季節ごとの置き場所
フウランは本州から九州の暖かい地方で、樹木の枝や幹に根を張って暮らしている着生ランです。日本の気候に合っているので、屋外で一年を通して育てられます。ただし葉が厚く日焼けしやすいので、真夏の直射日光と真冬の霜だけは避けます。基本は木もれ日のような明るい日陰で、風がよく通る場所です。
フウランは江戸時代から「富貴蘭」の名で栽培され、葉の斑や姿を楽しむ古典園芸植物としても親しまれてきました。当時から縁側の軒下で育てられていたことからも分かるように、日本の家の軒下はフウランにとってほぼ理想の環境です。難しい設備は要りません。
| 時期 | 置き場所 | 目安 |
|---|---|---|
| 3〜5月 | 午前中だけ日が当たる屋外 | 遮光なしか三割の遮光 |
| 6〜9月 | 五割ほど遮光した風の通る場所 | 葉を触って熱ければ日が強すぎる |
| 10〜11月 | 午前中の日が当たる屋外 | 霜が降りる前に取り込みの準備 |
| 12〜2月 | 凍らない軒下か明るい室内 | 最低気温が三度を下回ったら取り込む |
葉が黄色っぽく赤みを帯びるのは日が強すぎる合図、濃い緑で細長く伸びるのは足りない合図です。
風通しが一番の条件
木の上で暮らす植物なので、根の周りの空気が動いていることを何より好みます。締め切った室内や、壁際で風の当たらない棚では、水苔が乾かずに根が傷みます。屋外なら軒下の風の通る位置に吊るすか、棚の上段に置きます。室内で育てるときは、小さな扇風機で弱い風を回すだけでも状態が大きく変わります。
棚に置く場合は、鉢と鉢の間を握りこぶし一つ以上空けます。葉が触れ合うほど詰めると、その部分に湿気がこもって病気が出ます。梅雨時は特に、雨の当たらない位置で風だけが通る場所を探します。
- 吊るすと風が通る
- 鉢を針金で吊るすと底からも空気が入り、水苔の乾きが早まります。地面や棚に直置きするより根の状態が安定します。
- 葉が揺れる程度の風
- 強風は葉を傷めますが、そよ風で葉先がわずかに揺れる程度は理想です。台風のときだけ風の当たらない場所に移します。
- 室内なら窓を開ける
- 冬に室内へ取り込んだときも、晴れて暖かい日中は窓を開けて空気を入れ替えます。締め切った部屋では葉にカビが出ます。
日の強さの調節
フウランは同じランのコチョウランより日を好みますが、真夏の直射は数時間で葉を焼きます。焼けた葉は白く抜けて元に戻りません。遮光ネットを使うか、落葉樹の下に置いて自然な木もれ日を利用します。春と秋は日を十分に当てた方が株が締まり、翌年の花付きもよくなります。
日の強さは季節で大きく変わります。四月の日差しなら直射でも問題ないことが多いですが、五月中旬を過ぎると急に強くなり、同じ場所でも葉が焼け始めます。ゴールデンウィークを過ぎたら遮光を始めるのが関東平野部の目安です。
- 夏は遮光率五割
- 五割前後の遮光ネットを鉢の上に張ります。ネットは鉢から三十センチ以上離して張ると、熱がこもりません。
- 落葉樹の下を利用
- 庭木の下に吊るせば、夏は葉が日をさえぎり、冬は葉が落ちて日が当たります。フウランの自然の暮らしに近い環境です。
- 葉の色で判断
- 葉が黄ばんできたら日が強すぎるので一段暗い場所へ、葉が伸びて色が濃くなりすぎたら明るい場所へ動かします。
冬の取り込みと室内の場所
関東平野部では霜の降りる十二月に軒下か室内に取り込みます。フウランは短時間なら零度近くまで耐えますが、水苔が凍ると根が傷みます。室内では暖房の風が直接当たらない、明るい窓辺に置きます。暖かい部屋に置くと休眠せずに冬も伸び続け、株が弱って翌年の花が付きにくくなるので、五度から十度の涼しい場所が向いています。
| 場面 | 向く場所 | 注意 |
|---|---|---|
| 霜が降りるが雪は少ない | 南向きの軒下 | 北風の当たらない壁際に吊るす |
| 最低気温がマイナス三度以下 | 暖房のない室内の窓辺 | 夜は窓から離して冷気を避ける |
| マンションで軒がない | 玄関や廊下の明るい場所 | 月に一〜二回は日に当てる |
置き場所が原因の不調と直し方
フウランの不調は病気よりも置き場所の失敗から起きることがほとんどです。葉の色と根の状態を見れば、日が強すぎたのか、風が足りないのか、寒さに当たったのかが分かります。まず葉の色を確かめ、次に鉢を持ち上げて水苔の湿り具合と根の色を見ます。
| 症状 | 考えられる原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 葉が白く抜けて枯れた | 真夏の直射で日焼け | 遮光を強め、焼けた葉は残して自然に落ちるのを待つ |
| 葉が細長く伸び根が出ない | 日が足りない | 午前中の日が当たる場所へ少しずつ移す |
| 根の先が黒く水苔が臭う | 風がなく過湿 | 吊るして風を通し、水を控える |
| 葉が水っぽく透けてしおれる | 凍害 | 傷んだ葉を取り、暖かい場所で回復を待つ |
| 葉の付け根に黒い斑点 | 室内の蒸れでカビ | 換気し、斑点の葉は付け根から取る |
一度に大きく環境を変えると株がついていけません。日の強さは一週間ごとに一段ずつ変えていきます。
フウランの置き場所を整えるのに使うもの
置き場所は、動かせるようにしておくのがいちばんです。季節で日の当たり方が変わります。
- 遮光ネット探す言葉「遮光ネット 50% 園芸」
- 規格の目安
- 遮光率 50% 前後。強すぎると花が咲かなくなります。
真夏の直射は葉を焼きます。ただし遮光率 70% を超えると、今度は日照不足になります。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台」
- 規格の目安
- 耐荷重を鉢の重さ(土 + 水)で見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと季節に合わせられません。台に載せると鉢底の通気も良くなります。
- フラワースタンド探す言葉「フラワースタンド 屋外」
- 規格の目安
- 屋外なら金属製か樹脂製。段になっているものは日当たりを稼げます。
地面に直に置くと、鉢底から虫が入り、風も通りません。高さを付けるだけで環境が変わります。
- 簡易温室は、寒さに弱い植物を持っていないなら要りません。
- 遮光ネットの代わりに、夏の間だけ半日陰へ動かせば済むことが多いです。
フウランの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はフウランの育て方にまとめています。
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