咲かない原因を株の姿で見分ける
植えて二年目以降に花が来ないときは、株の姿から原因を探します。葉が細く弱いなら日照不足、株が大きく葉が密なのに咲かないなら混み合い、葉が異常に大きいなら肥料のやりすぎです。植えた直後や株分けした翌年は、根付くのに力を使って咲かないこともあり、これは待てば解決します。
原因が一つに絞れないときは、まず日照から疑います。日当たりが十分なら次に株の混み合い、それも問題なければ肥料の量、という順で確かめると、無駄な手当てを減らせます。原因を直してから花が戻るまでには、早くても翌年の春までかかることを見込んでおきます。
| 姿 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 葉が細く色が薄い | 日照不足 | 日当たりへ移す、周りの木を剪定 |
| 株が大きく葉が密だが咲かない | 株の混み合いで老化 | 秋に株分けして若返らせる |
| 葉が大きく倒れる | 肥料過多 | 肥料を止めて翌年を待つ |
| 植えて一年目で咲かない | 根付きに力を使った | そのまま育てて翌年を待つ |
| 蕾は出るが開かない | 蕾の時期の乾燥か虫 | 水を与え、蕾を確かめる |
一日中日が当たる場所で育てる
アヤメの花数は日照でほぼ決まります。一日六時間以上日が当たる場所なら、株が充実して毎年たくさん咲きます。半日陰では葉は育ちますが花は数輪で終わり、日陰ではほとんど咲きません。周りの木が育って影が増えてきたときも、花が減る原因になります。
春先の三月から四月は、新芽が伸びて花芽が育つ時期です。この時期に日が当たっているかを確かめます。落葉樹の下なら春はまだ葉がなく日が当たるので、意外に向いています。
- 春の日照を確かめる
- 三月の午前十時と午後二時に、株に日が当たっているかを見ます。どちらも当たっていれば十分です。
- 影を作るものを整理する
- 周りの木や背の高い草が影を落としているなら、枝を透かすか草を刈ります。鉢植えなら日当たりへ移します。
- 株元に日を入れる
- 枯れ葉や倒れた葉を取り、根茎に日が当たるようにします。根茎が日を受けると花芽が付きやすくなります。
花芽は前年の夏から秋に作られる
五月に咲く花の芽は、前年の花後から秋にかけて根茎の中で作られます。花後の六月に肥料を与え、夏に葉をしっかり育てて日に当てることが、翌年の花数を決めます。花が終わったからといって葉を切ったり日陰に移したりすると、翌年の花が減ります。
- 花後すぐに花茎を切る
- 花がしぼんだら花茎を株元近くで切り、種を作らせません。種を作ると根茎に養分が回らず花芽が減ります。
- 6月に肥料を置く
- 花茎を切ったら、緩効性の粒状肥料を株元から離して少量置きます。この一回が翌年の花芽の元になります。
- 夏は葉を育てる
- 夏の間、葉を切らずに日に当てます。葉が茂りすぎて蒸れるようなら、枯れ葉や倒れた葉だけを取ります。
夏に葉が倒れて見苦しいときも、切らずに株元の枯れ葉だけを抜きます。葉を半分に切ると根茎の太りが止まり、翌春の花茎の数が目に見えて減ります。
三〜四年ごとの株分けで若返らせる
アヤメは根茎が横に広がって株が大きくなりますが、中心の古い根茎は数年で花を付けなくなります。三〜四年たって株の中心に葉がなく、外側だけに葉がある姿になったら株分けの合図です。秋に掘り上げて若い根茎だけを植え直すと、翌年から花が戻ります。
- 株の中心を見る
- 株の中心に葉がなく、外側の輪だけに葉があるなら老化しています。この状態では花が減るので株分けを計画します。
- 9月下旬に掘り上げる
- 暑さが和らいだ九月下旬から十月に、株全体を掘り上げます。古い中心の根茎は捨て、外側の若い根茎を使います。
- 若い根茎を浅く植え直す
- 葉が二〜三枚付いた若い根茎を、株間三十センチで浅く植え直します。翌年は花が少なくても、二年目から充実します。
- 翌年の花で結果を見る
- 株分けの翌春は花が二〜三本でも、葉がしっかり伸びていれば成功です。二年目に花が増えていなければ、植えた深さと日当たりを見直します。
花を長く楽しむ
アヤメの一輪は二〜三日で終わりますが、一本の花茎に二〜三輪が順に咲くので、一株で一〜二週間楽しめます。しぼんだ花を手で取り除くと、次の花がきれいに開きます。切り花にするなら、蕾がほころび始めた朝に切ると室内で数日楽しめます。
| 場面 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 一輪がしぼんだ | しぼんだ花だけを手で取る | 次の蕾が開くのを邪魔しない |
| 花茎の花がすべて終わった | 花茎を株元近くで切る | 種を作らせない |
| 切り花にする | 蕾がほころび始めた朝に切る | 室内で三〜五日 |
| 雨が続く | 特に手当ては不要 | 花びらが傷んだら取る |
アヤメは咲く期間が短い分、群れて咲かせると見応えがあります。同じ場所に三株以上まとめて植えると、花の時期に目を引きます。
アヤメの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
アヤメの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアヤメの育て方にまとめています。
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