掘り上げるか植えっぱなしかで手順が変わる
休眠期の管理は、六月に掘り上げて球根を保管するか、土の中で夏を越させるかで変わります。水はけのよい庭なら植えっぱなしで三〜四年咲き続け、鉢や湿った場所では掘り上げるほうが安全です。どちらにするかを葉が枯れる前に決めておきます。
| 場面 | 向く方法 | 夏の扱い |
|---|---|---|
| 水はけのよい庭 | 植えっぱなし | 枯れ葉を片付け、印を残して放置 |
| 水がたまりやすい庭 | 掘り上げ | 乾かしてネットで保管 |
| 鉢植え | 掘り上げ、または鉢ごと乾かす | 雨の当たらない日陰で水を止める |
| 寄せ植えの一部 | 掘り上げて別保管 | 他の花の水やりで湿るのを避ける |
| 芝生の中 | 植えっぱなし | 葉が枯れてから芝を刈る |
掘り上げの時期と手順
掘り上げは葉が完全に黄色く枯れた五月下旬から六月です。葉が緑のうちに掘ると球根が太り切っておらず、翌年の花が小さくなります。葉を軽く引いて抵抗なく抜けるのが目安です。晴れが続いた日に、球根を掘り傷しないよう周りから掘ります。
掘った球根は土を落とし、古い球根を外して新しい球根と子球を分けます。傷や腐りのあるものはこの時点で捨てます。品種ごとに分けて名札を付けておくと、秋の植え付けで迷いません。
- 葉が抜けるのを確かめる
- 葉の付け根を軽く引き、抵抗なく抜けたら掘り時です。まだ抜けなければ一週間待ちます。
- 周りから広く掘る
- 球根の位置から十センチ離れた所からスコップを入れ、土ごと持ち上げます。球根に刃を当てると腐りの入口になります。
- 古い球根と子球を分ける
- 新しい球根の下にしぼんだ古い球根が付いています。外して捨て、周りの小さな子球は別に分けておきます。
- 傷んだものを捨てる
- 軟らかいもの、傷のあるもの、外皮の下が黒いものは保管中に腐って他にうつります。この時点で処分します。
保管は乾かしてから涼しく暗い場所で
掘った球根は新聞紙の上に広げ、風通しのよい日陰で一〜二週間乾かします。直射日光に当てると球根が傷みます。乾いたらネットか紙袋に入れ、品種名を書いた名札を付けて、涼しく暗く風の通る場所に十月まで置きます。
ビニール袋や密閉容器は蒸れて腐ります。夏の暑い物置や日の当たる場所も避け、家の北側の風通しのよい場所や、玄関の棚などが向きます。月に一度は袋を開けて、かびや軟らかい球根を取り除きます。
- 日陰で一〜二週間乾かす
- 新聞紙に重ならないよう広げ、風通しのよい日陰に置きます。表面がさらさらになれば乾いています。
- ネットか紙袋に入れる
- 通気性のある袋に入れ、品種と色の名札を付けます。子球は別の袋にして秋に別の場所へ植えます。
- 月に一度点検する
- 袋を開けてかび、軟らかいもの、しぼんだものを取り除きます。しぼむなら置き場所が暑いか乾き過ぎです。
冷蔵庫に入れる必要はありません。極端な低温より、風通しのよい常温の日陰のほうが球根は安定します。
植えっぱなしの夏越し
植えっぱなしにする場合は、葉が枯れたら地上部を片付け、球根の場所に印を立てるだけです。夏に他の草花を植えるときに球根を掘り返さないよう、場所を記録しておきます。水はけがよければ、夏の雨で腐ることはほとんどありません。
上に夏の一年草を植えるなら、根の浅いものを選び、水やりが多くなり過ぎないようにします。三〜四年たって花が小さくなったら、六月に掘り上げて分け、秋に植え直します。
- 枯れ葉を片付けて印を立てる
- 葉が枯れたら取り除き、名札や小石で場所を示します。掘り返しと踏み付けを防ぎます。
- 夏の水やりは控えめに
- 上に植えた花に水を与えるときも、球根の場所が常に湿らないよう、乾いてから与えるようにします。
- 花が小さくなったら分ける
- 三〜四年目に花が小さく数が減ったら密になり過ぎです。六月に掘り上げ、大きい球根を間隔を空けて植え直します。
秋に植え直すときの準備
保管した球根は十月中旬から十一月上旬に植えます。植える前にもう一度球根を見て、固く重いものだけを選びます。大きい球根は花壇や鉢の目立つ場所に、小さな子球は庭の隅にまとめて植えて二〜三年かけて育てます。
掘り上げた場所に植え直す場合は、土に腐葉土を足して耕し直します。同じ場所で腐りや病気が出ていたら、土を替えるか場所を変えます。
| 球根の大きさ | 植える場所 | 開花の目安 |
|---|---|---|
| 直径3センチ以上 | 花壇の前面、鉢の中央 | 翌春に3〜5輪 |
| 直径2〜3センチ | 花壇、鉢 | 翌春に1〜2輪 |
| 直径1〜2センチ(子球) | 庭の隅にまとめて | 2〜3年後 |
| 直径1センチ未満 | 育成用の鉢に密植 | 3年以上 |
休眠中に失敗したときの直し方
保管中にかびた、しぼんだ、植えっぱなしで消えた、といった失敗は、乾かし方と置き場所と水はけに原因があります。残った球根の状態を見て、翌年の方法を変えます。
しぼんだ球根でも固さが残っていれば植えれば芽が出ます。花は小さくなりますが、葉を育てれば二年で戻ります。指で押して弾力があるかどうかを、捨てるか植えるかの目安にします。
| 状態 | 疑う原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| 保管中にかびが出た | 乾かし足りない、袋が密閉 | 2週間乾かし、ネットに替える |
| 球根がしぼんで軽い | 暑い場所、乾き過ぎ | 北側の涼しい場所で紙袋に |
| 植えっぱなしで春に出ない | 夏の過湿で腐った、食害 | 掘り上げ方式に変えるか、盛り土と金網 |
| 植えたら芽が出たが花が小さい | 球根が小さいまま植えた | 大きさで分け、小さいものは育成用に |
クロッカスの冬越しに使うもの
寒さそのものより、凍って溶けるのを繰り返すことで傷みます。土を凍らせないことが目的です。
- バーク堆肥・腐葉土(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に 3〜5cm の厚さで敷きます。
- 数量の目安
- 株元の直径 40cm 分で 5L 前後。
土に布団をかけるのと同じです。春には鋤き込めば土壌改良材にもなり、片付けが要りません。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。厚いほど保温しますが、光も遮ります。
かけたまま水をやれて、日中の光も通します。ビニールと違い、内側が蒸れません。
- 鉢用の断熱材探す言葉「発泡スチロール 鉢 保温」
- 規格の目安
- 発泡スチロールの箱か、鉢を包むプチプチ。
鉢は地面より先に凍ります。地面に直に置くか、鉢ごと包むかで越冬できるかが変わります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。
寒さに弱い球根は掘り上げて越冬させます。風の通るところに吊るし、密閉しません。
- 耐寒性のある宿根草は、地上部が枯れても根は生きています。掘り上げずに株元を覆うだけで足ります。
- ビニールで覆いっぱなしにすると、晴れた日に蒸れます。不織布のほうが失敗しません。
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