植え替えの時期とサイン
植え替えは根を切る作業なので、切った後に根を出せる時期にしか行えない。最低気温が15℃を超えて新芽が動く頃が適期で、寒い時期に行うと切った根から傷んで戻らない。
頻度は二年に一度が目安だが、鉢の大きさと生育の勢いで変わる。下のサインが二つ以上そろったら、適期を待って植え替える。一つだけなら急がなくてよい。
| 株の状態 | 何が起きているか | 対応 |
|---|---|---|
| 鉢底穴から根が出る | 根が鉢を回りきった | 一回り大きい鉢へ替える |
| 水がすぐ流れ落ちる | 土が減って根の塊だけ | 根を崩して新しい土を入れる |
| 水やり後すぐ乾く | 根詰まりで土が少ない | 適期を待って植え替える |
| 新芽が小さく数が減る | 根が働けていない | 根を三分の一切って更新する |
サインがそろっても、真夏や冬なら待つ。応急なら水やりの間隔を詰めて凌ぎ、春に植え替えるほうが失敗が少ない。
根の切り方で次の二年が決まる
鉢を大きくしたいのか、同じ鉢で維持したいのかで切る量が変わる。維持したい場合は、根を減らさないと新しい土の入る隙間ができず、翌年また根詰まりする。
切る量の上限は全体の三分の一とする。それ以上切るなら、同じ割合だけ葉も減らして、吸える水と蒸散する水を釣り合わせておかないと残った根まで消耗する。
- 鉢から抜いて土を落とす
- 側面と底の古い土を三分の一ほど落とす。固まった根鉢は割りばしで軽くほぐすと、太い根と細い根の区別がつく。
- 底の巻いた根を切る
- 鉢底で渦を巻いた根は残しても働かない。清潔なはさみで切り落とし、外側へ伸びられる断面を作る。
- 太い根は残す
- 幹から出る太い根は株を支え養分を蓄えるので残す。切るのは細く絡んだ根と、黒く傷んだ根に限る。
- 切った後の水やり
- 植えた直後にたっぷり与え、その後は明るい日陰で二週間、乾いてから与える。この間は肥料を与えない。
切り口から白い樹液が出る。手袋をして作業し、付いたら乾く前に洗う。作業台には新聞紙を敷いておくと後始末が楽になる。
用土と鉢を選ぶ
ガジュマルは水はけを最優先にする。保水性の高い用土は根腐れの原因になるので、観葉植物用の土に軽石や鹿沼土を混ぜて水はけを上げるのが基本になる。
- 配合の目安
- 観葉植物用の培養土に、小粒の軽石か鹿沼土を2割から3割混ぜる。水を注いで数秒で抜ければ十分な水はけがある。
- 鉢の大きさ
- 根鉢より一回り、直径で3センチほど大きい鉢にする。二回り以上大きくすると土が乾かず根腐れする。
- 鉢の素材で選び分ける
- 水をやりすぎる自覚があるなら素焼き鉢、乾かしすぎるなら樹脂鉢。素材を変えるだけで失敗の傾向を打ち消せる。
- 鉢底の作り
- 底穴に鉢底網、その上に軽石を一層。用土が抜け落ちるのを防ぎつつ、底に水が溜まる層を作らないようにする。
根上がり仕立ての作り方
市販の株で幹の下がタコの足のようになっているのは、植え替えのたびに根を少しずつ地上へ出して作った姿である。一度に持ち上げると根が乾いて枯れるので、年に1センチから2センチずつ進める。
露出した根は太くなり、やがて幹と見分けがつかなくなる。数年かかる作業なので、毎年の植え替えの中に組み込むのが現実的である。
- 深植えから始める
- 若い株は一度深く植え、根をまっすぐ長く伸ばす。ここで根が短いと、持ち上げても見せる部分ができない。
- 毎年少しずつ上げる
- 植え替えのたびに1センチから2センチ浅く植え直す。露出させた根は最初やわらかいが、一年で表面が硬くなる。
- 根の向きを整える
- 植えるときに太い根を放射状に広げて置く。この段階の配置がそのまま数年後の姿になるので、時間をかけて決める。
- 露出後の乾燥対策
- 地上に出た根は乾きやすい。根の周りに水苔を巻いて一年ほど保護し、太くなってから外すと失敗が減る。
根上がりの株は土の量が少なく乾きが速い。同じ鉢でも普通に植えた株より水やりの間隔が短くなるので、乾き方を測り直す。
気根を伸ばすか切るか
枝や幹から下へ垂れる細い根が気根で、湿度が高いほどよく出る。地面に届いて太れば支柱状の幹になり、これがガジュマルらしい姿を作る。
一方で室内では乾いて途中で止まり、見た目が乱れることも多い。伸ばすなら湿度を用意し、その気がないなら早めに切る。どちらでも株の健康には影響しない。
- 伸ばしたいとき
- 湿度を高く保つ。透明な袋やケースで株を覆う、水苔を気根の先に巻くなどして、土に届くまで乾かさない。
- 土に届いたら
- そのまま埋めて根付かせる。太りはじめると自立して、数年後には幹の一部のように見える。
- 切るとき
- 根元からはさみで切る。切っても株は弱らないが、切り口から樹液が出るので手袋をする。切るなら細いうちに。
気根が急に増えたときは、根詰まりや過湿で土中の根が働けていないことがある。株元の土の状態も一度確かめる。
挿し木と取り木で増やす
剪定で切った枝をそのまま挿し木にできる。発根しやすく、初めてでも成功率は高い。ただし親株と同じ太い幹にはならず、細い幹の株になる点は理解しておく。
取り木は、枝を付けたまま発根させてから切り離す方法で、挿し木より確実に、しかも太い枝から株を作れる。間延びした株の上部を仕立て直す手段としても使える。
時間は挿し木より長く、発根まで一か月から二か月かかる。生育期の前半に始めないと、切り離す前に寒くなって発根が止まり、翌春まで持ち越しになる。
- 時期と枝を選ぶ
- 5月から7月。その年に伸びた、太さが鉛筆ほどで硬すぎない枝を10センチから15センチに切る。
- 樹液を洗って水揚げ
- 切り口の白い樹液を水で洗い、水に一時間ほど浸ける。樹液が固まると水を吸えず、そのまま乾いて失敗する。
- 葉を減らして挿す
- 下半分の葉を落とし、上の葉も大きければ半分に切る。赤玉土など肥料の入らない用土に、深さの三分の一まで挿す。
- 発根までの管理
- 明るい日陰で土を乾かさない。一か月ほどで発根し、新芽が動いたら通常の用土へ移す。それまで動かさない。
- 皮をむく
- 発根させたい位置で、幹を一周するように幅1センチほど樹皮をむく。木部が見えるまで削らないと、上から皮が再生して発根しない。
- 水苔を巻く
- 湿らせた水苔で削った部分を包み、透明なフィルムで巻いて上下を留める。透明にするのは発根を外から確認するため。
- 乾かさない
- 水苔が乾くと発根が止まる。透明フィルム越しに白くなっていれば大丈夫で、茶色く縮んでいたら注射器などで水を足す。
- 切り離す
- 水苔の中に白い根が回ったら、その下で切り離して鉢に植える。切り離した直後は明るい日陰に二週間置いて落ち着かせる。
取り木で切り離した後の親株も、そこから芽を吹く。上を取ったぶん低くなるので、背が伸びすぎた株の仕立て直しを兼ねられる。
植え替え後に元気がないときの原因
植え替えの後に葉が落ちるのはよくあることだが、落ち続けるなら原因がある。切った根の量、置き場所、水やりの三つを順に確かめれば、たいていはどれかに行き当たる。
- 二週間は動かさない
- 植え替え直後の株は根を作り直している。置き場所を変えず肥料も与えず、明るい日陰でそのまま置いておく。
- 水は乾いてから
- 根を切った株は吸う力が落ちている。土の表面ではなく鉢の重さで乾きを測り、軽くなってから与えるとよい。
- やり直すかを決める
- 一か月たっても芽が動かず、抜いて根が黒く崩れるなら植え直す。白い根が出ていればそのまま待つほうがよい。
| 症状 | 疑う原因 | この後の手当て |
|---|---|---|
| 数日で葉が一斉に落ちる | 根を切りすぎた | 葉も同じ割合で減らし日陰で待つ |
| 葉がしおれて戻らない | 根と土が密着していない | 棒で土を突き直して水をよく流す |
| 土がいつまでも乾かない | 鉢が大きすぎる | 一回り小さい鉢に植え直す |
| 新芽が出ず幹が縮む | 低温期に植え替えた | 乾かし気味にして暖かい場所へ置く |
植え替えは根を切る作業なので、しばらく調子を落とすのが普通である。落葉が止まって新芽が出れば成功と考えてよい。
ガジュマルの植え替えに使うもの
植え替えは鉢を大きくする作業ではなく、根と土を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が鉢底で回りません。
急に大きくすると、根の届かない土が湿ったまま残り、根腐れの原因になります。1 号ずつが原則です。
- 培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 観葉植物用、または多肉・サボテン用。水はけ重視の配合。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りなら次の植え替えでそのまま取り出せます。
鉢底の穴が土でふさがらないようにするためです。ネット入りは繰り返し使えます。
- 根切りばさみ・割り箸探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃の厚いはさみ。根鉢をほぐすのは割り箸や竹串で足ります。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。土をかむので、普通のはさみは傷みます。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を整理して土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
ガジュマルの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はガジュマルの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。