まず苗の札で系統を確かめる
クレマチスは同じ名前で呼ばれても、旧枝咲き、新旧両枝咲き、新枝咲きの三つの系統で剪定も植える場所も変わります。苗の札に系統か剪定の強弱が書いてあるので、買う前に確かめ、書いていなければ品種名から調べておきます。
苗は一年生の小さなポット苗と、二年以上育った開花株が出回ります。小さな苗は根が弱く、いきなり庭に植えると枯れやすいので、一年鉢で育ててから庭に下ろすと安全です。植え付けの適期は二月から三月の芽が動く前と、十月から十一月です。
| 系統 | 咲き方の特徴 | 植え場所の考え方 |
|---|---|---|
| 旧枝咲き(弱剪定) | 前年の枝に春早く咲く。モンタナ系、パテンス系 | 枝を長く残せる広いフェンスや壁 |
| 新旧両枝咲き(中剪定) | 前年の枝と新枝の両方に咲く。大輪の多く | オベリスクやトレリスで中くらいの高さ |
| 新枝咲き(強剪定) | 今年伸びた枝に初夏から咲く。ジャックマニー系、ビチセラ系 | 毎年地際まで切れるので鉢や狭い場所向き |
| 木立ち性(インテグリフォリア系) | つるにならず立ち上がって咲く | 花壇や鉢で支柱一本 |
初心者は新枝咲きの品種から始めると失敗が少ないです。冬に地際まで切ればよく、枯れ込みや剪定の迷いがありません。
頭は日向、根元は日陰に植える
クレマチスは葉と花には一日五時間以上の日光が要りますが、根元の土が熱くなるのを嫌います。壁やフェンスの南側から東側に植え、株元は宿根草や低木の陰にするか、鉢や板で日よけをします。この頭と足の使い分けが、夏の立ち枯れを減らします。
つるは自分で巻き付かず、葉の柄で細いものに絡みます。太い柱には絡めないので、フェンスやオベリスク、ネットのように指くらいの太さのものを支えにします。
- 日照を五時間確かめる
- 候補の場所で日が当たる時間を数えます。午前を中心に五時間以上あれば咲きます。西日だけの場所は葉焼けと乾きで弱ります。
- 根元の日よけを用意する
- 株元の南側に低い宿根草を植えるか、瓦や平たい石を置きます。鉢植えなら鉢の手前に別の鉢を置いて日陰を作ります。
- 支えは細いものにする
- 絡みつく先は直径一センチ以下の格子やワイヤーにします。太い柱に沿わせるなら、柱にネットを巻いてから誘引します。
節を一つ埋める深植えが基本
クレマチスの植え付けで他の草花と違う点は、根鉢の上の茎の節を一つか二つ土に埋める深植えです。埋めた節から新しい芽と根が出て、万一地上部が立ち枯れても株元から再生します。浅く植えると一本の茎だけに頼ることになり、折れたり枯れたりしたときに株ごと失います。
土は水はけと水もちの両方が要ります。庭では掘り上げた土に腐葉土を三割と、粘土質なら軽石を二割混ぜます。鉢は市販の草花用の土に軽石の小粒を二割混ぜ、深さのある鉢を選びます。酸度は中性寄りでよく、苦土石灰をひとつかみ混ぜても構いません。
- 穴は深く広く
- 直径四十センチ、深さ四十センチほど掘ります。根は深く伸びるので、底の土も軟らかくしておくと生育が違います。
- 元肥は底に混ぜる
- 元肥(植えるときにあらかじめ入れておく肥料)は緩効性のものを穴の底の土に混ぜ、根に直接触れないよう上に土をかぶせます。
- 節を一つ埋める高さで置く
- 根鉢の表面より三〜五センチ深く植え、茎の一番下の節が土に隠れる高さにします。支柱を先に立ててから苗を置くと根を傷めません。
- 根鉢は崩さない
- 根は細く切れやすいので、ポットから抜いたらそのまま植えます。根が回っていても底を軽くほぐす程度に留めます。
小さな苗の茎は折れやすいので、植えるときに仮の支柱に軽く結んでおきます。折れた茎は埋めた節から再生しますが、一年遅れます。
植えた直後の水やりと誘引
植えたらたっぷり水を与え、その後は表土が乾いたら与えます。春植えなら芽が伸び始めるまで一〜二週間、根が動くまでは乾かさないようにします。株元に腐葉土を敷いて乾きと地温の上昇を抑えます。
伸び始めたつるは放っておくと絡み合うので、十センチ伸びるごとに支えに軽く結びます。この最初の誘引が、後の仕立ての形をほぼ決めます。
- 根付くまで乾かさない
- 植えてから二週間は表土が乾いたら与えます。新しい葉が動き出したら根が張った合図で、その後は乾いてから与えます。
- つるは早めに結ぶ
- 伸びた先を麻ひもかビニールタイで支えにゆるく結びます。強く縛ると茎が太ったときに食い込みます。
- 一年目は花を減らす
- 植えた年は蕾を半分ほど摘み、株を育てることを優先します。小さな苗なら全部摘んでも翌年からよく咲きます。
植え付けで失敗したときの原因と直し方
植えて間もなく茎がしおれる、葉が黒くなる、芽が出ないといった不調は、浅植え、根の傷み、真夏の植え付けのどれかが原因のことが多いです。茎の緑と株元を見て切り分けます。
地上部が枯れても、深植えした節から翌春に芽が出ることがよくあります。株元を掘り返さず、水を控えめに保って一年待ちます。芽が出るか出ないかの判断は翌年の四月ころまで待ってからにします。
| 症状 | 疑う原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 茎が突然しおれて黒くなる | 立ち枯れ病、株元の傷 | 枯れた茎を株元で切り、埋めた節からの芽を待つ |
| 葉が黄色く株が育たない | 根鉢を崩した、過湿 | 水を減らし、株元に日よけをして新芽を待つ |
| 芽が出たがすぐ枯れる | 浅植えで株元が乾いた | 秋に掘り上げて節を埋め直す |
| 夏に葉が焼けて落ちた | 西日、根元の高温 | 株元に敷き物と日よけ、秋に置き場を変える |
植えた年に花が咲かなくても失敗ではありません。二年目に枝数が増えていれば順調です。
クレマチスの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
クレマチスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はクレマチスの育て方にまとめています。
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