咲かない原因を先に切り分ける
サルスベリが咲かない原因は、日照不足、冬の剪定不足、肥料の与えすぎ、鉢の水切れ、若木で枝が固まっていない、のどれかがほとんどです。原因によって対処が正反対になることもあるので、置き場所の日照時間と、前年の剪定と肥料を振り返り、下の表で当たりを付けます。
| 状態 | 考えられる原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 枝は元気だが花房が付かない | 日照が一日六時間未満 | 日なたへ移す、周囲の木を透かす |
| 細い枝に小さな花房だけ | 冬の剪定をしなかった | 翌冬に太い枝を残して強く切る |
| 葉が濃く大きく枝が長い | 窒素肥料が多い | 肥料を止め、リン酸主体に替える |
| 蕾が付いたまま落ちる | 鉢の水切れ、高温 | 朝夕に水、鉢台で温度を下げる |
| 植えて一〜二年目 | 根が張っていない | 水を切らさず待つ、翌年から咲く |
| 花房は付くが開かず縮れる | うどんこ病 | 病気の項目を確認 |
花は今年伸びた枝の先に咲く
サルスベリの花房は、春から伸びた新枝の先に七月ごろ付きます。冬に前年枝を強く切るほど、太い新枝が出て大きな花房になります。逆に切らずに放置すると細い枝が多数出て、花房は小さく数も減ります。花付きを決めるのは、冬の剪定の強さと、春からの日照です。
- 冬に太い枝を残して切る
- 二月に、前年枝を三分の一から半分残して切り戻します。細い枝は付け根から抜き、太い枝に養分を集めます。
- 春の新枝を絞る
- 五月に切り口から出た三〜四本の新枝のうち、太い一〜二本を残して他を摘みます。残した枝の先に大きな花房が付きます。
- 六月まで水を切らさない
- 新枝が伸びる五月から六月に水切れすると、枝が短く止まって花房が小さくなります。地植えでも乾く年は補います。
花がらを切って次の花房を上げる
一つの花房は二〜三週間咲きます。花が散って実がふくらみ始めると養分がそこに向かい、次の花房が上がりにくくなります。花房の花が七割ほど散ったら、花房の下の葉二〜三対を残して切ると、脇から新枝が伸びて三〜四週間後に次の花房が付きます。これを八月中旬まで繰り返すと、九月まで咲き続けます。
- 花房の七割が散ったら切る
- まだ花が残っていても、実が丸くなり始めたら切ります。全部散るのを待つと、次の花房が遅れます。
- 葉を二〜三対残す
- 花房のすぐ下ではなく、その下の葉が二〜三対付いた位置で切ります。残した葉の脇から次の枝が出ます。
- 八月中旬で止める
- 八月中旬以降に切ると、新枝が冬までに固まらず枯れ込みます。それ以降の花がらは実を付けたままにします。
実を残して観賞したいなら、最後の花房だけ切らずに残します。冬に丸い実が枝先に付いた姿になります。
日当たりと肥料の均衡
サルスベリの花付きは日照でほぼ決まり、肥料はむしろ少ない方がよく咲きます。窒素が多いと葉が大きく濃くなり、枝が長く伸びて花房が付きません。花を増やしたいなら、肥料を足すより日照を確保し、リン酸の多い花用の肥料を五月に少量与える程度に留めます。
| 場面 | 肥料の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| 地植え・よく咲いている | 二月の寒肥のみ、または不要 | 足すと枝が伸びて花が減る |
| 地植え・花が減った | 二月に寒肥、五月にリン酸主体を少量 | 根の充実と花芽の助け |
| 鉢植え | 五月と八月にリン酸主体の置き肥 | 鉢は養分が流れやすい |
| 葉が濃く枝が長い | 肥料を止める | 窒素過多で花が付かない |
鉢植えで夏中咲かせる
矮性種や中型種の鉢植えは、日当たりのよいベランダで夏中咲き続けます。要点は水切れを起こさないことと、花がらを早めに切ることです。真夏は朝の水やりに加えて夕方も確認し、蕾が落ち始めたら水切れの合図です。鉢の中が高温になると根が傷むので、鉢台で底を浮かせます。
- 朝夕の水やり
- 朝に鉢底から流れるまで与え、夕方に土が乾いていればもう一度与えます。受け皿の水はためません。
- 月に一度鉢を回す
- 同じ向きで置くと片側だけ咲きます。月に一度、鉢を半回転させて全体に日を当てます。
- 八月に置き肥
- 最初の花房を切ったころに、リン酸主体の緩効性肥料を鉢の縁に少量置きます。二番花の助けになります。
若木を早く咲かせるには
サルスベリは植え付けの翌年から咲くことが多いですが、若木は根が張るまで花が少なめです。若木のうちは冬の剪定を弱めにして枝を充実させ、二〜三年目から本格的に切り戻します。挿し木苗の矮性種は一年目から咲きます。焦って肥料を増やしても花は早まらず、むしろ枝ばかり伸びます。
| タイプ | 花が咲くまでの目安 | 早めるコツ |
|---|---|---|
| 普通種の若苗 | 一〜二年 | 剪定を弱めにし、日なたで根を張らせる |
| 矮性種 (挿し木苗) | その年から | 水を切らさず、花がらをこまめに切る |
| 接ぎ木の中型種 | 一年 | 台木の芽を取り、日照を確保 |
| 種から育てた苗 | 三〜五年 | 日なたで育て、二年目から冬に切り戻す |
サルスベリの花のころに使うもの
木は花の数より、咲いた花が実になるかどうかで穫れる量が決まります。
- 授粉用の毛ばたき・綿棒探す言葉「人工授粉 毛ばたき 園芸」
- 規格の目安
- 柔らかい毛のはたきか、綿棒。
虫が少ない場所や、開花期に雨が続いた年は、花粉が運ばれません。触れて回るだけで実付きが変わります。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いもの。
窒素が効きすぎていると、枝葉ばかり伸びて花が減ります。花の時期は窒素を控えます。
- 不織布(遅霜よけ)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。
開花中の遅霜は、その年の実をまとめて落とします。冷える予報の夜だけかければ足ります。
- 虫がよく来る場所なら、人工授粉は要りません。
- 開花促進剤より、前の年の剪定と施肥のほうが花数に効きます。
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