植え替えが必要かを株の姿で判断する
アンスリウムは一〜二年で鉢が根でいっぱいになり、株元から太い気根が何本も飛び出してきます。根詰まりすると水を与えてもすぐ流れて葉が小さくなり、仏炎苞の数が減ります。植え替えは根を傷める作業なので、必要な株にだけ行います。
| 状態 | 判断 | やること |
|---|---|---|
| 鉢底の穴から根が出ている | 根詰まり | 一回り大きな鉢へ植え替える |
| 株元から気根が何本も出て土が持ち上がる | 根詰まり | 植え替えて気根を土に埋める |
| 水がすぐ流れて土が湿らない | 根詰まりか用土の劣化 | 植え替えて用土を新しくする |
| 株が横に増えて鉢からはみ出す | 株の充実 | 株分けを兼ねて植え替える |
| 買ったばかりで水苔植え | そのままでよい | 一年は植え替えず様子を見る |
適期は五月から七月
根を切っても回復できるのは最低気温が十八度を超える時期です。五月中旬から七月に行うと、二週間ほどで新しい根が動きます。九月以降は回復しないまま冬に入るので、根詰まりしていても春まで待ちます。買ってすぐの株も、季節が合わなければ翌年まで植え替えません。
| 時期 | 植え替え | 理由 |
|---|---|---|
| 5月中旬〜6月 | 最適 | 気温が上がり発根が速い |
| 7月 | 可 | 高温で水切れに注意しながら行う |
| 8〜9月 | 避ける | 残暑で傷み、冬までに回復しない |
| 10〜4月 | 不可 | 根が動かず、切り口から腐りやすい |
用土は粗く、空気が入るものを選ぶ
着生植物の根は空気を必要とするため、普通の観葉植物の土では細かすぎて根腐れしやすくなります。観葉植物の土に対して、バークチップかヤシ殻チップ、パーライトを合わせて三〜四割混ぜ、指で握ってすぐ崩れる粗さにします。水苔単用も向いており、洋ランと同じ扱いで育てられます。
- 鉢は一回りだけ大きく
- 四号鉢なら五号へ、と一号だけ上げます。大きすぎる鉢は土が乾かず、根の届かない部分が湿り続けて腐ります。
- 鉢底に軽石を厚めに
- 鉢底穴を網でふさぎ、軽石を鉢の高さの二割ほど敷きます。プラスチック鉢は底に水が残るので特に省きません。
- 元肥は少なめに
- 元肥(植えるときに土に混ぜておく肥料)は緩効性の粒を規定量の半分にとどめます。傷んだ根に肥料が触れると回復が遅れます。
水苔で植えるときは、乾いた水苔を水で戻し、固く絞ってから根の周りに巻きつけるように詰めます。
植え替えの手順
作業は根を乾かさないよう手早く進めます。新聞紙を広げ、用土と鉢を先に用意してから株を抜くと、根が空気にさらされる時間を短くできます。
- 前日に水を控える
- 土が乾き気味だと根鉢が崩しやすく、根も切れにくくなります。前日から水を止めて作業します。
- 古い土を落とす
- 鉢から抜き、肩と底の古い土を手でほぐします。茶色く柔らかい根は清潔なハサミで切り、白く太い根はできるだけ残します。
- 気根を土に埋める
- 株元から出ている気根は折らずに鉢の中へ導き、土や水苔で覆います。埋めた気根は普通の根として水を吸うようになります。
- 浅めに植える
- 株元の一番下の葉の付け根が土の表面に来る深さにします。深く埋めると株元が腐り、浅すぎると倒れます。
- たっぷり与えて日陰に置く
- 鉢底から流れるまで水を与え、二週間は明るい日陰で管理します。以後は表面が乾いてから与える通常の間隔に戻します。
株分けを兼ねるとき
株元から子株が出て横に広がった株は、植え替えのときに分けると親株の負担が減り、仏炎苞も大きくなります。葉が三枚以上あり、自分の根を持つ子株だけを分け、小さい子株は親と一緒に植えます。
- 根を水で洗ってほぐす
- 土を落としたら水を張った容器で根を洗い、絡みをほぐします。つながっている部分は清潔なナイフで切り分けます。
- 切り口を乾かす
- 切った株は日陰で数時間置き、切り口が乾いてから植えます。湿ったまま植えると切り口から腐ります。
- 小さい鉢に植える
- 子株は三号ほどの鉢に親と同じ用土で植え、明るい日陰で管理します。根が少ないので最初の二週間は土を軽く湿らせる程度にします。
植え替え後に葉が垂れたときの手当て
植え替え直後は根が水を吸えず、数日は葉が垂れたり一枚枯れたりします。これは普通の反応で、二〜三週間で新しい根が出て回復します。心配して水を足すと逆に根が腐るので、土の乾きを確かめてから与えます。
- 直射と風を避ける
- 回復するまでは明るい日陰に置き、エアコンの風を避けます。朝の葉水で葉からの蒸散を抑えると戻りが早くなります。
- 肥料は一か月待つ
- 新しい葉が動くまで肥料は与えません。傷んだ根に肥料が当たると回復が遅れ、葉が黄色くなる原因になります。植え替えから一か月ほど経ち、葉が一枚開いたら薄い液体肥料から再開します。
- 三週間たっても戻らないとき
- 葉が次々枯れて新芽が動かないなら鉢から抜いて根を見ます。柔らかい根を切り取り、乾いた用土か固く絞った水苔に植え直します。
アンスリウムの植え替えに使うもの
植え替えは鉢を大きくする作業ではなく、根と土を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が鉢底で回りません。
急に大きくすると、根の届かない土が湿ったまま残り、根腐れの原因になります。1 号ずつが原則です。
- 培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 観葉植物用、または多肉・サボテン用。水はけ重視の配合。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りなら次の植え替えでそのまま取り出せます。
鉢底の穴が土でふさがらないようにするためです。ネット入りは繰り返し使えます。
- 根切りばさみ・割り箸探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃の厚いはさみ。根鉢をほぐすのは割り箸や竹串で足ります。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。土をかむので、普通のはさみは傷みます。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を整理して土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
アンスリウムの上手に育てるコツは作物ページに
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