症状から原因を見分ける
アヤメのトラブルは、根茎の腐り、葉の斑点や枯れ込み、春先の虫の三つが主なものです。株元と葉のどこに何が出ているかで切り分け、早めに手を打ちます。丈夫な花なので、原因を取り除けば回復することがほとんどです。
| 症状 | 疑うもの | まず行うこと |
|---|---|---|
| 株元がやわらかく臭う | 根茎の腐り | 掘り上げて腐りを切り分ける |
| 葉に茶色い斑点、葉先から枯れる | 葉枯病などの斑点性の病気 | 傷んだ葉を切り、風通しを良くする |
| 葉に白い粉 | うどんこ病 | 葉を取り、日当たりを確保 |
| 新芽や蕾に小さな虫 | アブラムシ | 指でつぶすか草花用の殺虫剤 |
| 新芽が根元から切られる | ネキリムシ | 株元の土を掘って幼虫を捕まえる |
根茎の腐りを防ぐ
腐りの原因は、深植え、水はけの悪い場所、梅雨の長雨、夏の肥料のどれかです。根茎の上面が土から見える浅植えにして、水がたまらない場所に植えれば大半は防げます。腐った根茎は戻らないので、固い部分だけを切り分けて植え直します。
株の一部だけが腐ることも多く、その場合は腐った部分を含む根茎を切り離せば、残りは元気に育ちます。株全体を捨てる判断は、根茎のほとんどがやわらかくなったときだけで十分です。
- 株元を押して確かめる
- 葉が急に黄ばんで倒れたら、株元の根茎を指で押します。やわらかく、嫌なにおいがすれば腐っています。
- 腐った部分を切り分ける
- 株を掘り上げ、やわらかい部分を清潔なナイフで固いところまで切ります。切り口を日陰で一〜二日乾かします。
- 高く盛った場所に植え直す
- 同じ場所に戻さず、土を盛って高くした場所か新しい土の鉢に浅く植え直します。植えた後は水を控えます。
腐りが出た場所に別のアヤメを植えるときは、土を入れ替えるか一年ほど空けます。同じ土に同じ深さで植えると、同じ失敗を繰り返しやすくなります。
葉の斑点と枯れ込み
梅雨から夏に、葉に茶色い斑点が出て葉先から枯れ込む病気が出ます。株が混み合って風通しが悪いときや、株元に枯れ葉がたまっているときに広がります。傷んだ葉を切り、株元を掃除して風を通すことが一番の予防です。
斑点の病気は雨のはねで広がります。梅雨の前に株元へ腐葉土やバークを薄く敷いておくと、雨で土がはねて葉に付くのを防げます。鉢植えは雨の当たらない軒下へ移すだけで、症状がほとんど出なくなることも多いです。
- 斑点の葉を切る
- 茶色い斑点が出た葉は、株元近くで切って捨てます。落ちた葉を放置すると菌が残るので拾います。
- 株元を掃除する
- 枯れ葉や倒れた葉を取り、根茎に日と風が当たるようにします。混み合った株は秋に株分けします。
- 広がるなら薬剤
- 切っても広がるときは、草花用の殺菌剤を説明書どおりに使います。晴れた日の午前中に葉の表裏へかけます。
秋の葉の切り詰めと、春の枯れ葉の掃除を毎年行うと、この病気は目に見えて減ります。
アブラムシとネキリムシ
春に伸びる新芽や花茎にアブラムシが集まり、蕾がゆがんで開くことがあります。早く見つけて指でつぶすか水で流します。春先に新芽が根元から切られているときは、土の中のネキリムシの仕業です。株元の土を浅く掘ると丸まった幼虫が見つかります。
ナメクジも春の新芽と花びらをかじります。夜に活動するので昼間は見つかりにくく、葉に光る筋が残っていればナメクジの仕業と判断します。株元に鉢や板を伏せておくと日中の隠れ場所になるので、朝にめくって捕まえます。
- 新芽の付け根を見る
- 四月に週に一度、新芽と花茎の付け根を確かめます。アブラムシがいればその場でつぶすか、水で流します。
- 切られた芽の周りを掘る
- 根元から切られた芽を見つけたら、株元の土を三センチほど掘ります。灰色の幼虫がいれば取り除きます。
- 増えたら薬剤
- アブラムシが手で取りきれないときは草花用の殺虫剤を使います。開花中は花にかからないよう新芽と葉裏にかけます。
- ナメクジは夜に見回る
- 花びらや新芽にかじり跡と光る筋があれば、日が落ちてから懐中電灯で株元を照らします。見つけたら割り箸で取り、株の周りに市販の誘引剤を置きます。
病気ではない障害の見分け方
葉の傷みがすべて病気とは限りません。夏の葉先の枯れ、秋の黄ばみ、株の中心の葉がなくなる老化は手当ての必要がないか、株分けで直ります。病気か障害かは、斑点があるか、出方が株全体に均一かで見分けます。
| 見た目 | 原因 | 対応 |
|---|---|---|
| 葉先だけ茶色く乾く | 夏の乾燥 | 朝に株元へ水 |
| 11月以降に全体が黄ばむ | 休眠の始まり | 十センチ残して切る |
| 株の中心に葉がない | 株の老化 | 秋に株分けする |
| 葉に茶色い斑点が広がる | 病気 | 葉を切り風を通す |
アヤメの根茎には刺激のある成分があり、切った汁に触れて手がかぶれることがあります。株分けは手袋をして行い、作業後は手を洗います。
アヤメの長く咲かせるコツは作物ページに
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