一年の流れをつかむ
ゼラニウムの一年は、春と秋の二つの生育期と、梅雨・真夏・冬の三つの休止期に分かれます。生育期にすることは肥料と花がら摘みと切り戻し、休止期にすることは水を控えて環境を整えることです。この切り替えを月ごとに把握しておけば、迷わず手を動かせます。
関東平野部の露地を前提にした表です。寒冷地は春の作業を三週間ほど遅らせ、暖地は冬も屋外で越せることが多いので、霜よけの必要性で調整してください。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1月 | 霜よけ、水を控える | 土が乾いて数日たってから少量 |
| 2月 | 霜よけ、室内の株は日に当てる | 葉の赤みは低温のしるし |
| 3月 | 植え替え、切り戻しの準備 | 最低気温が五度を超えたら屋外へ |
| 4月 | 植え付け、切り戻し、摘心、追肥開始 | 新芽が動き出したら |
| 5月 | 追肥、花がら摘み、挿し芽 | 花房が次々に上がる |
| 6月 | 軒下へ移動、枝の間引き、肥料を減らす | 梅雨入り前に風通しを確保 |
| 7月 | 水を控える、遮光、肥料停止 | 三十度を超えたら花は休む |
| 8月 | 西日よけ、朝の水やりのみ | 葉焼けが出たら場所を替える |
| 9月 | 切り戻し、追肥再開、挿し芽 | 最高気温が三十度を下回ったら |
| 10月 | 追肥、花がら摘み、植え付け | 秋の花の最盛期 |
| 11月 | 肥料停止、取り込みの準備 | 最低気温が十度を切ったら準備 |
| 12月 | 霜よけ、室内取り込み | 初霜の前に軒下か室内へ |
三月から五月、立ち上がりと最初の花
冬を越した株は三月に新芽が動きます。最低気温が五度を超えたら屋外の日なたへ出し、四月に入ったら古い枝を半分に切り戻して新しい枝を出させます。同時に一回り大きい鉢へ植え替えると、春の花が大きく咲きます。
五月は最初の花の最盛期です。花がら摘みと追肥(育ちの途中で足す肥料)を続け、摘心(茎の先を摘んで枝分かれさせること)で増やした枝の先に次々と花房を上げさせます。
- 三月に屋外へ慣らす
- 室内で越冬した株は、まず日中だけ屋外に出し、一週間かけて夜も外に置けるようにします。急に出すと葉が焼けます。
- 四月に切り戻しと植え替え
- 枝を半分の高さで切り、根鉢の古い土を三分の一落として新しい土で植え替えます。切り戻しと植え替えは同時にしてかまいません。
- 五月は十日に一回の液肥
- つぼみが見えたら規定の倍に薄めた花用液肥を十日に一回。花がらは房の七割が終わったら付け根から外します。
六月から八月、梅雨と真夏をしのぐ
六月は梅雨入り前に混んだ枝を間引き、鉢を軒下へ移します。肥料は月に一回に減らし、梅雨のさなかは止めます。七月と八月は生育が止まるので、朝一回の水やりと西日よけだけで十分です。花が止まっても枯れたわけではないので、手を加えすぎないことが大切です。
- 梅雨入り前に風の道を作る
- 内側に向いた枝と株元の葉を外し、鉢と鉢の間隔を広げます。雨の当たらない場所に移し、受け皿は外します。
- 真夏は朝だけ水をやる
- 朝の涼しい時間に土の乾きを確かめてから与えます。夕方に葉がしおれていれば追加しますが、日中の水やりは根を煮るので避けます。
- 葉焼けが出たら場所を替える
- 葉の一部が白く抜けたら葉焼けです。午後の直射を避ける場所へ移すか、遮光ネットで三割ほど光を弱めます。
梅雨に灰色のカビが出た花や葉は、見つけしだい取り除いて捨てます。株に残すと周りへ広がります。
九月から十一月、秋の花と冬支度
最高気温が三十度を切ったら秋の生育期です。九月に夏に伸びた枝を切り戻し、追肥を再開すると十月に秋の花が咲きます。九月は挿し芽の適期でもあり、冬越しに備えた予備株を作るのに向いています。
十一月に最低気温が十度を切り始めたら肥料を止め、霜が降りる前に軒下か室内へ移す準備をします。葉の縁が赤らんできたら、株が寒さを感じている目安なので取り込みを急ぎます。
- 九月に切り戻して追肥再開
- 夏に間延びした枝を葉を残して三分の一ほど切り、薄い液肥を十日に一回再開します。三週間ほどでつぼみが上がります。
- 九月に挿し芽で予備株
- 切った枝の先端を八センチほどに整え、下葉を落として半日乾かしてから清潔な土に挿します。二週間から三週間で根が出ます。
- 十一月に肥料を止める
- 気温が下がって生育が止まるころに肥料を止め、水やりの間隔も一週間ほどに広げていきます。
十二月から二月、霜から守る
ゼラニウムは零度で凍害を受け、氷点下三度以下では枯れます。関東平野部でも霜の降りる場所では越冬できないので、初霜の前に軒下の日なたか室内の窓辺へ移します。冬の水やりは土が乾いてから数日待ち、暖かい日の午前中に少量だけ与えます。
| 地域 | 冬の置き場所 | 目安 |
|---|---|---|
| 暖地 | 軒下の日なたで屋外越冬 | 霜の当たらない場所なら葉を残せる |
| 中間地 | 軒下の日なたか室内の窓辺 | 夜間に五度を切る日は室内へ |
| 寒冷地 | 室内の日の当たる窓辺 | 十月中に取り込む |
室内でも夜の窓辺は冷え込みます。夜だけ窓から離すか、段ボールで囲うと安心です。
季節ごとの失敗と戻し方
季節の切り替えで多いのは、梅雨に水をやりすぎて腐らせる、真夏に肥料を与えて根を傷める、冬に霜に当てて枯らすの三つです。どれも気づいた時点で環境を戻せば、健全な部分から再生します。
| 時期 | よくある失敗 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 梅雨 | 株元が黒く腐った | 健全な枝を切って挿し芽で更新 |
| 真夏 | 肥料を与えて葉が枯れた | 肥料を止め、水で土を洗い流す |
| 秋 | 切り戻しが遅れ花が来ない | 十月中旬までなら軽く切って追肥 |
| 冬 | 霜で葉が黒くなった | 凍った部分を切り、室内で春まで待つ |
ゼラニウムの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
ゼラニウムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はゼラニウムの育て方にまとめています。
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