掘り上げるか、そのまま置くか
スイセンは植えっぱなしで数年咲き続ける球根なので、休眠期の作業は「掘り上げる」か「そのまま置く」かの判断から始まります。株の様子と場所で決めてください。迷ったら掘らないほうが失敗は少なくなります。
鉢植えは土の量が限られて分球が進むと根の場所がなくなるため、二年に一回は掘り上げて植え直します。庭植えは三〜四年に一回で十分です。
| 状態 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 植えて一〜二年、花がよく咲いた | そのまま | 根を切らないほうが翌年も確実に咲く |
| 三〜四年経ち葉が細く花が減った | 掘り上げる | 分球で混み合い、球根が小さくなっている |
| 夏に雨水がたまる場所 | 掘り上げる | 休眠中の過湿で腐る |
| 落葉樹の下など夏に日陰で乾く場所 | そのまま | 自然に近い環境で球根が休める |
| 鉢植え | 二年に一回掘り上げ | 根の場所と土の養分が尽きる |
掘り上げは葉が枯れてから
掘り上げは葉が完全に黄色くなり、軽く引いて抜けるようになった六月に行います。葉が緑のうちに掘ると、球根が十分に太っていません。梅雨の晴れ間を選び、土が乾いているときに掘ると球根が傷みにくくなります。
掘り上げた球根は、大きさで分けておきます。周囲十センチ以上の大球は翌春に咲く見込みがあり、小さいものは別に植えて育てます。
- 晴れが続いた日に掘る
- 土が湿っていると球根に土が付き、乾かしにくくなります。二〜三日晴れた後の午前中に掘ります。
- 株から十センチ離して掘る
- スコップを株元から離して入れ、球根を傷付けないよう土ごと持ち上げます。傷が付いた球根は腐りやすいので別にします。
- 土を落として葉を取る
- 土を軽く手で落とし、枯れた葉と根を取ります。水で洗うと腐りやすいので洗いません。
- くっついた球根を分ける
- 自然に外れるものだけ手で分けます。無理に引き離すと傷が付くので、固く付いたものはそのままにします。
夏の保管は乾燥と風通し
掘り上げた球根は、日陰で一週間ほど表面を乾かしてから、ネットや紙袋に入れて風通しの良い日陰で秋まで保管します。ビニール袋や密閉容器は蒸れて腐ります。直射日光と高温多湿の物置は避け、軒下や玄関など風が通る場所を選びます。
保管中は月に一回中を確かめ、柔らかくなったものやカビの出たものを取り除きます。一つ腐ると隣に移るので、早めに見つけることが大切です。
日本水仙やミニ系統は掘り上げずに植えっぱなしのほうがよく育つことが多く、掘り上げは大輪のラッパ咲きや八重咲きで効果が大きいです。系統によって扱いを変えて構いません。
- 日陰で一週間乾かす
- 新聞紙の上に重ならないように並べ、直射日光の当たらない風通しの良い場所で表面を乾かします。
- ネットや紙袋に入れる
- みかんのネットや紙袋に、系統ごとに分けて入れます。名前を書いた札を付けておくと秋に迷いません。
- 月に一回確かめる
- 袋を開けて触り、柔らかいものや黒いカビのあるものを取り除きます。固くて重いものだけ残します。
- 食材と離して保管
- 有毒なので、台所やタマネギの保管場所と一緒にしません。子どもの手の届かない場所に置きます。
掘らない株の夏の管理
掘り上げない株は、葉が枯れたら取り除き、夏は水をやらず乾いた状態で休ませます。鉢植えで掘り上げないなら、鉢ごと雨の当たらない日陰に移し、水を完全に止めます。花壇なら、上に夏の一年草を植えても構いませんが、その水やりが球根に届きすぎないよう浅根の草花を選びます。
秋になったら、掘らなかった株の上の土を軽く取り除き、新しい用土と緩効性肥料を少量足します。これで植え直しに近い効果があります。
| 場面 | 夏の管理 | 注意 |
|---|---|---|
| 庭の花壇 | 水をやらず放置。上に一年草を植えてもよい | 深く耕して球根を傷付けない |
| 鉢植えで掘らない | 鉢ごと雨の当たらない日陰へ、水を止める | 秋に表面の土を替えて肥料を少量 |
| 落葉樹の下 | 何もしない | 落ち葉が自然のマルチになる |
| 芝生の中 | 葉が枯れるまで刈らない | 六月以降は普通に刈ってよい |
保管中に失敗したときの見分け
秋に袋を開けて球根が柔らかい、カビている、芽がひょろりと伸びている、といったときの対処です。固くて重い球根だけ植え、怪しいものは思い切って捨てるほうが、翌春の花壇はきれいになります。
| 球根の状態 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 柔らかく押すとへこむ | 蒸れ・過湿で腐った | 捨てる。周りの固いものは植えてよい |
| 表面に青や黒のカビ | 湿った場所で保管した | 軽ければ乾いた布で拭いて植える。中まで柔らかければ捨てる |
| 白い芽が長く伸びている | 暗く暖かい場所に置きすぎた | 芽を折らないように植えれば咲く。来年は涼しい場所で保管 |
| 小さい球根ばかり | 分球しすぎ | まとめて植えて二〜三年育てると咲く大きさに戻る |
小さい球根は翌年咲かなくても、花壇の隅に植えて育てると二〜三年で開花サイズに戻ります。捨てずに育てる価値があります。
スイセンの冬越しに使うもの
寒さそのものより、凍って溶けるのを繰り返すことで傷みます。土を凍らせないことが目的です。
- バーク堆肥・腐葉土(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に 3〜5cm の厚さで敷きます。
- 数量の目安
- 株元の直径 40cm 分で 5L 前後。
土に布団をかけるのと同じです。春には鋤き込めば土壌改良材にもなり、片付けが要りません。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。厚いほど保温しますが、光も遮ります。
かけたまま水をやれて、日中の光も通します。ビニールと違い、内側が蒸れません。
- 鉢用の断熱材探す言葉「発泡スチロール 鉢 保温」
- 規格の目安
- 発泡スチロールの箱か、鉢を包むプチプチ。
鉢は地面より先に凍ります。地面に直に置くか、鉢ごと包むかで越冬できるかが変わります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。
寒さに弱い球根は掘り上げて越冬させます。風の通るところに吊るし、密閉しません。
- 耐寒性のある宿根草は、地上部が枯れても根は生きています。掘り上げずに株元を覆うだけで足ります。
- ビニールで覆いっぱなしにすると、晴れた日に蒸れます。不織布のほうが失敗しません。
スイセンの長く咲かせるコツは作物ページに
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