外側から二十センチ離してスコップを入れ、周りを一周してから持ち上げます。太い根を切らないようにします。
- 土を落として根を見る
- 手で土を落とし、根の付き方と芽の位置を確かめます。水で洗うと傷みやすいので乾いたまま扱います。
- 手で割るか刃で切る
- 自然に分かれる所で手で割ります。固くて割れなければ清潔なナイフで、芽と根が付くように切ります。
- 一株に葉四、五枚以上
- 小さく分けると翌年咲きません。一株に葉が四、五枚と太い根が数本付く大きさを目安にし、欲張って数を増やさないことです。
分けたあと切り口を日陰で数時間乾かしてから植えると、腐りが入りにくくなります。
分けた株の植え付けと養生
分けた株は根が減っているので、地植えなら水はけのよい場所に浅めに植え、鉢なら株に対して一回り大きいだけの鉢に植えます。植えた直後にたっぷり水をやったら、以後は土が乾いてから与えます。一、二週間は強い日差しを避け、新しい葉が伸び始めたら根付いた合図です。
植えて一か月たっても葉が動かないときは、株元を軽くつまんで固さを確かめます。固ければ根が張るのを待つだけで、柔らかければ切り口から腐りが入っています。腐りは早めに掘り上げて切り戻すほど助かります。
| 場面 | 植え方 | 水 | 日差し |
|---|---|---|---|
| 地植え | 根鉢の面が地面と同じ高さ | 植えた日にたっぷり、以後乾いたら | 一週間は半日陰 |
| 鉢植え | 一回り大きい鉢、軽石一割の土 | 植えた日にたっぷり、以後乾いたら | 二週間は半日陰 |
| 小さな子株 | 三、四号鉢に一株 | 乾いたら | 二週間は半日陰 |
種から育てる
花後に一本だけ花茎を残して熟させると、秋に黒い種が取れます。採りまきなら十月、翌春なら四月に浅い箱にまき、薄く土をかぶせます。発芽は二、三週間、その年は葉を数枚育て、翌春に鉢上げします。咲くまで三年以上かかりますが、親と違う花色が出る楽しみがあります。
- 実が裂けたら採る
- 花後の実が茶色くなって裂け始めたら、袋をかぶせて種を受けます。黒くて平たい種が取れます。
- 浅くまく
- 育苗箱に草花用の土を入れ、種を一センチ間隔で置き、五ミリ土をかけます。乾かさないよう日陰で管理します。
- 翌春に鉢上げ
- 葉が三、四枚になった翌春、一本ずつ三号鉢に移します。以後は親株と同じ管理で育てます。
実生の株は三年目から花が咲きます。気に入った花色が出たら、その株を株分けで増やします。
花後の九月に分けるとき
三月を逃した場合は、花が終わって涼しくなった九月にも株分けできます。手順は三月と同じですが、冬までに根を張らせる時間が短いので、常緑種の鉢は冬に軒下へ入れ、落葉種の地植えは株元に腐葉土を厚めに敷いて霜柱で持ち上がるのを防ぎます。
- 残暑が去ってから
- 九月上旬はまだ暑いので、最高気温が三十度を切ってから分けます。九月下旬から十月上旬が目安です。
- 冬の霜柱を防ぐ
- 秋に植えた株は根が浅く、霜柱で浮き上がります。株元に腐葉土を五センチ敷いて冬を越させます。
- 翌年の花は期待しない
- 秋に分けた株は翌年咲かないことが多いです。二年目からと考え、翌春は葉を育てます。
株分けに失敗したときの見分けと手当て
分けた株が弱る原因は、切り口からの腐り、小さく分けすぎ、時期の間違いのどれかです。株元が柔らかく臭えば腐り、葉は元気なのに翌年咲かなければ分けすぎ、夏に急に枯れたなら時期の間違いと見分けます。腐り以外は翌年以降に回復します。
| 症状 | 疑う原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 株元が柔らかく葉が倒れる | 切り口から腐った | 掘り上げて腐りを切り乾かして植え直す |
| 葉は元気だが翌年咲かない | 分けすぎで株が小さい | そのまま二年育てて待つ |
| 夏に急に枯れた | 真夏に分けた | 根が固ければ秋まで待つ |
| 冬に株が浮き上がる | 秋の株分けで根が浅い | 土を寄せて腐葉土で覆う |
分けた株の一つを予備として別の鉢に植えておくと、片方が腐っても品種を失いません。
アガパンサスの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
アガパンサスの長く咲かせるコツは作物ページに
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