花が咲かない原因のほとんどは置き場所
アンスリウムの赤やピンクの部分は花びらではなく仏炎苞と呼ばれる葉が変化したもので、中心の棒状の部分が本当の花です。この仏炎苞を次々出すには、明るさと温度と湿度の三つがそろう必要があり、室内で花が止まるときはどれかが足りていません。
まず自分の部屋がどの状態かを下の表で確かめます。株の姿を見て当てはまる行を探し、右の欄から置き場所を直すと、二〜三か月で新しい仏炎苞が上がってきます。
| 姿 | 足りないもの | 置き場所の直し方 |
|---|---|---|
| 葉は出るが仏炎苞が出ない | 光 | 窓から一メートル以内のレース越しへ寄せる |
| 仏炎苞が小さく色が薄い | 光と肥料 | 明るい東向きの窓辺へ。春から薄い液肥 |
| 葉に白く乾いた斑点がある | 遮光 | 直射を避け、レースを一枚挟む |
| 葉先が茶色く枯れる | 湿度 | エアコンの風を避け、朝に葉水をする |
| 冬に下葉が黄色くなる | 温度 | 夜は窓から離し、十五度以上を保つ |
光はレース越しが基準、直射は苞を焼く
自生地では熱帯の木の幹に着生して木漏れ日を受けているため、直射日光には弱く、ガラス越しでも初夏から秋は数時間で葉に白い焼け跡が出ます。一方で暗い場所に置くと葉ばかり茂って仏炎苞が出なくなります。基準はレースカーテン一枚を通した窓辺の明るさです。
東向きの窓は朝の柔らかい光だけが当たり、最も安定して咲きます。南向きや西向きはレースを重ねるか窓から五十センチ以上離します。北向きの窓は光が足りないことが多く、窓のすぐそばに置いて様子を見ます。
- 新聞が読める明るさか見る
- 昼に照明を消し、株の位置で新聞の文字が無理なく読めるかを確かめます。顔を近づけないと読めないなら、仏炎苞を出す光としては足りません。
- 鉢を週に一度回す
- 葉と仏炎苞は光の方向へ傾きます。週に一度四分の一ずつ回すと株の形が偏らず、光も全体に行き渡ります。
- 夏は一段奥へ
- 七月と八月は窓辺の光が強すぎるため、窓から五十センチから一メートル奥へ下げます。九月に入ったら窓辺へ戻します。
温度は十五度以上、二十度を超えると咲き続ける
生育と開花に向くのは二十度から三十度です。十五度を下回ると花が止まり、十度を切ると葉が黄色くなって落ち、五度以下では株ごと枯れます。冬の窓辺はガラスからの冷気で夜に十度近くまで下がることがあり、日中は窓辺、夜は部屋の中央という二か所使いが基本です。
| 時期 | 置き場所 | 理由 |
|---|---|---|
| 4〜6月 | レース越しの窓辺 | 生育と開花が始まる |
| 7〜8月 | 窓から五十センチ以上奥 | 強光と高温で葉と仏炎苞が焼ける |
| 9〜11月 | レース越しの窓辺へ戻す | 日射が弱まり光が足りなくなる |
| 12〜3月 | 昼は窓辺、夜は部屋の中央 | 窓際の夜の冷え込みを避ける |
床暖房の上に直接置くと鉢の下だけ乾いて根が傷みます。鉢台か厚手の板を挟みます。
湿度が高いほど葉も苞もきれいに開く
湿度が四十パーセントを切ると、新しい葉や仏炎苞が開く途中で縁が茶色くなり、開ききらないことがあります。暖房した冬の部屋は三十パーセント前後まで下がるため、湿度計を置いて確かめ、五十パーセント以上を目標に補います。
- 朝の葉水
- 霧吹きで葉の表と裏を朝に湿らせます。仏炎苞に水滴が残ると染みになることがあるので、苞にはかけず葉だけを狙います。
- 鉢を寄せて置く
- 観葉植物を数鉢まとめて置くと、葉から出る水分で周りの湿度が上がります。一鉢だけ離すより葉先の枯れが減ります。
- 冷暖房の風を避ける
- エアコンの風が直接当たると数日で葉先が枯れます。風の通り道を外し、風向きを上に向けます。
屋外に出すときの慣らし方
最低気温が十五度を超える五月下旬から九月は、屋外の明るい日陰でも育ちます。風に当たると葉柄が締まり、室内より丈夫になりますが、直射は必ず避け、雨が続くときは軒下に移します。
- 軒下や木陰から始める
- 室内から出した直後に明るい場所へ置くと確実に焼けます。まず軒下や木陰に一週間置き、少しずつ明るい側へ移します。
- 長雨を避ける
- 梅雨に雨ざらしにすると鉢が乾かず根腐れします。雨が続くときは軒下へ移し、鉢の表面が乾く間隔を保ちます。
- 秋は十五度を切る前に戻す
- 最低気温が十五度を切るころに室内へ入れます。取り込む前に葉の裏を洗い、カイガラムシやハダニを持ち込まないようにします。
置き場所を変えたあとの見分け方と戻し方
置き場所を変えると株は二〜三週間で反応を見せます。良い方向なら新しい葉がつやを持ち、悪い方向なら下葉から黄色くなります。下の表で見た目を確かめ、悪ければ前の場所へ戻すか一段調整します。
| 見た目 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 葉に白く乾いた斑が出た | 直射による葉焼け | 光を弱め、焼けた葉は残して次の葉を待つ |
| 葉柄が長く伸びて倒れる | 光不足 | 窓辺へ寄せ、次の葉が出るまで待つ |
| 仏炎苞が緑色になる | 光不足か株の老化 | 明るい場所へ移す。古い苞は切る |
| 下葉が黄色くなる | 低温か水のやりすぎ | 夜の置き場所を暖かくし、水の間隔を空ける |
アンスリウムの置き場所を整えるのに使うもの
室内は、人が明るいと感じても植物には暗いことがほとんどです。光を足すか、置き場所を変えるかのどちらかです。
- 植物育成ライト探す言葉「植物育成ライト 白色 クリップ」
- 規格の目安
- 白色(フルスペクトル)で、株から 30〜50cm に吊るせるもの。1 日 8〜12 時間。
窓から離れた場所では、どの植物も徐々に間延びします。紫色のライトは効きますが、部屋の見た目が変わるので白色が現実的です。
- レースカーテン探す言葉「レースカーテン 遮光 UV」
- 規格の目安
- 光を通すもの。遮光率の高すぎるものは逆効果です。
夏の直射は、室内で育った葉を焼きます。外から入れたばかりの株ほど、一枚挟んで慣らします。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台 室内」
- 規格の目安
- 耐荷重を土と水を含めた重さで見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと、季節に合わせて置き場所を変えられません。床の通気も良くなります。
- 温湿度計探す言葉「温湿度計 デジタル 小型」
- 規格の目安
- 最低・最高を記録できるもの。
窓際は日中と夜で 10℃ 以上違うことがあります。冬に葉を落とす原因は、たいてい夜の冷え込みです。
- 窓辺に置けるなら、育成ライトは要りません。
- 加湿器は植物のためだけには要りません。霧吹きとサーキュレーターで足りることが多いです。
アンスリウムの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアンスリウムの育て方にまとめています。
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