種で増やすか根で残すか
オシロイバナは種で簡単に増やせます。一株から数百粒採れ、発芽率も高いので、翌年の株は種だけで十分まかなえます。一方、関東平野部より暖かい地域では地中の根が越冬し、翌年は前年より大きな株になります。根は年々太くなるので、場所を取りたくないなら種で毎年更新します。
気に入った花色を保ちたいときは種採りが向きます。ただし種の色は親と同じにならないことがあるので、確実に同じ株を残したいなら根を越冬させます。
| 目的 | 向く方法 | 手間の目安 |
|---|---|---|
| 翌年も同じ場所で咲かせたい | こぼれ種か根の越冬 | ほぼ手間なし |
| 別の場所に植えたい | 種採りして翌春にまく | 秋の採種と保存 |
| 同じ花色を確実に残したい | 根の越冬か根の分割 | 十一月に株元を覆う |
| 場所を取りたくない | 種で毎年更新し根は掘り上げる | 秋に根を処分 |
種の採り方と保存
花が終わると花の付け根に緑の実ができ、黒く固くなったら完熟です。株を揺らすと落ちるので、下に紙や皿を置いて集めるか、実が黒くなったら指でつまんで採ります。緑のうちに採ると発芽しません。
採った種は数日陰干しして乾かし、紙袋に入れて涼しく乾いた場所で保存します。発芽率は一年目が最も高く、二年目以降は落ちるので、多めに保存して翌年使い切ります。
採る時期を迷ったら、実の色に加えて手触りを確かめます。表面にしわが寄って固く、軽く引くとぽろりと外れるなら完熟です。まだ付け根がしっかり付いているなら、あと数日待ちます。
- 黒く固くなった実を採る
- 指で押しても凹まない黒い実が完熟です。緑や茶色の実は未熟なので残し、数日おきに見て黒くなったものから順に採ります。
- 陰干しして紙袋へ
- 新聞紙に広げて二日から三日乾かし、種類と花色、採った年を書いた紙袋に入れます。ビニール袋は湿気で腐ります。
- 冷暗所で保存
- 台所の戸棚など、温度が上がらず乾いた場所に置きます。冷蔵庫の野菜室でも構いません。
種には毒性があります。食べ物と一緒に保存する場合は、種の袋にはっきり表示し、子どもが開けられない場所に置きます。
根を越冬させる
十一月に霜で地上部が枯れたら、株元から十センチ残して切り、落ち葉や腐葉土を五センチほどかぶせます。関東平野部の露地ならこれで根が越冬し、五月に芽が出ます。寒冷地では根が凍るので、掘り上げて凍らない場所で保存するか、種で更新します。
越冬した根から出る株は種からの株より一か月早く咲き、株も大きくなります。ただし根が太くなりすぎると掘り上げが大変なので、三年ほどで掘り上げて種に切り替えると管理しやすくなります。
- 十一月に地上部を切る
- 霜で葉が傷んだら、株元から十センチ残して切ります。切った茎と葉は種が付いていれば集めてから処分します。
- 株元を覆う
- 落ち葉か腐葉土を五センチほどかぶせ、上から軽く土を乗せて風で飛ばないようにします。三月まで触りません。
- 五月に芽を確かめる
- 覆いを外して芽が出ていれば成功です。出ていなければ根が枯れているので、種をまき直します。
根の掘り上げと分割
寒冷地や鉢植えでは、秋に根を掘り上げて保存します。地上部が枯れた後、根を傷めないよう株元から三十センチほど離して掘り、土を落として風通しのよい日陰で数日乾かします。新聞紙に包んで凍らない場所に置き、四月に植え直します。
太くなった根は、芽の付いた部分を残して分割できます。切り口を乾かしてから植えると、一株から二株から三株に増やせます。ただし切り口から腐りやすいので、慣れないうちは分けずにそのまま植えます。
- 根を傷めずに掘る
- 株元から離れた位置にスコップを入れ、根を折らないように掘り上げます。太い根は三十センチ以上伸びていることがあります。
- 乾かして新聞紙に包む
- 土を落として二日から三日陰干しし、新聞紙に包んで五度以上の場所で保存します。乾燥しすぎるとしぼむので、月に一回確かめます。
芽が出ない、増えすぎたときの原因
種をまいて芽が出ないのは、未熟な種、古い種、地温不足のどれかです。黒く固い種を新しいうちに、地温が二十度を超えてからまけば失敗しません。根が越冬しなかったときは、寒さか過湿で根が腐っています。株元の覆いが薄かった、水はけが悪かった、が主な原因です。
逆に増えすぎるのがこの花の悩みです。こぼれ種と根の両方で増えるので、翌年の場所を限定したいなら、種が黒くなる前に花柄を摘み、秋に根を掘り上げます。それでも数年は芽が出るので、五月に見つけ次第抜きます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 種をまいても芽が出ない | 未熟な種、古い種、低温 | 黒く固い種を五月中旬以降にまく |
| 越冬した根から芽が出ない | 凍結か過湿で根が腐った | 種でまき直し、翌年は覆いを厚く |
| 翌年に芽が大量に出る | こぼれ種 | 本葉二枚で間引き、不要な芽は抜く |
| 前年より株が巨大になった | 根が越冬して太った | 三年目に掘り上げて種に切り替える |
オシロイバナの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
オシロイバナの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はオシロイバナの育て方にまとめています。
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