掘り上げるか植えっぱなしか
フリージアの球根は夏に休眠します。原産地は夏に乾く土地なので、日本の梅雨と高温多湿の夏を土の中で過ごすと腐りやすいです。関東平野部の花壇では、暖地の乾いた場所なら植えっぱなしでも翌年咲くことがありますが、確実なのは掘り上げて乾いた場所で保存する方法です。鉢植えは鉢ごと乾かして雨の当たらない場所に置く方法でも構いません。
| 場面 | 向く方法 | 注意 |
|---|---|---|
| 花壇、水はけがよく雨が当たる | 掘り上げて保存 | 梅雨前に掘る |
| 花壇、軒下で雨が当たらない | 植えっぱなしも可 | 夏は水を一切やらない |
| 鉢植え | 鉢ごと乾かして軒下に | 秋に掘り出して植え直す |
| 暖地の乾いた花壇 | 植えっぱなし | 三年に一度は掘って分ける |
掘り上げの時期と手順
葉が三分の二ほど黄色くなった五月下旬から六月上旬が掘り上げの適期です。梅雨に入って雨が続く前に済ませます。葉が青いうちに掘ると球根が太っておらず、完全に枯れるまで待つと梅雨で腐ることがあるので、黄色くなり始めたころを目安にします。晴れが二〜三日続いた後の土が乾いた日に掘ります。
- 葉が黄色くなったら水を止める
- 葉の三分の二が黄色くなったら水やりを止め、一週間ほど土を乾かしてから掘ります。湿った土で掘ると球根に土が付いて乾きにくいです。
- スコップで周りから掘る
- 株から十センチ離れた位置にスコップを入れ、土ごと持ち上げます。球根は浅い位置にあるので、深く入れる必要はありません。
- 土を落として葉ごと干す
- 土を軽く落とし、葉が付いたまま風通しのよい日陰に広げて一〜二週間干します。直射日光に当てると球根が傷みます。
- 葉が枯れたら外す
- 葉が完全に枯れたら手でねじって外し、古い親球と新しい子球を分けます。皮は残したままにします。
新しい球根と古い球根の見分け
掘り上げると、去年植えた親球の上に新しい球根ができ、その周りに小さな子球が付いています。親球は養分を使い切ってしぼんでいるので捨てます。新しい球根のうち直径二センチ以上のものが来年の花用、一センチ台の子球は花が咲きにくいので別に植えて一〜二年かけて育てます。
| 球根の姿 | 判断 | 扱い |
|---|---|---|
| 上にある大きくて固い球 | 今年できた新球 | 来年の花用に保存 |
| 下にある平たくしぼんだ球 | 使い切った親球 | 捨てる |
| 周りに付いた小さな球 | 子球 | 別に植えて一〜二年育てる |
| 柔らかく黒ずんだ球 | 腐っている | 他にうつる前に捨てる |
夏の保存
乾かした球根はネットや紙袋に入れ、風通しのよい日陰に吊るして十月まで保存します。物置や北側の軒下など、雨が当たらず気温の上がりすぎない場所が向きます。密閉容器やビニール袋はカビるので使いません。フリージアの球根は保存中に高温に当てることで花芽ができるので、冷蔵庫には入れません。
- ネットに入れて吊るす
- みかんのネットや洗濯ネットに入れ、風の通る日陰に吊るします。床に置くと湿気を吸います。
- 月に一度確かめる
- カビたり柔らかくなったりした球根がないか月に一度見て、あれば取り除きます。一つ腐ると周りにうつります。
- 殺虫剤の粉をまぶす
- 保存中にダニや虫が付くことがあります。気になるなら球根用の殺虫殺菌剤を軽くまぶしておきます。
球根に品種名を書いた札を一緒に入れておきます。乾いた球根はどの色も同じ見た目で、秋に区別できなくなります。
植えっぱなしにする場合の管理
掘り上げないなら、六月に葉が枯れた後は一切水をやらず、鉢は雨の当たらない軒下に横倒しにして乾かします。花壇の場合は上に一年草を植えて水をやると球根が腐るので、その場所には何も植えず、梅雨の間はビニールで雨よけをします。九月下旬に鉢を起こして新しい土に植え替えるか、花壇なら軽く掘って分けて植え直します。
- 鉢を横倒しにする
- 六月に鉢を軒下に移し、横倒しにして雨が入らないようにします。秋まで水はやりません。
- 花壇は雨よけ
- 掘らない花壇は梅雨の間だけビニールや板で雨をよけます。難しければ掘り上げる方が確実です。
- 秋に植え直す
- 九月下旬から十月に鉢から出し、新しい土で植え直します。三年に一度は分けて間隔を空けます。
保存に失敗したときの見分けと戻し方
秋に取り出した球根がしなびていたり、カビが付いていたり、逆に芽が伸びていたりすることがあります。軽いカビは布で拭けば使えますし、少し芽が出た程度なら植えれば育ちます。柔らかく黒ずんだもの、押すと汁が出るものは使えません。半分以上だめになった年は、原因を考えて翌年の保存場所を変えます。
| 状態 | 原因 | 扱い |
|---|---|---|
| 表面に白いカビ | 湿気の多い場所で保存 | 布で拭き、殺菌剤をまぶして植える |
| しなびて軽い | 乾きすぎか直射に当てた | 小さくても固ければ植える。花は期待しない |
| 柔らかく黒ずむ | 掘るのが遅れて腐った | 捨てる。翌年は葉が黄色くなったらすぐ掘る |
| 秋前に芽が伸びている | 保存場所が涼しすぎた | そのまま植える。芽を折らないように |
フリージアの冬越しに使うもの
寒さそのものより、凍って溶けるのを繰り返すことで傷みます。土を凍らせないことが目的です。
- バーク堆肥・腐葉土(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に 3〜5cm の厚さで敷きます。
- 数量の目安
- 株元の直径 40cm 分で 5L 前後。
土に布団をかけるのと同じです。春には鋤き込めば土壌改良材にもなり、片付けが要りません。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。厚いほど保温しますが、光も遮ります。
かけたまま水をやれて、日中の光も通します。ビニールと違い、内側が蒸れません。
- 鉢用の断熱材探す言葉「発泡スチロール 鉢 保温」
- 規格の目安
- 発泡スチロールの箱か、鉢を包むプチプチ。
鉢は地面より先に凍ります。地面に直に置くか、鉢ごと包むかで越冬できるかが変わります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。
寒さに弱い球根は掘り上げて越冬させます。風の通るところに吊るし、密閉しません。
- 耐寒性のある宿根草は、地上部が枯れても根は生きています。掘り上げずに株元を覆うだけで足ります。
- ビニールで覆いっぱなしにすると、晴れた日に蒸れます。不織布のほうが失敗しません。
フリージアの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフリージアの育て方にまとめています。
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