挿し芽の適期は春と秋
ゼラニウムは挿し芽で簡単に増やせます。適期は気温が十五度から二十五度で安定する四月から六月上旬と、九月中旬から十月です。梅雨と真夏は切り口から腐り、冬は根が出るまでに時間がかかりすぎます。
秋の挿し芽は、親株が冬に枯れたときの保険になります。春の挿し芽は古株の更新に向き、その年の秋には花が見られます。どちらも最高気温が三十度を下回り、最低気温が十五度を上回る日が続くころを目安に始めます。
| 時期 | 向き不向き | 根が出るまで |
|---|---|---|
| 4月〜6月上旬 | 最適。秋に開花する | 二週間から三週間 |
| 6月中旬〜8月 | 不向き。切り口が腐る | ― |
| 9月中旬〜10月 | 最適。冬越しの予備株に | 二週間から三週間 |
| 11月〜3月 | 室内の暖かい窓辺なら可 | 一か月以上 |
穂木は若くて硬すぎない枝を選ぶ
挿し穂は、その年に伸びた枝の先端で、指で曲げるとしなるが折れない程度の硬さのものを選びます。柔らかすぎる新芽は腐りやすく、木のように硬い古枝は根が出ません。花やつぼみが付いている枝は、花を切り落としてから使います。
- 長さは八センチから十センチ
- 枝の先端から節を三つほど含む長さで切ります。よく切れるハサミで、節のすぐ下を切ると根が出やすくなります。
- 下の葉を落とす
- 土に埋まる部分の葉を取り、上に二枚から三枚だけ残します。大きな葉は半分に切って水分の蒸発を減らします。
- 花とつぼみは取る
- 花が付いたままだと養分が花に回り、根が出にくくなります。つぼみも含めてすべて取り除きます。
切り口を乾かしてから挿す
ゼラニウムの挿し芽で最も大切なのは、切り口を半日から一日、日陰で乾かすことです。茎に水分を多く含むため、切ってすぐ湿った土に挿すと切り口から腐ります。乾かして切り口に薄い膜ができてから挿すと、腐らずに根が出ます。
挿し芽用の土は清潔な新しいものを使います。赤玉土の小粒か市販の挿し芽用土で、肥料の入っていないものを選んでください。使い回しの土は菌が残っていることがあり、切り口を腐らせる原因になります。
- 日陰で半日置く
- 切り穂を新聞紙の上に並べ、風の通る日陰に半日から一日置きます。切り口が白っぽく乾いていたら準備完了です。
- 湿らせた土に二節分挿す
- 土をあらかじめ湿らせ、割り箸で穴を開けてから挿します。節を一つか二つ土に埋め、株元を軽く押さえて固定します。穂を軽く触って動かなければ固定できています。
- 水は控えめに
- 挿した直後に一度だけ水を与え、その後は土の表面が乾いたら少量ずつ。常に湿らせると腐ります。
- 明るい日陰で管理
- 直射日光の当たらない明るい場所に置きます。二週間ほどして軽く引いて抵抗があれば根が出ています。
水挿しでも根は出ますが、水の根は土に移すと弱りやすい性質があります。土に直接挿すほうが結果は安定します。
根が出た後の鉢上げと育て方
挿してから三週間ほどで新しい葉が動き出したら、根が出ています。新芽が二枚から三枚開いたころに三号鉢へ鉢上げし、通常の水はけのよい土で育てます。鉢上げ後は一週間ほど半日陰に置き、その後日なたへ移して薄い液肥を始めます。
- 根を崩さずに移す
- 挿し芽の土ごと取り出し、根を触らずに新しい鉢へ移します。根が短いうちは乾燥に弱いので、鉢上げ後すぐに水を与えます。
- 十センチで摘心
- 苗が十センチほどに育ったら先端を摘心(茎の先を摘んで枝分かれさせること)します。枝数が増えるほど花房が多くなります。
- 一か月後に五号鉢へ
- 三号鉢の底から根が見えたら五号鉢へ移します。根詰まりのまま置くと生育が止まります。
種から育てる場合
種からも育てられますが、市販の種は一代交配品種が多く、親と同じ花を挿し芽で増やすのとは目的が違います。種まきは二月から三月に室内で行い、発芽温度は二十度前後です。発芽まで一週間から二週間かかり、開花まで四か月から五か月かかります。
| 目的 | 向いている方法 | 開花まで |
|---|---|---|
| 同じ花を増やす | 挿し芽 | 春挿しなら同年秋 |
| 多くの苗を安く作る | 種まき | 四か月から五か月 |
| 古株を若返らせる | 挿し芽 | 切り戻しと同時に |
挿し芽がうまくいかないときの原因
挿し芽の失敗は、切り口の腐りと乾燥しすぎのどちらかです。挿し穂の状態を見れば原因が分かるので、次に挿すときの直し方が決まります。
| 状態 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 株元が黒く腐った | 切り口を乾かさなかった、土が湿りすぎ | 半日乾かしてから挿し、水を控える |
| 葉がしおれて枯れた | 直射日光か乾燥 | 明るい日陰に置き、葉を半分に切る |
| 一か月たっても根が出ない | 気温が低い、枝が古い | 二十度前後の場所で若い枝を使う |
| 根は出たが葉が黄色い | 肥料切れ | 鉢上げ後に薄い液肥を始める |
挿し芽は一度に数本挿しておくと、一本失敗しても予備が残ります。三本挿して一本残れば十分です。
ゼラニウムの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
ゼラニウムの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はゼラニウムの育て方にまとめています。
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