症状から原因を絞る
クレマチスの不調は、茎が突然しおれる、葉に白い粉が付く、新芽や蕾に虫が付く、新芽が食べられて消える、といった形で現れます。見た目ごとに原因はおおむね決まっているので、まず下の表で当たりを付け、それぞれの対処に進みます。
| 症状 | 疑う原因 | 最初の手当て |
|---|---|---|
| 一本の茎が急にしおれて黒くなる | 立ち枯れ病 | 株元で切って処分。他の茎は育てる |
| 葉に白い粉が付く | うどんこ病 | 葉を切り、風通しを良くする |
| 新芽や蕾に小さな虫が群がる | アブラムシ | 指でつぶすか草花用の殺虫剤 |
| 春の新芽が食べられて消える | ナメクジ、ヨトウムシ | 夜に見回って捕殺、誘引剤 |
| 葉に赤茶色の点が広がる | さび病 | 葉を切り、殺菌剤 |
| 葉が黄色くなり株が育たない | 根詰まり、根腐れ、ネコブセンチュウ | 冬に掘り上げて根を確かめる |
立ち枯れは一本ずつ切って株を守る
元気に伸びていた茎が、蕾を付けたまま一日でしおれて黒くなるのが立ち枯れです。株元や茎の傷からかびが入って起き、五月から七月の湿った時期と、真夏の株元の高温で出やすくなります。大輪の品種に多く、モンタナ系や新枝咲きの小輪には少ない傾向があります。
株全体が枯れることはまれで、たいてい一本か数本の茎で止まります。しおれた茎を株元まで切って処分し、埋めた節や株元から出る新しい芽で立て直します。深植えをしておくことが、この病気への一番の備えです。
- しおれた茎を株元で切る
- しおれて戻らない茎は、株元の土のすぐ上で切ります。切った茎は他の株に触れないよう処分し、はさみを消毒します。
- 株元の風通しを良くする
- 株元に葉が密集していれば数枚抜き、敷き物は茎から少し離します。株元が湿ったままだと繰り返します。
- 傷を付けない
- 誘引や草取りで茎を擦らないよう気を付けます。強く縛ったひもの食い込みや、風で擦れた傷が入口になります。
- 毎年出るなら殺菌剤
- 同じ株で繰り返すなら、芽出しの三月から梅雨まで、草花用の殺菌剤を株元に月一回散布します。
立ち枯れした茎の下から新芽が出るのに一か月ほどかかります。株元の芽が固ければ待ちます。
うどんこ病は風通しと早めの葉切り
梅雨から初夏、そして秋に、葉や蕾に白い粉をまぶしたようなかびが付くのがうどんこ病です。枝が混んで風が通らない株、日陰の株、肥料が多くて葉が軟らかい株に出ます。少ないうちは葉を切れば止まりますが、広がると蕾まで白くなって開きません。
予防は混み枝の間引きと、株元の落ち葉の片付けです。出始めに草花用の殺菌剤を散布すれば広がりを止められます。葉の表面が乾きにくい梅雨は、週に一度は葉を見て早く気づくようにします。
- 白い葉は付け根から切る
- 粉の付いた葉を見つけたら、その葉を付け根から切って処分します。数枚なら切るだけで止まります。
- 混んだ枝を間引く
- 内側の葉に日が当たらない株は、蕾のない枝を付け根から抜いて風を通します。株の中を手が通るくらいが目安です。
- 広がったら殺菌剤
- 株の三分の一以上に出たら、草花用の殺菌剤を葉の表裏に散布します。一週間おいて二回行うと確実です。
アブラムシとナメクジは春に見回る
四月から五月、伸びた新芽と蕾にアブラムシが付きます。数が少なければ指でつぶし、増えたら草花用の殺虫剤で早めに止めます。放っておくと蕾がゆがみ、排せつ物でべたつき、ウイルスの病気を運びます。
三月から四月の芽出しの時期には、ナメクジやヨトウムシが夜に新芽を食べます。朝になったら芽が消えている、葉に穴が空いているといった跡があれば、夜に懐中電灯で見回って捕殺します。株元に誘引剤を置くのも効きます。
- 週に一度は蕾の裏を見る
- 新芽の先と蕾の付け根を見て、緑や黒の小さな虫が群がっていればその日のうちに取ります。
- 芽が消えたら夜に見回る
- 朝に新芽が食べられていたら、その夜に懐中電灯で株元を照らします。ナメクジや幼虫がいれば捕殺します。
- 株元に誘引剤
- ナメクジが多い場所では株元に市販の誘引剤を置きます。雨で流れるので梅雨は補充します。
根の障害は冬に掘って確かめる
水も肥料も与えているのに葉が黄色く、株が年々小さくなるなら、根に問題があります。鉢の根詰まり、過湿による根腐れ、根にこぶを作るネコブセンチュウが考えられます。休眠期の十二月から二月に掘り上げて根を見ると、原因がはっきりします。
白く張った根なら根詰まりで、一回り大きい鉢に植え替えます。茶色く軟らかい根は根腐れで、傷んだ根を切って新しい土に植え直します。根に小さなこぶが並んでいればセンチュウで、土を全部替え、庭なら場所を変えます。
| 根の状態 | 疑う原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 白い根が鉢の形に固まっている | 根詰まり | 一回り大きい鉢へ植え替え |
| 茶色く軟らかい根が多い | 過湿で根腐れ | 傷んだ根を切り、水はけの良い土に植え直す |
| 根に小さなこぶが並ぶ | ネコブセンチュウ | 土を全部替える。庭は場所を変える |
| 根が少なく細い | 肥料不足、日照不足 | 春から肥料を増やし、日向へ |
被害が大きくなったときの立て直し
立ち枯れで茎を全部失った、うどんこ病で葉をほとんど切った、といった株も、株元の芽が生きていれば戻ります。深植えした節から新芽が出るまで、水を控えめに保ち、肥料は新芽が伸びてから少量に戻します。
同じ病気を毎年繰り返す株は、置き場所と株元の環境を見直します。風が通らない、株元が熱い、雨が直接当たる場所は、薬より移動のほうが効きます。
- 株元の芽を確かめる
- 土の表面をそっと払い、株元や埋めた節に固い芽があれば回復します。軟らかく黒ければ、その部分は諦めて他を探します。
- 肥料を止めて水を保つ
- 弱った株への肥料は逆効果です。表土が乾いたら与える程度にし、新芽が十センチ伸びてから薄い液肥を始めます。
- 翌年の見回りを前倒す
- 被害の出た年は翌年も出やすい傾向があります。三月から株元の見回りと、混み枝の整理を早めに始めます。
クレマチスの長く咲かせるコツは作物ページに
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