挿し芽に向く時期と枝
挿し芽の適期は、暑すぎず寒すぎない五月から六月と九月から十月です。夏の切り戻しで出た枝も使えますが、暑さで腐りやすいので日陰で慎重に管理します。穂には、花の付いていない充実したわき芽(葉の付け根から出る芽)を使い、節が詰まって葉が青緑色の枝を選びます。花茎や徒長した細い枝は発根しにくいので避けます。
| 時期 | 適否 | 考え方 |
|---|---|---|
| 5月〜6月 | 適期 | 生育が旺盛で発根が早い |
| 7月〜8月 | 可、要注意 | 切り戻しの枝を日陰で、腐りに注意 |
| 9月〜10月 | 適期 | 涼しく発根しやすい、冬前に根付く |
| 11月〜3月 | 避ける | 低温で発根しない |
穂の作り方
穂は先端から三、四節、長さ五から八センチで切ります。下の一、二節の葉を取り、切り口を清潔なナイフで斜めに切り直してから、一時間ほど水に浸けて水を吸わせます。切り口に発根を促す薬剤を付けると成功率が上がりますが、なくても発根します。
- わき芽を節の上で切る
- 花の付いていないわき芽を、先端から三、四節の位置で節の少し上を切ります。手で引き抜くと節ごと外れて、それも使えます。
- 下葉を取る
- 下の一、二節の葉を取り、上に葉を四、五枚残します。葉が多いと蒸散で穂がしおれ、少ないと発根の力が足りません。
- 切り口を整えて水揚げ
- 清潔なナイフで切り口を斜めに切り直し、コップの水に一時間浸けます。切り口が乾いた穂は発根しにくくなります。
挿し床と挿し方
挿し床には肥料の入っていない清潔な土を使います。市販の挿し芽用土か、鹿沼土と赤玉土の小粒を同量混ぜたもので十分です。培養土は肥料分で切り口が腐るので使いません。土を湿らせてから割り箸で穴を開け、穂の切り口を傷めないように差し込んで、周りを軽く押さえます。
- 土を湿らせて穴を開ける
- 挿し芽用土を鉢に入れてたっぷり湿らせ、割り箸で深さ二、三センチの穴を開けます。穂どうしは三センチ以上離します。
- 穂を差し込んで押さえる
- 穂の下一、二節が土に入るように差し込み、周りの土を指で軽く押さえて密着させます。深く挿しすぎると腐ります。
- たっぷり水をやる
- 挿し終えたら底から流れるまで水を与え、穂と土をなじませます。以後は土を乾かさないように保ちます。
発根までの管理
挿した鉢は直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土が乾かないように毎日確かめて水を与えます。風に当たると穂がしおれるので、風の弱い場所を選びます。二、三週間で穂の先が伸び始めたら発根の合図で、軽く引いて抵抗があれば根付いています。
水やりは穂の葉にかけず、土にだけ与えます。穂がしおれたら霧吹きで葉を湿らせて助けますが、土が湿っているのにしおれ続けるなら、切り口が腐り始めていると判断して抜いて確かめます。
| 時期 | 置き場所と水 | 穂の姿の目安 |
|---|---|---|
| 挿してから1週間 | 明るい日陰、毎日水 | しおれていなければ順調 |
| 2〜3週間 | 明るい日陰、乾かさない | 先端の葉が動き出す |
| 3〜4週間 | 午前だけ日が当たる場所へ | 軽く引いて抵抗があれば発根 |
| 4〜6週間 | 鉢上げ、液肥を薄く | 新しい葉が2〜3枚出る |
透明な袋をかぶせて湿度を保つ方法もありますが、夏は蒸れて腐るので、春と秋だけにします。
鉢上げと育て方
発根して新しい葉が二、三枚出たら、三号ポットに草花用の培養土で一本ずつ植え替えます。根が細く切れやすいので、土ごとそっと掘り上げます。植え替え後は一週間ほど日陰に置き、根付いたら日向に移して薄い液体肥料を与えます。草丈が十センチを超えたら摘心(茎の先端を摘んで枝分かれさせること)をして、親株と同じように育てます。
- 土ごと掘り上げる
- 根を切らないように、スプーンで穂の周りの土ごとすくい上げます。根に付いた土は落とさず、そのまま植えます。
- 三号ポットに一本ずつ
- 培養土を入れたポットの中央に、根鉢が隠れる程度の浅さで植えます。深植えは親株と同じく腐りの原因です。
- 根付いたら摘心
- 新しい葉が伸びて草丈が十センチになったら、下から四節を残して先を摘みます。枝数が増えて、翌シーズンによく咲きます。
発根しないときの原因と直し方
穂が黒くなって腐るのは、土が湿りすぎているか、培養土の肥料分が原因です。穂がしおれて枯れるのは、水切れか風に当たったか、穂に葉を残しすぎたときです。三週間たっても動きがなければ、一本抜いて切り口を確かめ、腐っていれば新しい穂で挿し直します。
| 穂の状態 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 切り口から黒く腐る | 過湿、肥料入りの土 | 清潔な土に替え、水を控えめに |
| しおれて枯れる | 水切れ、風、葉が多すぎ | 日陰で毎日水、下葉を減らす |
| 変化がない | 低温か穂が古い | 暖かい時期に若い枝で挿し直す |
| 葉が黄ばんで落ちる | 日照不足が長い | 午前だけ日の当たる場所へ |
カーネーションの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
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