切る時期は花後の一か月以内
ジンチョウゲは春に花が終わると新しい枝を伸ばし、その枝の先に夏のうちに翌年の花芽を作ります。剪定が遅れて夏以降に切ると花芽ごと落とすことになり、翌年は花が咲きません。花が終わった三月下旬から四月中に済ませるのが原則です。
花芽は七月ごろから枝先で目に見えるほどふくらみます。秋に枝先の丸い芽を確かめて、それが花芽だと分かれば、その先は切らないと判断できます。
花の咲いている枝を切り花として室内に飾るのも、実質的には剪定の一部です。香りを楽しみながら伸びすぎた枝を減らせるので、開花中に飛び出した枝を選んで切ると、花後の作業が減ります。
| 時期 | 剪定 | 理由 |
|---|---|---|
| 3月下旬〜4月 | 適期。伸びすぎた枝と混んだ枝を整える | 新枝が出る前で、花芽への影響がない |
| 5月〜6月 | 枯れ枝を取る程度なら可 | 新枝が伸び始め、切ると枝数が減る |
| 7月〜2月 | 原則切らない | 枝先に翌年の花芽があり、切ると咲かない |
| 開花中 | 切り花として少量なら可 | 花付きの枝を切るのは剪定を兼ねる |
切るのは飛び出した枝と混んだ枝だけ
ジンチョウゲは放っておいても半球形にまとまる性質があり、刈り込みバサミで形を作る木ではありません。全体の輪郭から飛び出した枝、内側に向かって伸びる枝、重なって混み合った枝を、付け根や分かれ目で間引くように切ります。
切る量は全体の一割から二割までにとどめます。深く切り戻すと、太い枝からは新芽が出にくく、その枝がそのまま枯れ込むことがあります。迷ったら切らないほうを選んでください。
- 輪郭から飛び出した枝
- 株全体を少し離れて眺め、丸い輪郭から突き出た枝を見つけます。輪郭の内側の分かれ目まで戻って切ります。
- 内側へ向かう枝
- 株の中心に向かって伸びている枝や、他の枝と交差している枝は、付け根から切って風通しを作ります。
- 枯れ枝と細い弱い枝
- 葉のない枯れ枝、鉛筆より細くて葉がまばらな枝を付け根で取ります。切り口から枯れ込みが入りにくい細い枝から始めると安心です。
- 刈り込みはしない
- 表面を一様に刈ると、葉のない内部だけが残って見た目が悪くなります。一本ずつ間引く剪定に徹します。
樹液に触れると肌がかぶれることがあります。手袋を着け、切り口の樹液が付いた刃は使用後に洗います。
太い枝は切らない
指より太い枝を切ると、切り口が塞がりにくく、そこから枯れ込みが根元まで進むことがあります。どうしても大きくなりすぎたときも、一度に小さくせず、毎年花後に外側の枝を少しずつ短くして三年かけて縮めます。
どうしても太い枝を切る必要があるなら、花後すぐの晴れた日に、切り口を平らに整えて癒合剤を塗ります。その年は肥料を控えめにして、切り口の周りから新芽が出るかを夏まで見て確かめます。
| 枝の太さ | 切ってよいか | 切るなら |
|---|---|---|
| 鉛筆より細い | 問題なく切れる | 分かれ目のすぐ上で |
| 鉛筆〜指の太さ | 必要なときだけ | 切り口に癒合剤を塗る |
| 指より太い | 原則切らない | 三年計画で細い枝から縮める |
剪定後の手入れ
剪定した後は切り口から病気が入らないよう、雨の前は避け、晴れの日に行います。切った直後に薄めの追肥(育ちの途中で足す肥料)を一回与えると、新枝の伸びがそろい、夏の花芽が充実します。
剪定後に新枝が伸び始めたら、水切れに注意します。新枝は葉が柔らかく、五月の乾いた風で先がしおれやすいものです。朝に葉がぴんとしていれば足りていると判断してください。
- 切り口を確かめる
- 切った枝の断面がつぶれていないか確かめます。つぶれていたら、よく切れる刃で切り直します。
- お礼肥を一回
- 花後の剪定と同時に、緩効性肥料をひと握り株元から少し離して置きます。これが一年で最も大事な肥料です。
- 切り枝はまとめて処分
- 切り枝は有毒なので、袋に入れて処分します。堆肥にするのも避け、子どもやペットが触れる場所に置かないようにします。
剪定で失敗したときの立て直し
夏以降に切ってしまって翌春に花が咲かない、強く切りすぎて枝が枯れ込んだといった失敗は、翌年以降に回復させます。慌てて追加で切らないことが第一です。
花が咲かなかった年も、株そのものは弱っていません。剪定の時期を守れば翌々年には元通り咲くので、花後の肥料と夏の暑さ対策をいつも通り続けてください。
| 起きたこと | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 翌春に花が咲かない | 秋以降に枝先を切った | その年は切らずに待つ。翌々年に咲く |
| 切った枝が根元まで枯れた | 太い枝を切った | 枯れた部分を乾いた春に切り、癒合剤を塗る |
| 刈り込んで内部がすかすか | 表面だけ刈った | 二〜三年切らず、新枝が内側から出るのを待つ |
| 株全体が弱った | 一度に切りすぎた | 肥料を控えめにし、水切れを防いで回復を待つ |
ジンチョウゲの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
ジンチョウゲの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はジンチョウゲの育て方にまとめています。
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