育て方で植え方が変わる
クロッカスは球根の直径が二〜三センチの小さな球根で、庭に群れ咲かせる、鉢にぎっしり植える、水栽培で室内で咲かせる、の三通りの楽しみ方があります。それぞれ深さと間隔と時期が違うので、まず自分がどれをするかで植え方を決めます。
植え付けの適期は十月から十一月上旬で、地温が二十度を下回ったころが目安です。早く植えると土の中で腐りやすく、十二月にずれ込むと根の張りが浅く花が小さくなります。
| 育て方 | 深さと間隔 | 植える時期の目安 |
|---|---|---|
| 庭に群れ咲かせる | 深さ5センチ、間隔5〜8センチ | 10月中旬〜11月上旬 |
| 鉢やプランター | 深さ3センチ、球根がぶつからない程度に密に | 10月中旬〜11月上旬 |
| 水栽培 | 球根の底が水に触れる高さ | 11月上旬〜中旬、根が出るまで暗い所 |
| 芝生の中 | 深さ7〜8センチ、ばらまいて落ちた場所に | 10月中旬〜下旬 |
球根は九月から店に並びますが、買ってすぐ植えずに風通しのよい涼しい場所で十月中旬まで保管します。
球根は固くて重いものを選ぶ
良い球根は手に持って重く、押しても固く、外皮に傷やかびがないものです。同じ品種なら大きい球根ほど花が多く、直径三センチを超える球根は一球から三〜五輪咲きます。小さい球根や軟らかい球根は花が一輪か、咲かないこともあります。
品種は大きく二つに分かれます。二月から咲く小輪の早咲き種は花が小さい分、数が多く丈夫です。三月に咲く大輪の春咲き種は花が大きく色も豊富ですが、雨で傷みやすい傾向があります。
- 手に持って重さと固さを見る
- 同じ品種の袋を持ち比べ、重いものを選びます。指で軽く押して凹むもの、外皮の下が黒ずんでいるものは避けます。
- 芽の先を確かめる
- 球根の先端に白い芽の先が見えていれば正常です。芽が伸びて緑になっているものは保管中に動き出しているので、すぐ植えます。
- 品種を混ぜるなら花期を揃える
- 早咲きと春咲きを同じ鉢に混ぜると開花がずれてまとまりません。一鉢一品種にするか、同じ花期の色違いを組み合わせます。
庭は水はけを整えて浅めに
庭では日当たりがよく水はけのよい場所を選びます。水がたまる場所は球根が腐るので、腐葉土を三割混ぜて盛り土をするか、レイズドベッドにします。酸度は中性寄りでよく、植え付けの二週間前に苦土石灰をひとつかみ混ぜておきます。
深さは球根の高さの二倍、五センチほどが目安です。間隔は五〜八センチと詰めて植えるほうが、早春に群れ咲いたときに見栄えがします。一か所に十球以上まとめて植えると、ぽつぽつ咲くより自然な群れになります。
- 二週間前に土を作る
- 深さ二十センチほど耕し、腐葉土と苦土石灰を混ぜて二週間なじませます。元肥(植えるときにあらかじめ入れておく肥料)は緩効性のものを少量混ぜます。
- 尖った方を上に置く
- 球根の尖った側が芽です。上にして置き、間隔五〜八センチで群れになるように配置します。
- 土を五センチかぶせる
- 球根の上に五センチほど土をかぶせ、たっぷり水を与えます。芽が出るまで乾かなければ水は要りません。
- 植えた場所に印を立てる
- 芽が出るまで三か月ほど何も見えません。踏んだり掘り返したりしないよう、名札や小さな支柱で場所を示します。
鉢とプランターは密植で見せる
鉢植えはぎっしり植えるほど花が引き立ちます。五号鉢なら八〜十球、六十センチのプランターなら三十球ほどを、球根同士がぶつからない程度に並べます。深さは三センチと浅く、鉢の縁から二センチ下まで土を入れられる余裕を残します。
土は市販の草花用の土に軽石の小粒を二割混ぜるか、球根用の土をそのまま使います。植えたらたっぷり水を与え、戸外の日当たりに置きます。室内に入れると寒さに当たらず花が咲きません。
- 鉢底に軽石を敷く
- 鉢底に鉢底石を二センチ敷き、土を鉢の半分ほどまで入れます。緩効性肥料を少量混ぜておきます。
- 球根を並べて三センチ土をかける
- 球根の尖った方を上にして並べ、隙間が指一本ほどになるよう密に置きます。上から三センチ土をかけます。
- 戸外の日当たりに置く
- 植えたら鉢底から流れるまで水を与え、霜が降りても屋外に置きます。冬の寒さに当たることで蕾ができます。
土の代わりに小さな鉢を寄せ植えの中に埋めると、花後に鉢ごと抜いて球根を管理できます。
水栽培は根を出してから明るい所へ
水栽培は十一月上旬に始めます。球根の底がわずかに水に触れる高さで容器に載せ、根が出るまで暗くて涼しい場所に置きます。根が三〜五センチ伸びたら明るい窓辺に出し、水は球根に触れない高さまで減らします。暖かい部屋に置くと葉ばかり伸びて花が咲かないので、十度前後の部屋が向きます。
水は週に一〜二回替えます。濁ったり臭ったりしたら根が傷み始めているので、すぐ替えて容器も洗います。花が終わった球根は消耗が大きく、翌年の開花は難しいので、庭に植えて数年かけて回復させます。
- 根が出るまで暗所
- 球根の底が水に触れる高さで載せ、箱をかぶせるか暗い玄関に置きます。二〜三週間で白い根が出ます。
- 根が伸びたら窓辺へ
- 根が三〜五センチになったら日の当たる窓辺に移し、水面を球根の底から一センチ下げます。
- 水は週に一〜二回替える
- 根に触れないよう静かに替えます。暖房の当たる場所は避け、夜は窓から離して冷えすぎないようにします。
植え付けで失敗したときの原因と直し方
春に芽が出ない、葉は出たが花がない、球根が腐った、といった失敗は、植える時期、深さ、水はけ、球根の大きさのどれかに原因があります。掘り上げて球根の状態を見ると切り分けられます。
球根が固く残っていれば翌年に望みがあります。腐って軟らかければ処分し、同じ場所の土を替えます。掘って確かめる時期は、葉が枯れた六月か、芽が出るはずの二月下旬が目安です。
| 状態 | 疑う原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| 春に芽が出ず球根が腐っていた | 早植え、水はけ不良 | 10月中旬以降に、盛り土して植える |
| 葉は出たが花が咲かない | 小さい球根、室内で寒さに当てなかった | 大きい球根を選び、冬は屋外に置く |
| 芽が出たが途中で消えた | ネズミやモグラの食害 | 金網の籠に入れて植える |
| 花が小さく茎が短い | 植え付けが遅れた、浅すぎた | 11月上旬までに5センチの深さで |
水栽培で花が咲かなかった球根は、翌年も咲かせるのは難しいです。庭に植えて数年育てれば回復することがあります。
クロッカスの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
クロッカスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はクロッカスの育て方にまとめています。
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