目的で増やし方を選ぶ
キンセンカは一年草なので、毎年種で更新するのが基本です。自分で採った種は親と違う花色が混ざることがあり、特定の八重や花色を保ちたいときは市販の種を買い直します。手間をかけたくないなら、こぼれ種に任せても翌年生えてきます。まず目的と時期を表で確かめます。
どの方法でも、増やした株が咲くのは翌春です。秋にまいた種も秋にさした芽も、冬を越して三月から四月に咲きます。春にさした芽だけは、その年の初夏に小さく咲くことがあります。
| 目的 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 翌年も同じように楽しむ | 種を採ってまく | 採種5月、まき9月下旬 |
| 特定の八重や花色を保つ | 市販の種を買い直す | 9月〜10月 |
| 手間をかけず自然に増やす | こぼれ種を残す | 5月に種を落とさせる |
| 摘心で出た芽を無駄にしない | さし芽 | 11月、または4月 |
種の採り方
種を採るなら、四月に咲いた気に入った株の花を二〜三輪摘まずに残します。花が終わると中心が盛り上がり、三日月形に曲がった種が輪になって並びます。五月に茶色く乾いて種が外側に反り返ってきたら、こぼれる前に花首ごと摘んで紙袋に入れて乾かします。全部の花を残すと株が疲れて花が止まるので、一株に二〜三輪が目安です。
- 残す花を決める
- 花色や形が気に入った株の花を二〜三輪、摘まずに残します。残りの花は普段どおり摘みます。
- 種の色を見て採る
- 種が緑から茶色に変わり、乾いて外側に反り返ってきたら採り時です。雨が続くとカビるので晴れた日に摘みます。
- 紙袋で乾かす
- 花首ごと紙袋に入れ、風通しのよい日陰で一〜二週間乾かします。袋の中で種がばらけます。
- ごみを取り分ける
- 種は大きいので手でつまみ分けられます。軽くて中身のない種は捨て、重みのある太い種を残します。
種の保存とまき直し
乾かした種は封筒に入れて品種名と日付を書き、密閉容器に乾燥剤と一緒に入れて冷蔵庫の野菜室で保管します。常温でも一〜二年はもちますが、三年目からは発芽率が落ちるので多めにまきます。九月下旬にまくときは、まき方の記事のとおり五ミリ土をかけてまきます。
| 保存の状態 | 発芽率の目安 | まくときの注意 |
|---|---|---|
| 冷蔵庫で密閉、二年以内 | 高い | 通常の量でまく |
| 常温の引き出し、二年以内 | やや落ちる | 一か所に四粒ほどまく |
| 三年以上たった種 | 半分以下 | 二倍の量をまき発芽しなければ市販の種に切り替える |
採った種の花色は親と違うことがあります。混ざるのを楽しむつもりで、こだわる品種は市販の種にします。
こぼれ種で自然に増やす
花壇では、一部の花を残しておくと五月に種が落ち、九月から十月に自然と芽が出ます。翌年の春に花色が混ざった株が咲きますが、手間がかからず丈夫に育ちます。出てきた芽は混み合うので、本葉二〜四枚のころに株間二十センチになるよう間引くか、小さいうちに土ごとすくって別の場所へ移します。
- 落とす場所を決める
- 翌年も咲かせたい場所の株だけ、花を残して種を落とさせます。他の株は花がらを摘みます。
- 秋に芽を見つける
- 九月から十月に株元の周りに芽が出ます。雑草と間違えやすいので、丸みのある双葉と細長い本葉で見分けます。
- 早めに間引きと移植
- 本葉二〜四枚で株間二十センチに間引きます。直根なので移すなら小さいうちに土ごとすくいます。
さし芽で苗を増やす
種で増やすのが基本ですが、摘心(先端の芽を摘んで枝を増やすこと)で摘み取った先端をポットにさすと二〜三週間で根が出ます。十一月にさせば春に咲き、四月にさせば初夏に小さく咲きます。八重の性質もそのまま受け継ぐので、気に入った株を保ちたいときに使えます。真冬と真夏は根が出にくいので避けます。
- さし穂を取る
- つぼみのない若い枝の先端を五センチほど切り、下の葉を落として上の葉を二〜三枚残します。摘心で摘んだ芽をそのまま使えます。
- 水あげして土にさす
- 切り口を三十分ほど水につけてから、肥料の入っていない赤玉土の小粒に割りばしで穴を開けて二センチほどさします。
- 明るい日陰で待つ
- 直射日光を避けた明るい場所に置き、土を乾かさないよう霧吹きで湿らせます。茎を軽く引いて抵抗があれば根が出ています。
うまく増えないときの原因
種が採れないのは花がらを全部摘んだか、雨で種がカビたためです。採った種が発芽しないのは乾燥が足りず保存中にカビたか、まくとき土をかけずに光が当たったためです。こぼれ種の芽が育たないのは混み合いすぎて間引かなかったためです。原因を分けて次に生かします。
| 場面 | よくある原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 種ができない | 花がらを全部摘んだ | 一株に二〜三輪を残す |
| 種にカビが出た | 雨のあとに採った・乾燥不足 | 晴れた日に採り十分に乾かして密閉する |
| 採った種が発芽しない | 覆土なし・古い種 | 五ミリ土をかけ三年以上の種は多めにまく |
| こぼれ種の芽が細く倒れる | 混み合い・日照不足 | 本葉二〜四枚で間引く |
キンセンカの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
キンセンカの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はキンセンカの育て方にまとめています。
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