さし木の時期を選ぶ
ジンチョウゲは日本にある株のほとんどが雄株で種ができないため、増やすにはさし木を使います。時期は、花後に伸びた新枝が固まってくる六月から七月と、前年の枝を使う三月下旬から四月の二回あります。初心者には発根率の高い六月から七月がおすすめです。
親株を剪定する三月下旬から四月に、切った枝をそのまま挿すのが最も手間がありません。六月から七月に改めて新枝で挿すなら、発根率はこちらの方が高くなります。
| 時期 | 使う枝 | 向いている理由 |
|---|---|---|
| 6月〜7月 | 今年伸びた新枝で、先が固まりかけたもの | 発根が早く、二か月で根が出る |
| 3月下旬〜4月 | 前年に伸びた枝 | 剪定の枝を使えて無駄がない。発根はやや遅い |
| 9月 | 今年の枝で固くなったもの | 可能だが冬までに根が張らないことがある |
作業中は樹液でかぶれないよう手袋を着けてください。
さし穂の作り方
さし穂は、病気のない元気な枝の先端から十〜十五センチを切って作ります。指で曲げてしなやかに戻る程度に固まった枝が最も根を出しやすく、柔らかすぎる枝は腐り、固すぎる枝は根が出るのに時間がかかります。
さし穂は一本でなく、五本から十本まとめて挿します。ジンチョウゲの発根率は六〜八割程度なので、十本挿せば六本以上は育つ見込みです。
- 先端十〜十五センチを切る
- 花芽の付いていない枝を選び、節の下でよく切れる刃で切ります。切り口は斜めにして水を吸う面を広くします。
- 下の葉を取り上の葉を半分に
- 下半分の葉を取り、上に残す葉は三〜四枚にして、それぞれ半分の大きさに切ります。蒸散を減らすためです。
- 一〜二時間水に浸ける
- 切り口を水に浸けて水を吸わせます。発根促進剤があれば、浸けた後に切り口に付けると成功率が上がります。
- 清潔な用土に挿す
- 肥料の入っていない赤玉土小粒か鹿沼土を湿らせ、割り箸で穴を開けてから茎の三分の一を挿します。周りを指で押さえます。
発根までの管理
挿した後は直射日光の当たらない明るい日陰に置き、土を乾かさないように管理します。六月に挿せば二か月ほどで根が出ますが、ジンチョウゲは他の花木より遅めなので、慌てて抜いて確かめないことが大切です。
発根が遅い木なので、一か月で根が出なくても失敗と判断しないでください。葉が緑を保ち、触ってしおれていなければ順調です。葉が黄色くなって落ちたら、そのさし穂は諦めて別のものに集中します。
- 明るい日陰で乾かさない
- 直射の当たらない場所に置き、土の表面が乾く前に水をやります。葉には朝夕に霧吹きをします。
- 腰水は避ける
- 常に水に浸けておくと切り口が腐ります。表面が乾き始めたら水をやる、を繰り返します。
- 新芽が動いたら根の合図
- 二か月ほどして新しい芽が動き出したら根が出ています。軽く引いて抵抗を感じれば確実です。
- 鉢上げは翌春
- 根が出ても年内はそのまま育て、翌年の三月下旬から四月に根を崩さずポットに移します。早く動かすと根が切れます。
さし木が失敗したときの原因
ジンチョウゲのさし木は成功率が六〜八割程度で、いくつか失敗しても普通です。まとめて十本ほど挿し、その中から良い株を残すつもりで取り組んでください。失敗の原因は、腐り、乾き、時期のずれのいずれかです。
| 状態 | 原因 | 次からの直し方 |
|---|---|---|
| 切り口が黒く腐った | 用土の過湿・古い用土 | 新しい清潔な用土を使い、腰水をやめる |
| 葉が落ちてしおれた | 乾燥・直射日光 | 明るい日陰に置き、葉を半分に切って蒸散を減らす |
| 三か月経っても根が出ない | 枝が固すぎた・時期が遅い | 六〜七月に今年の枝で挿し直す |
| 根は出たが冬に枯れた | 早く鉢上げした・寒風 | 翌春まで動かさず、冬は軒下で管理 |
若い株を育てて更新する
鉢上げした若い株は、三〜四年で花が咲き始めます。親株が十年を超えたら、さし木で作った若い株を庭の別の場所で育てておくと、親株が急に枯れても途切れません。若い株の管理は親株と同じですが、根が浅いので夏の水切れに一層注意します。
若い株の花が初めて咲いた年は、香りと花色が親と同じか確かめておきます。同じなら安心して親株の後継にできます。さし木は親と同じ性質を受け継ぐので、違って見えるなら日照や肥料の差です。
- 三号ポットで一年
- 鉢上げした株は三号ポットで一年育てます。半日陰に置き、肥料は緩効性を少量だけ与えます。
- 二年目に五〜六号へ
- 翌春に根鉢を崩さず五〜六号鉢に移します。この年から日向に慣らし、花後の肥料を親株と同じ流れで与えます。
- 三〜四年目で庭か大鉢へ
- 高さ三十センチほどになり、枝先に花芽が見えたら庭植えか八号鉢に移します。植え付けのガイドの手順で場所を決めます。
親株の枝で挿すと、親と同じ花色・香りの株が育ちます。白花や斑入り葉の品種も同じ方法で増やせます。
ジンチョウゲの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
ジンチョウゲの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はジンチョウゲの育て方にまとめています。
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