大きさで品種を選ぶ
サルスベリは高さ五メートルを超える普通種から、鉢で楽しめる三十センチほどの矮性種まで幅があります。花色は紅、桃、白、紫があり、うどんこ病に強い改良品種も多く出回っています。狭い庭や鉢なら矮性種、庭の主木なら普通種と、置き場所の広さで大きさを決めてから色を選びます。
| 場面 | 向くタイプ | 十年後の高さの目安 |
|---|---|---|
| 庭の主木 (五メートル四方以上) | 普通種、シマサルスベリ | 四〜七メートル |
| 普通の庭・玄関脇 | 中型種 (二〜三メートルで止まる品種) | 二〜三メートル |
| 狭い庭・花壇 | 矮性種 (一メートル前後) | 五十センチ〜一メートル |
| 鉢植え・ベランダ | 矮性種、鉢向きの改良品種 | 鉢で三十〜八十センチ |
| うどんこ病が毎年出る場所 | 病気に強い改良品種 | 品種による |
ラベルに最終樹高が書いてあります。矮性種は接ぎ木でなく挿し木苗が多く、根元から出る枝も同じ花が咲きます。
時期は春の芽吹き前
植え付けの適期は、芽が動く前の三月から四月上旬です。サルスベリは芽吹きが遅く、四月下旬まで枝が裸のままなので、枯れたと勘違いしないようにします。秋の植え付けもできますが、関東平野部では若木の枝先が冬の寒さで枯れ込みやすく、根が張る時間の長い春植えが安全です。
| 地域 | 植え付けの適期 | 目印 |
|---|---|---|
| 暖地 | 3月〜4月上旬、または11月 | 芽がまだ動いていない |
| 中間地 | 3月中旬〜4月上旬 | 霜の心配が薄れてから |
| 寒冷地 | 4月中旬〜5月上旬 | 遅霜の恐れがなくなってから |
場所は一日中日が当たる所
サルスベリは日照が最も大切な木で、半日陰では枝ばかり伸びて花が咲きません。一日六時間以上日が当たり、風通しのよい場所を選びます。風通しが悪いとうどんこ病が毎年出ます。土は水はけがよければ選びませんが、水がたまる場所では根が腐ります。西日にも強いので、他の木が嫌がる西向きの場所にも使えます。
- 日照時間を数える
- 植えたい場所に一日いて、直射日光が当たる時間を数えます。六時間未満なら花が減るので、別の場所か鉢植えで動かせるようにします。
- 水はけを確かめる
- 深さ三十センチの穴に水を張り、抜ける時間を見ます。半日以上残るなら二十センチ盛り土をして高く植えます。
- 土を改良する
- 掘り上げた土に腐葉土を三割混ぜます。粘土質なら軽石を二割足します。肥沃すぎる土は枝ばかり伸びるので、堆肥は入れすぎません。
根鉢を軽くほぐして植える
サルスベリは根の再生力が強く、根鉢を軽くほぐしても活着します。ポットから抜いたら底で巻いている根をほぐし、黒く傷んだ根を切ります。深植えは根元が腐る原因になるので、根鉢の上面が地面と同じ高さになるように植えます。若木は幹が細く風で揺れるので、支柱で固定します。
- 穴は根鉢の二倍
- 根鉢の幅の二倍、深さは根鉢と同じに掘ります。底に腐葉土を混ぜた土を敷き、根鉢を置いたときの高さを確かめます。
- 根鉢の底をほぐす
- 底で固く巻いた根を指でほぐし、外側の古い土を軽く落とします。中心部は触らず、傷んだ根だけ切ります。
- 水で土を締める
- 土を半分戻したら水をたっぷり注ぎ、棒で軽く突いて隙間をなくします。残りの土を戻し、根元の周りに水鉢を作ります。
- 支柱で一年固定する
- 幹に沿って支柱を立て、麻ひもで八の字に結びます。幹の表皮はなめらかで傷が付きやすいので、布を挟んで結びます。
肥料は植え付け穴に入れません。与えるなら新芽が伸びた五月以降に、緩効性の固形肥料を根元から離して置きます。
鉢植えの用土と鉢
矮性種や中型種は鉢でよく咲きます。六号から八号の鉢に、赤玉土六割、腐葉土三割、軽石一割の用土で植えます。日当たりのよいベランダなら夏中咲き続けます。根の成長が早いので、二年に一度は三月に一回り大きい鉢へ植え替えるか、根を三分の一ほど切って同じ鉢に戻します。
| 鉢の大きさ | 向く苗 | 注意 |
|---|---|---|
| 五号 (直径十五センチ) | 矮性種の若苗 | 夏は一日で乾くので朝夕に確認 |
| 七号 (直径二十一センチ) | 矮性種の成株、中型種の若苗 | 二年に一度植え替え |
| 十号 (直径三十センチ) | 中型種の成株 | 重いので置き場所を先に決める |
| プランター (六十センチ) | 矮性種を二〜三株 | 株間二十センチ以上 |
植え付け後に芽が出ないときの切り分け
サルスベリは芽吹きが遅く、四月下旬から五月になってようやく葉が出ます。三月に植えて四月に芽が動かなくても慌てません。五月中旬を過ぎても芽が出ないなら、枝を指で曲げて弾力があるか、樹皮を少し削って緑かを確かめます。枝先だけ枯れていて根元の幹が生きているなら、下から芽が出ます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 五月上旬まで芽が動かない | 芽吹きが遅い性質 | 五月中旬まで待つ |
| 枝先だけ枯れ、幹の下部は緑 | 冬の寒さで枝先が枯れ込んだ | 枯れた部分を切り戻し、下の芽を伸ばす |
| 幹全体が茶色く乾いて折れる | 根が乾いて枯れた | 回復不可、次は水を切らさない |
| 葉が出たが小さく黄ばむ | 水のやりすぎ、水はけ不良 | 水を控え、周囲の土を高くする |
サルスベリの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
サルスベリの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はサルスベリの育て方にまとめています。
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