地植えと鉢植えで水やりが違う
アヤメは乾いた草地の花なので、地植えなら根付いた後の水やりはほぼ要りません。夏に二週間以上雨がなく葉がしおれ気味なら与える程度です。鉢植えは土が限られるので、表土が乾いたらたっぷり与えますが、常に湿った状態にすると根茎が腐ります。
水の要る時期は春の新芽が伸びる三月から開花の五月までと、真夏です。冬は葉が枯れて休んでいるので、鉢植えでも月に数回で足ります。段階ごとの加減を表にまとめます。
| 時期 | 地植え | 鉢植え |
|---|---|---|
| 3月〜5月の生育期 | 雨が二週間なければ与える | 表土が乾いたらたっぷり |
| 6月〜7月の梅雨 | 与えない | 雨の当たらない場所へ、水は控える |
| 7月下旬〜9月の真夏 | しおれたら朝か夕方に | 朝に一回、乾きが早ければ夕方も |
| 10月〜2月 | 与えない | 表土が乾いて数日たってから |
地植えでも植え付けから一か月ほどは根が浅いので、雨が一週間なければ与えます。根付いた後は、乾きに強い株の性質を信じて水を控えるほうが失敗しません。
水やりの判断は葉の張りで
アヤメの葉は剣のように立っていて、水が足りていれば先までぴんと張っています。水不足になると葉先から黄ばみ、全体がしなだれます。土の色より葉の姿を見て決めると、やりすぎを防げます。
- 葉先の色を見る
- 葉先が茶色く乾いてきたら水不足の合図です。ただし夏の葉先の枯れは自然なこともあるので、株全体の張りと合わせて判断します。
- 株元に注ぐ
- 葉の上からかけると株元の葉の隙間に水がたまって蒸れます。株元の土に向けて注ぎます。
- 受け皿の水は捨てる
- 鉢植えは受け皿に水を残さないようにします。根茎が水に浸かった状態が続くと腐ります。
- 指で土の中を確かめる
- 鉢植えは表面が乾いて見えても、指を第二関節まで入れて湿りがあればまだ与えません。指先まで乾いていたら鉢底から流れ出るまでたっぷり与えます。
梅雨時の鉢植えは雨の当たらない軒下へ移します。長雨で土が乾かない状態が一番の弱点です。
肥料は少なめに
肥料が多すぎると葉ばかり茂って花が減り、株が蒸れて病気も出やすくなります。年に二回、芽が動き出す三月と花後の六月に、緩効性の粒状肥料を株元から離して少量置く程度で十分です。追肥(育ちの途中で足す肥料)は花後の一回が特に大切で、翌年の花芽を作る力になります。
肥料の量は、六号鉢なら緩効性の粒状肥料を小さじ一杯ほど、地植えの一株なら軽くひと握りが目安です。液体肥料を使うなら、四月と六月に規定より薄めたものを月に一〜二回で足ります。窒素分の多い肥料は葉ばかり伸びて倒れやすくなるので、リン酸の多い草花用を選びます。
- 3月に芽出し肥
- 新芽が伸び始めたら、緩効性の粒状肥料を株元から十センチ離して置きます。窒素の少ない草花用を選びます。
- 6月に花後の肥料
- 花が終わって花茎を切ったら、同じ量をもう一度置きます。この肥料で翌年の花芽が作られます。
- 夏と冬は与えない
- 七月以降と冬は株が休んでいるので与えません。夏に肥料を効かせると根茎が腐りやすくなります。
肥料を置いた後は、粒が根茎に直接触れていないかを確かめます。触れていると肥料焼けで根茎の表面が茶色くなり、そこから腐りが入ることがあります。
花がら摘みと葉の整理
花が終わったら、種を作らせないように花茎を株元近くで切ります。葉は光合成で根茎を太らせるので残しますが、枯れた葉や倒れた葉は株元から取り除いて風通しを良くします。秋に葉が黄ばんだら、地際から十センチほど残して切ります。
- 花がしぼんだら花茎を切る
- 一本の花茎の花がすべて終わったら、株元近くで切ります。種を作らせると株が弱り、翌年の花が減ります。
- 枯れ葉を株元から抜く
- 茶色くなった葉は手で引くと抜けます。株元に枯れ葉がたまると蒸れて病気の元になるので、見つけ次第取ります。
- 秋に葉を切り詰める
- 十一月に葉が黄ばんだら、地際から十センチほど残して切ります。緑の部分が多いうちは切らずに待ちます。
花茎を切るとき、葉まで一緒に切らないようにします。葉は秋まで根茎に養分を送り続けるので、緑のうちは残しておくのが翌年の花のためです。
葉が黄ばむ・倒れるときの原因と直し方
生育期に葉が黄ばむのは、過湿、肥料のやりすぎ、日照不足のどれかがほとんどです。株元が湿っていて下葉から黄ばむなら過湿、葉が異常に大きく倒れるなら肥料過多、細く弱いなら日照不足と切り分けます。秋の黄ばみは休眠に向かう自然な変化です。
| 症状 | 疑う原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 下葉から黄ばみ株元が湿る | 過湿 | 水を止め、鉢は軒下へ、地植えは土を盛る |
| 葉が大きく茂り倒れる | 肥料のやりすぎ | 肥料を止め、倒れた葉を取る |
| 葉が細く色が薄い | 日照不足 | 日当たりへ移す |
| 葉先だけ茶色い | 夏の乾燥 | 朝に株元へ水を与える |
| 11月以降に全体が黄ばむ | 休眠の始まり | 十センチ残して切り詰める |
アヤメの育てている間に使うもの
草花の管理は、花がらを摘むことと、肥料を切らさないことに尽きます。どちらも道具は小さくて済みます。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。手に収まる小さいものが疲れません。
咲き終わった花をそのままにすると、種を作るほうへ養分が回って次の花が減ります。摘み続けるほど花期が伸びます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸の数字が高いもの。
つぼみの上がる時期に週 1 回。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり茂って花が減ります。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 置き肥 花」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。鉢の縁に置きます。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を 2〜3 か月ごと。
水やりのたびに考えなくて済みます。液肥との併用なら、置き肥は規定量の半分から始めます。
- ジョウロ(ハス口付き)探す言葉「ジョウロ 5L ハス口」
- 規格の目安
- 容量 4〜5L。ハス口が外せるものは、株元だけに与えるときに便利です。
花に水をかけると傷んで早く終わります。ハス口を外して株元へ注げば、花を濡らさずに済みます。
- 花がらは指で摘める種類が多く、はさみが要るのは茎の硬いものだけです。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。
アヤメの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアヤメの育て方にまとめています。
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