株の状態で方法を選ぶ
アンスリウムは葉挿しでは増えず、株元の子株を分けるか、伸びた茎を気根ごと切って挿す方法で増やします。種からも育てられますが、開花まで三年以上かかり、家庭では現実的ではありません。まず自分の株がどの状態かを見て方法を選びます。
| 状態 | 方法 | 育つまでの目安 |
|---|---|---|
| 株元から葉三枚以上の子株が出ている | 株分け | 二〜三か月で独立して育つ |
| 茎が立ち上がり下葉が落ちて気根が出ている | 茎挿し(気根付き) | 一〜二か月で発根。翌年に開花 |
| 茎の途中に気根がある | 取り木 | 二か月ほどで発根して切り離す |
| 葉だけ切り取った | 増やせない | 葉挿しでは根も芽も出ない |
適期は五月から七月
分けた株や切った茎が根を出すには二十度以上の気温が要ります。五月中旬から七月に行うと一か月ほどで根が動き、冬までに葉を数枚つけた株になります。秋に分けると根が出ないまま冬に入り、多くは腐ります。植え替えと同時に行うと親株を二度傷めずに済みます。
- 植え替えと同時に行う
- 親株の植え替えで根鉢を崩すときに子株を外します。別の日に掘り返すと親株が二度傷むので一度で済ませます。
- 道具と鉢を先に用意する
- 清潔なハサミ、三号鉢、粗い用土か水苔を先にそろえ、根を空気にさらす時間を短くします。
株分けの手順
株分けは根を傷めるので、鉢からはずしたあとは手早く進めます。古い水苔や土を軽く落とし、自然に分かれる位置を探してから手で割ります。無理に引き裂くと根が千切れて回復が遅れます。
- 根を水で洗ってほぐす
- 鉢から抜いて土を落とし、水を張った容器で根を洗って絡みをほぐします。子株の付け根が見えたら手で親から離します。
- つながりを切る
- 固くつながっていれば清潔なナイフで切り分けます。子株には必ず自分の根を付けます。根のない子株は挿し木と同じ扱いになります。
- 切り口を乾かす
- 切った茎は日陰で半日ほど置き、切り口に膜が張ってから挿します。濡れたまま挿すと切り口から腐りが入りやすく、根が出る前に茎が黒くなる原因になります。
- 小さい鉢に浅く植える
- 三号鉢に粗い用土か固く絞った水苔で植えます。一番下の葉の付け根が表面に来る深さにし、深植えしません。
- 明るい日陰で管理
- 直射を避けた明るい場所に置き、土を軽く湿らせる程度に保ちます。新しい葉が動いたら通常の水やりに戻します。
茎挿しの手順
何年も育てた株は下葉が落ちて茎が立ち上がり、途中から気根が出ています。この茎を気根を含めて切り取って挿すと、気根がそのまま根になるため発根が早く、成功しやすい方法です。気根のない部分だけを切ると発根に時間がかかります。
- 気根を二本以上含めて切る
- 葉を二〜三枚と気根を二本以上付けた長さで茎を切ります。切り口は清潔なナイフで一度に切り、つぶさないようにします。
- 切り口を乾かす
- 切った茎は日陰で半日ほど置き、切り口に膜が張ってから挿します。濡れたまま挿すと切り口から腐りが入り、根が出る前に茎が黒くなります。
- 水苔に気根を埋める
- 固く絞った水苔で気根を包み、三号鉢に入れます。葉が土に触れないよう茎を立て、倒れるなら支柱を添えます。
- 湿度を保って待つ
- 明るい日陰に置き、水苔を乾かさない程度に保ちます。一〜二か月で新しい根と芽が動きます。
切り残した親株の茎からも、節から新芽が出ることがあります。切り口を乾かしてそのまま管理し、水は控えめにして待ちます。
取り木でより確実に増やす
切り離す前に茎の途中で発根させる取り木は、失敗の少ない方法です。茎の気根のある部分に湿らせた水苔を巻き、ラップで包んで乾かないようにします。二か月ほどで水苔の中に白い根が回ったら、その下で切って鉢に植えます。
取り木は株を切り離さずに根を出させる方法なので、失敗しても親株が傷みません。初めて増やすなら、まず取り木から試すと安心です。
- 水苔を巻いて包む
- 気根の周りに湿らせた水苔をこぶし大に巻き、ラップで包んで上下をひもで留めます。水苔が乾いたら上から水を足します。
- 根が回ったら切り離す
- ラップ越しに白い根が見えるようになったら、水苔の下で茎を切ります。水苔は外さずそのまま鉢に植えます。
うまくいかないときの原因と立て直し
増やした株が枯れる原因は、切り口の腐りと水の与えすぎがほとんどです。切り分けた直後に肥料を与えるのも失敗のもとで、根が動くまでは水と湿度だけで管理します。
| 状態 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 子株の葉が全部枯れた | 根が少なく水を吸えない | 株元が固ければ待つ。柔らかければ廃棄 |
| 挿した茎が黒くなった | 切り口を乾かさなかったか過湿 | 腐りを切り戻し、再度乾かしてから挿す |
| 根は出たが葉が出ない | 低温か光不足 | 二十度以上の明るい日陰へ移して待つ |
| 翌年になっても咲かない | 株がまだ小さい | 葉が五〜六枚になるまで育てて待つ |
アンスリウムの挿し木・株分けに使うもの
鉢ものは剪定した枝がそのまま材料になります。水に挿すだけで根が出る種類も多く、道具はほとんど要りません。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土 小粒」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 水挿し用の容器探す言葉「ガラス 花瓶 小さい 水耕」
- 規格の目安
- 口の細いガラス容器。中が見えるもの。
根の出方を目で確かめられます。水は 2〜3 日に一度替え、切り口が濁ったら洗います。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、失敗しても被害が小さくて済みます。
- 水挿しで根が出る種類なら、用土も発根促進剤も要りません。
- 多肉植物は切り口を数日乾かしてから挿します。水に挿すと腐ります。
アンスリウムの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアンスリウムの育て方にまとめています。
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