採りどきの見分け方
仏手柑は十一月から十二月に、緑から鮮やかな黄色に変わります。ミカンのように味で判断できないので、色と香りが目安です。全体が黄色くなり、部屋に置いて香りが広がるほどになったら採りごろです。霜に当たると皮が傷むので、最低気温が五度を切る前には採り終えます。
実の重さも目安になります。持ってみて指の部分がしっかり硬く重みがあれば充実しています。軽くて指がしなびた感じなら、水切れの年で皮が薄いことが多く、飾りよりも早めに加工へ回します。
| 実の見た目 | 状態 | 採るかどうか |
|---|---|---|
| 全体が濃い緑 | 未熟 | まだ待つ。香りも弱い |
| 指先から黄色くなり始めた | 色づき始め | 一〜二週間で採れる |
| 全体が黄色で香りが強い | 完熟 | 採りごろ。飾るなら今 |
| 黄色が濃くなり指先が茶色 | 採り遅れ | すぐ採って加工に回す |
飾りとして長く楽しむなら、少し早めの黄色くなり切る直前に採ると、室内でゆっくり色が進んで一か月ほど持ちます。
採り方
仏手柑の実は指の部分が折れやすく、手でもぎ取ると根元から裂けたりトゲで傷が付いたりします。必ずはさみで軸を切り、実に触れるトゲは先に取っておきます。皮を使うので、表面の傷をできるだけ作らないことが大切です。
- 軸を短く切る
- 実の付け根から五ミリほど残して剪定ばさみで切ります。長く残すと他の実を傷つけ、短過ぎると切り口から傷みます。
- 指の部分を支える
- 片手で実の底を支えながら切ります。指の部分を持つと重さで折れることがあるので、必ず実の丸い部分を持ちます。
- 傷のある実は分ける
- トゲの傷や割れがある実は飾りに向かないので、その日のうちに皮を刻んで加工します。
利用の仕方
仏手柑は果肉がほとんどなく酸味も少ないので、生で食べる果実ではありません。皮の白い部分まで香りが良く、砂糖漬けやマーマレード、果皮を刻んだ香り付けに使います。伝統的には正月の飾りや床の間の置物として使われ、香りを楽しむ観賞用としての価値が高い果実です。
砂糖漬けにする場合、皮を一センチ幅に切って水から二回ゆでこぼすと苦みが抜けます。その後、皮と同じ重さの砂糖で水分がなくなるまで弱火で煮て、網の上で二〜三日乾かせば出来上がりです。
| 用途 | 使う部分 | 作り方の要点 |
|---|---|---|
| 砂糖漬け | 皮全体 | 薄く切ってゆでこぼし、砂糖で煮て乾かす |
| マーマレード | 皮と白い部分 | 刻んで水にさらし、砂糖と煮詰める |
| 香り付け | 外皮 | すりおろして菓子や酒に加える |
| 飾り | 実丸ごと | 風通しの良い涼しい場所に置く |
皮を食用にするなら、収穫前一か月は殺虫剤を使わず、よく洗ってから使います。飾り用に薬をかけた実は食用にしません。
保存の仕方
採った実は常温で二週間から一か月ほど香りを保ちます。冷蔵庫に入れると香りが飛びやすく、皮が冷えて黒ずむことがあるので、飾るなら室温の風通しの良い場所が向きます。加工するなら早めに皮を刻んで冷凍しておけば、半年ほど使えます。
| 方法 | 持つ期間 | やり方 |
|---|---|---|
| 常温で飾る | 二週間〜一か月 | 直射日光と暖房を避けた棚に置く |
| 冷蔵 | 一か月前後 | 新聞紙に包んで野菜室に入れる |
| 皮を冷凍 | 半年 | 刻んで密閉袋に平らに入れて凍らせる |
| 砂糖漬け | 数か月 | 乾かして密閉容器で常温か冷蔵 |
採り終えたらすぐやること
収穫は寒さが本格化する時期と重なるので、採り終えたらそのまま冬越しの準備に移ります。実を付けていた株は疲れているため、収穫の直後に肥料を足すより、暖かい場所に移して休ませるのが優先です。
- 室内か軒下へ移す
- 収穫と同じ日か翌日に、最低気温が五度を切らない場所へ移します。実を採ると株が軽くなるので運びやすい時期です。
- 枯れ葉と落ちた実を片付ける
- 鉢の表面の落ち葉や落ちた実を取り除き、カイガラムシの隠れ場所をなくします。表土を一センチほど新しい土に替えると清潔です。
- 水やりを減らす
- 実がなくなると水の要求が減ります。収穫後は週一回程度に落とし、鉢の重さで確かめながら春まで管理します。
実の形が揃わないときの原因
仏手柑らしい指が開いた形にならず、握りこぶしのように閉じた実や、指が二、三本しかない実ができることがあります。形は品種の性質に加えて、実が育つ時期の水と養分の状態で決まります。指が開く系統と閉じる系統があり、苗を買うときに実の写真で確かめるのが確実です。
| 実の姿 | 考えられる原因 | 翌年の対策 |
|---|---|---|
| 指が閉じてこぶし状 | 品種の性質か肥大期の水不足 | 七〜八月の水やりを朝夕にする |
| 指が少なく小さい | 実の付け過ぎで養分不足 | 六月の摘果で数を減らす |
| 指の先が茶色く枯れる | 採り遅れか秋の乾燥 | 十一月中に採る |
| 形は良いが小さい | 根詰まり | 三月に一回り大きい鉢へ植え替える |
同じ木でも年によって形が変わります。一年で判断せず、二年から三年の傾向を見て品種の癖か管理の問題かを切り分けます。
仏手柑の収穫に使うもの
木の実は、落として拾うと傷みます。高さのあるところから、傷めずに下ろすための道具です。
- 収穫ばさみ(先丸)探す言葉「収穫ばさみ 果樹 先丸」
- 規格の目安
- 刃先が丸く、刃渡り 5cm 前後。
引っぱって穫ると、枝が裂けて翌年の芽まで落ちます。軸を残して切るのが基本です。
- 高枝切りばさみ(採果器付き)探す言葉「高枝切りばさみ 採果」
- 規格の目安
- 伸ばして 2〜3m。切った実を受ける籠の付いたもの。
脚立で無理な姿勢を取るより安全です。籠付きなら、切った実がそのまま落ちません。
- 収穫かご・コンテナ探す言葉「収穫かご 果樹 コンテナ」
- 規格の目安
- 20L 前後。浅めのものは実を重ねずに済みます。
深い容器に積むと、下の実が自分の重さで傷みます。柔らかい果実ほど浅い容器で。
- 保存用の緩衝材探す言葉「果物 緩衝材 ネット」
- 規格の目安
- 果実用のネットキャップか、新聞紙。
一つずつ包むと、傷んだ実から隣へ移りません。長く置く実ほど効きます。
- 手の届く高さに仕立てているなら、高枝切りばさみは要りません。低く保つほうが管理も楽です。
- 専用の収穫かごでなくても、浅い箱に新聞紙を敷けば足ります。
仏手柑の収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方は仏手柑の育て方にまとめています。
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