一年の作業を月で見る
キクの一年は、春にさし芽で株を更新し、夏に摘心で枝を作り、秋に咲かせ、冬に冬至芽を守る流れです。表は関東平野部の露地を基準にしています。多くの作業は株の姿で前後させてよいですが、最後の摘心の期限だけは月を守らないと花が遅れます。
作業の中で外せないのは、四〜五月のさし芽、七月下旬までの最後の摘心、花後の冬至芽の管理の三つです。この三つが決まれば、あとは株の姿を見て前後させて構いません。枝の長さやつぼみの大きさを目安にして、月は幅を持って読んでください。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 3月 | 冬至芽の株分け・親株の掘り上げ | 芽が五センチほどのころ |
| 4月 | さし芽・元肥入りの土の準備 | 冬至芽が十センチに伸びたら切ってさす |
| 5月 | 苗の植え付け・一回目の摘心 | 根付いて新葉が動いたら摘む |
| 6月 | 追肥開始・二回目の摘心 | 枝が十センチ伸びたら |
| 7月 | 最後の摘心・支柱立て | 小菊は下旬まで大輪は中旬まで |
| 8月 | 追肥と水やり・暑さ対策 | 朝の水やりを欠かさない |
| 9月 | 摘蕾・追肥を止める | つぼみが小豆大になったら |
| 10月〜11月 | 開花・花がら摘み | 咲き終わりを見て地際で切る |
| 12月〜2月 | 冬至芽の管理・霜よけ | 土が乾いたら暖かい日に水 |
春の作業(三〜五月)
三月に株元の冬至芽が伸び始めたら、親株から切り離してさし芽にします。古い株をそのまま育てると茎が細く病気も出やすいので、毎年さし芽で若返らせるのがキクの基本です。四月にさした芽は三〜四週間で根が出て、五月に植え付けと一回目の摘心を迎えます。
- 冬至芽を切り離す
- 冬至芽が十センチほどに伸びたら、親株から切り離して先端から七〜八センチをさし穂にします。親株は処分して構いません。
- 四月にさし芽
- 湿らせた鹿沼土か赤玉土の小粒にさし、明るい日陰で乾かさないよう管理します。三〜四週間で根が出ます。
- 五月に植え付けと摘心
- 根が出た苗を日当たりのよい場所に植え、新葉が動いたら一回目の摘心(先端の芽を摘んで枝を増やすこと)をします。
夏の作業(六〜八月)
夏は株を作る時期で、摘心と追肥を繰り返します。六月に二回目、七月中旬から下旬に最後の摘心をし、そのあとは枝を伸ばして花芽を待ちます。八月は肥料と水を切らさず、鉢は暑さ対策をします。台風が多い時期でもあるので支柱を早めに立てます。
| 時期 | 庭植えでやること | 鉢植えでやること |
|---|---|---|
| 6月上旬〜中旬 | 二回目の摘心・固形肥料 | 同じ・梅雨は雨の当たりすぎに注意 |
| 7月中旬〜下旬 | 最後の摘心・支柱 | 最後の摘心・支柱・液体肥料を週一回 |
| 8月 | 晴天が続けば水やり | 朝の水やり・鉢を台に乗せる・西日を避ける |
秋の作業(九〜十一月)
九月につぼみが見えたら肥料を止め、大輪系は中心一輪に整理します。十月から十一月にかけて咲き、一輪の花は二〜三週間もちます。咲き終わったら花茎を地際から十センチほど残して切り、株元から出る冬至芽を育てます。この芽が翌年の苗になるので、花後の管理を怠らないことが大切です。
- 九月の摘蕾
- つぼみが小豆大になったら、大輪系は中心の一つを残して周りを取ります。小菊はそのまま咲かせます。
- 開花中の管理
- 雨に当たると花弁が傷むので、鉢は軒下へ。花がしぼんだら花首で切ると次のつぼみが開きます。
- 花後の切り戻し
- 全部咲き終わったら地際から十センチ残して茎を切ります。株元に冬至芽が出ていれば日に当てて育てます。
冬の作業(十二〜二月)
冬至芽は寒さに強く、関東平野部の露地なら霜が降りても枯れません。ただし土が凍ったり乾き続けたりすると傷むので、株元に腐葉土を薄くかけ、鉢は軒下で乾かし気味に管理します。寒冷地では鉢を凍らない場所に取り込むか、株元を落ち葉で厚く覆います。
- 霜よけを敷く
- 株元に腐葉土か落ち葉を三センチほどかけます。冬至芽が埋まらないよう芽の周りは空けておきます。
- 水は暖かい日の午前
- 鉢の土が乾いたら、気温が上がる午前中に少量与えます。夕方に与えると夜に凍って根を傷めます。
- 古い株を処分する
- 冬至芽が十分に出ていれば、親株の古い茎や根は病気の元になるので三月に処分します。
時期を外したときの立て直し
摘心を八月にしてしまった場合は開花が十二月にずれ、寒さでつぼみが開かないことがあります。この場合は鉢を暖かい場所へ移して咲かせるか、あきらめて株を養生して冬至芽を育てます。さし芽が遅れて六月になったなら、摘心を一回に減らして小さくても咲かせます。
| 逃した作業 | 起きること | 戻し方 |
|---|---|---|
| 四月のさし芽 | 苗が小さく夏に間に合わない | 六月までにさし摘心を一回に減らす |
| 七月の最後の摘心 | 開花が十二月にずれる | 鉢なら室内で咲かせ庭なら株を養生する |
| 九月の摘蕾 | 花が小さく乱れる | そのまま咲かせ来年は小豆大で整理する |
| 花後の切り戻し | 冬至芽が弱く翌年の苗が取れない | 三月に残った芽を丁寧に分けて育てる |
キクの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
キクの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はキクの育て方にまとめています。
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