苗は節の詰まり方と茎の硬さで選ぶ
ゼラニウムは南アフリカ生まれの乾燥に強い植物で、日本の梅雨と夏の高温多湿が最大の壁です。苗の段階で徒長(日照不足で茎が細く間延びすること)した株は根も弱く、梅雨に腐りやすいので、まず株の姿を見て選びます。
花が満開の苗より、つぼみが上がりかけている苗のほうが植え付け後の立ち上がりが早く、長く咲きます。葉の裏や茎の付け根に灰色のカビや黒ずみがないかも確かめてください。
| 見た目 | 判断 | 理由 |
|---|---|---|
| 節の間が短く茎が太い | よい苗 | 日を十分に浴びて育ち、根も充実している |
| 茎が細く葉と葉の間が長い | 避ける | 徒長株で倒れやすく、梅雨に蒸れて腐りやすい |
| 下葉が黄色く縁が赤い | 様子を見る | 低温か肥料切れ。植え付け後に回復することが多い |
| 茎の付け根が黒く柔らかい | 避ける | 茎腐れの初期で、他の株にも広がる |
春の店頭では早くから咲かせた促成苗が並びます。花を一度切って植えると、株が根づくことに力を回せます。
植え付けの適期は春と秋の二回
植え付けは霜の心配がなくなった四月中旬から六月上旬、または暑さが引いた九月中旬から十月中旬です。梅雨入り直前や真夏に植えると根が動かないまま蒸れて傷むので避けます。
生育に向く温度は十五度から二十五度で、三十度を超えると生育が止まり花も休みます。逆に五度を下回ると葉が赤く色づき、零度で凍害を受けます。この温度の幅を頭に入れておくと、置き場所の判断がしやすくなります。
| 地域 | 春の植え付け | 秋の植え付け |
|---|---|---|
| 暖地 | 4月上旬〜5月下旬 | 9月下旬〜11月上旬 |
| 中間地 | 4月中旬〜6月上旬 | 9月中旬〜10月中旬 |
| 寒冷地 | 5月中旬〜6月中旬 | 8月下旬〜9月中旬 |
土は水はけを最優先にする
市販の草花用培養土だけでは保水力が高すぎ、梅雨に根が呼吸できなくなります。培養土七に対して軽石の小粒かパーライトを三ほど混ぜ、指で握っても固まらない土に仕上げます。
地植えにする場合は、雨の後に水たまりができない場所を選び、腐葉土と軽石を混ぜて土を十センチほど盛り上げた高植えにします。酸性土を嫌うので、植え付けの二週間前に苦土石灰を一握り混ぜておくと安心です。
- 鉢は五号か六号から
- 苗より一回り大きい鉢に植えます。大きすぎる鉢は土が乾くまで時間がかかり、根が腐る原因になります。素焼き鉢は乾きが早く相性がよい器です。
- 鉢底石を厚めに
- 鉢の高さの五分の一ほど鉢底石を入れ、水の抜け道を作ります。底穴が一つしかない鉢は、穴を鉢底ネットで覆いつつ石を多めに入れます。
- 元肥は控えめに
- 元肥(植え付け時に土へ混ぜる肥料)は緩効性の粒状肥料を規定量の半分にとどめます。肥料が多いと葉ばかり茂り、蒸れやすい株になります。
浅めに植えて株元に風を通す
根鉢は崩さず、土の表面が苗の土の表面と同じ高さになるよう植えます。深植えにすると茎の付け根に土が触れ、そこから腐りが入ります。植え付け後の水やりは鉢底から流れ出るまで一度だけ与え、その後は土が乾くまで待ちます。
- 根鉢は軽くほぐす程度
- 根が回りきってポットの形のまま固まっているときだけ、底の部分を指で軽くほぐします。それ以外は触らず、根を傷めないことを優先します。
- 株間は二十五センチ以上
- 地植えやプランターで複数株を植えるときは、二十五センチから三十センチ空けます。葉が重なると株元が蒸れ、梅雨に一気に傷みます。
- 植えたら一週間は半日陰
- 根が動くまでの一週間ほどは直射日光を避けた明るい場所に置き、葉がしおれなくなったら日なたへ移します。
植え付け直後に肥料の液肥を与えないでください。根が傷んでいる状態で肥料が触れると、回復が遅れます。
置き場所は日なたと雨よけの両立
花をよく咲かせるには一日に五時間以上の直射日光が必要です。ただし雨に当たり続けると花が茶色く腐り、葉に灰色のカビが広がります。軒下やベランダの手すり際のように、日は当たるが雨が直接かからない場所が最も向いています。
真夏は午後の西日を避け、午前中だけ日が当たる場所へ動かします。鉢を動かせない場合は、遮光ネットで三割ほど光を弱めると葉焼けと生育停止を防げます。
| 場面 | 置き場所 | 目安 |
|---|---|---|
| 春と秋 | 終日日が当たる軒下 | つぼみが次々に上がる |
| 梅雨 | 雨の当たらない明るい場所 | 葉が乾いた状態を保てる |
| 真夏 | 午前だけ日が当たる場所 | 葉焼けが出ず葉色が保てる |
| 冬 | 霜の当たらない南向きの窓辺 | 夜間五度を下回らない |
植え付け後にうまく育たないときの見分け方
植え付けから二週間たっても新しい葉が出ないときは、根が動いていません。原因は土の過湿か低温、深植えのどれかがほとんどで、株の姿と土の状態から切り分けます。
| 症状 | 考えられる原因 | 手当て |
|---|---|---|
| 下葉が黄色くなり落ちる | 水のやりすぎで根が傷んだ | 土が乾くまで水を止め、風通しのよい場所へ |
| 葉が赤く色づく | 低温か日照不足 | 暖かく日の当たる場所へ移す |
| 茎の根元が黒く倒れる | 深植えか過湿の茎腐れ | 健全な茎を切って挿し芽で更新する |
| しおれて水をやっても戻らない | 根腐れが進んでいる | 鉢から抜いて黒い根を落とし、乾いた土に植え直す |
しおれているのに土が湿っているときは、水を足さないでください。根が水を吸えない状態で、さらに湿らせると腐りが進みます。
ゼラニウムの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
ゼラニウムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はゼラニウムの育て方にまとめています。
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