一輪を大きくするか、数を増やすか
ケイトウは茎の先に花穂を一つつけ、その下のわき芽からも次々と小さい花穂が上がります。摘心(茎の先を摘んで枝分かれを促すこと)をすれば花の数が増えて株がこんもりしますが、一つ一つは小さくなります。系統によって向き不向きがあるので、まず品種の性質で決めます。
| 系統 | 摘心の向き | 花の付き方 |
|---|---|---|
| トサカ系(鶏冠状) | 摘心しない | 頂部の一輪を大きく育てる |
| 久留米系(球状) | 摘心しない | 丸く大きい一輪が主役 |
| 羽毛系(ふさふさ) | 摘心する | 枝ごとに花穂が上がり群れて咲く |
| 槍系(細長い穂) | どちらでもよい | 摘心すると穂が増え小ぶりに |
トサカ系や久留米系を摘心すると、わき芽から出る花が小さく形も崩れます。大輪を楽しみたい系統は摘心せず、そのまま一本立ちで育てます。
摘心は本葉六枚から八枚のころに
羽毛系で摘心するなら、草丈が十五センチ前後、本葉が六枚から八枚のころが適期です。遅れると花穂ができ始めた芯を摘むことになり、次の花まで時間がかかります。摘心は晴れた日の午前中に行い、切り口を早く乾かします。
- 上から二節分を摘む
- 茎の先端から数えて二節目の葉のすぐ上を、清潔なはさみか指先で摘み取ります。残した葉の付け根からわき芽が伸びて枝になります。
- わき芽の伸びを確かめる
- 一週間から十日で、残した葉の付け根から新芽が三、四本出ます。特に弱い芽は間引き、三本ほどに絞ると花穂がそろいます。
- 二回目はしない
- 枝が伸びた後に再び摘心すると、花穂が上がるのが九月以降にずれ込みます。関東の露地では一回で止めておくほうが花期が長くなります。
摘心した直後に水切れさせると、わき芽が出る前に株が弱ります。摘心後一週間は朝の水やりを欠かさないでください。
花穂の色づきと満開の見極め
花穂は緑色の小さな塊として現れ、二週間ほどで系統ごとの色に染まります。トサカ系はひだが深く広がって、久留米系は球が締まって、羽毛系は穂がふわりと開いてきたら見ごろです。ケイトウの花は一つの花穂が一か月以上もつので、慌てて切る必要はありません。
切り花にするなら、花穂が完全に色づいて指で触ってしっかり固く感じるころに、朝のうちに切ります。若すぎる穂は水揚げが悪く、切った後に色があせます。花穂の下の葉は水に浸かる分だけ取り除きます。
- 指で穂の硬さを触る
- 見ごろの穂は指で押しても弾力があります。柔らかく水気が多いなら若く、乾いてかさついていれば盛りを過ぎています。
- 切る位置は節の上
- 切り花にするときは、残す株のわき芽を生かすため、下の葉の付け根のすぐ上で切ります。株の高さの半分より下では切りません。
切り花は水に深く浸けると茎が腐りやすいので、浅い水に挿して毎日替えると二週間ほどもちます。
花がら摘みで次の穂を上げる
花穂が盛りを過ぎて色があせ、根元から茶色く乾いてきたら、花穂の下の節で切り取ります。放っておくと種を作ることに養分を使い、下から上がってくる次の花穂が小さくなります。特に羽毛系は花がらをこまめに切るほど、十月まで次々と咲き続けます。
トサカ系や久留米系は主役の一輪を切った後、わき芽から小ぶりの花が上がります。形は多少崩れますが、秋の終わりまで色は楽しめます。切り取った花穂は乾燥させるとドライフラワーになり、種も採れます。
- 穂の根元が茶色くなったら切る
- 花穂の下側の色があせ、触るとかさかさ乾いていたら切り時です。花穂の下二、三センチの節のすぐ上で切ります。
- わき芽を残して切る
- 節のすぐ上には次の花穂になる芽があります。芽を落とさないよう、葉の付け根より上を切ります。
- 切った後に薄い液肥
- 花がらを切った直後に規定の倍に薄めた液体肥料を一回だけ与えると、次の花穂の立ち上がりが早くなります。それ以上は与えません。
花が小さい、色がにごるときの原因
花穂が小さいままなのは、苗の時期の根の傷みか、株が混み合って光を奪い合っているかのどちらかです。株間が十五センチを切っているなら、弱い株を抜いて風と光を通します。根の傷みが原因なら今からは大きくならないので、小さい花を楽しむと割り切ります。
赤や黄の色がにごって濁るのは、日照不足と夜温の高さが重なった真夏に多く起きます。九月になって朝晩が涼しくなると、新しく上がる花穂は本来の色に戻ります。遅い追肥も色を濁らせるので、八月以降は肥料を与えないでください。
| 見た目 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 花穂が親指ほどで止まる | 根の傷み・密植 | 株間を空ける、次はまき直し |
| 色がくすんで灰色がかる | 真夏の高温多湿・日照不足 | 秋まで待つ、追肥を止める |
| 穂の先が緑に戻る | 遅い追肥 | 肥料を止め花がらは早めに切る |
| 穂がねじれて片側だけ大きい | 一方向からの光 | 鉢を回す、支柱で向きを直す |
ケイトウの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
ケイトウの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はケイトウの育て方にまとめています。
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