掘り上げるか植えっぱなしかを決める
グラジオラスは霜と冬の湿気で球根が傷むため、関東平野部でも掘り上げて室内で保管するのが基本です。暖地の水はけのよい場所では植えっぱなしで越冬することもありますが、翌年の花は減り、病気も持ち越します。まず自分の環境で掘り上げるかを決めます。
| 地域と場所 | 向く方法 | 理由 |
|---|---|---|
| 関東平野部の庭 | 掘り上げ | 凍結と冬の雨で腐りやすい |
| 寒冷地 | 必ず掘り上げ、10月中に | 土が凍る前に済ませる |
| 暖地で水はけのよい場所 | 植えっぱなしも可、敷きわらで保護 | 凍らなければ越冬する |
| 鉢植え | 掘り上げ、または鉢ごと室内で乾かす | 土が少なく凍りやすい |
| 病気が出た場所 | 必ず掘り上げて消毒 | 土に病気が残るので場所も変える |
掘り上げは葉が枯れてから霜が降りる前に
掘り上げの適期は、花後に葉が黄色く枯れてからで、関東平野部なら十月下旬から十一月です。葉が緑のうちは球根が太り切っていないので、花が終わって四〜六週間は葉を育てます。霜で葉が枯れたあとでも構いませんが、土が凍る前に済ませます。
晴れが続いた日に、株の周りから広く掘って球根を持ち上げます。球根の上に新しい球根、その周りに小さな子球が付き、下に古い球根がしぼんで残っています。
- 葉の色で時期を判断
- 葉が半分以上黄色くなったら掘り時です。まだ緑なら一〜二週間待ち、霜の予報が出たら緑でも掘ります。
- 周りから広く掘る
- 株から十五センチ離れた所からスコップを入れ、土ごと持ち上げます。球根に刃を当てると保管中に腐ります。
- 茎を二センチ残して切る
- 葉と茎を球根の上二センチで切ります。葉を付けたまま乾かすと、葉の水分で腐ります。
- 土を落として品種ごとに分ける
- 土を軽く落とし、水洗いはしません。品種と植えた場所ごとに分けて名札を付け、乾燥に回します。
二〜三週間乾かして古い球根を外す
掘った球根は新聞紙の上に重ならないよう広げ、風通しのよい日陰で二〜三週間乾かします。乾くと新しい球根の下に付いた古い球根が簡単に外れます。古い球根は役目を終えているので捨て、新しい球根と子球を残します。
外皮は剥がさずそのまま保管します。剥がすと乾燥し過ぎてしぼみます。この時点で軟らかいもの、底に茶色い凹みのあるもの、傷のあるものは病気の疑いがあるので捨てます。
- 日陰で二〜三週間乾かす
- 軒下や北側の棚に新聞紙を敷いて広げます。直射日光は球根を傷めます。雨に当てないよう気を付けます。
- 古い球根を外す
- 乾いたら新しい球根を軽くひねり、下の古い球根を外します。外れにくければまだ乾いていません。
- 子球を別に分ける
- 周りに付いた小さな子球は別の袋に分けます。翌春に育成用の場所へ植えると二年ほどで咲く大きさになります。
- 傷んだものを捨てる
- 軟らかいもの、底が茶色く凹んだもの、黒い斑点のあるものは捨てます。保管中に他の球根にうつります。
乾かす前に球根用の殺菌剤に浸けておくと、保管中の腐りとアザミウマの越冬を減らせます。浸けたあとは必ず乾かします。
五〜十度の室内で春まで保管
乾いた球根はネットか紙袋に入れ、品種名を書いた名札を付けて、凍らず風の通る五〜十度の場所に置きます。暖房のない玄関や納戸、北側の部屋が向きます。ビニール袋や密閉容器は蒸れてかびます。屋外の物置は凍るので避けます。
月に一度は袋を開けて、かび、軟らかいもの、しぼんだものを取り除きます。しぼむなら乾き過ぎか暑すぎで、新聞紙に包んで置き場所を変えます。
- ネットか紙袋で通気を保つ
- 球根が重なり過ぎないよう袋に入れ、品種と植えた場所の名札を付けます。子球の袋は別にします。
- 凍らない涼しい場所に置く
- 暖房のない室内で五〜十度が理想です。暖かい部屋は芽が動き、屋外の物置は凍って球根が傷みます。
- 月に一度点検する
- かびや軟らかい球根を取り除きます。表面の軽いかびは乾いた布で拭いて数日乾かせば使えます。
春に植え直すときの準備
保管した球根は三月下旬から植えます。植える前にもう一度見て、固く高さのあるものを花壇や鉢に、小さな子球は育成用の場所にまとめて植えます。前年と同じ場所は避け、二〜三年は場所を変えて連作を防ぎます。
植える一〜二週間前に球根を暖かい室内に出しておくと、芽の動きが揃います。芽が緑に伸び始めていたら、芽を折らないよう早めに植えます。
| 球根の大きさ | 植える場所 | 開花の目安 |
|---|---|---|
| 直径3センチ以上で高さがある | 花壇や鉢の目立つ場所 | その年に大きな花 |
| 直径2〜3センチ | 花壇、鉢 | その年に花。やや小さい |
| 直径1〜2センチ(子球) | 育成用の畝に密植 | 1〜2年後 |
| 直径1センチ未満 | 育成用に密植、葉を育てる | 2年以上 |
保管中に失敗したときの直し方
保管中にかびた、しぼんだ、芽が伸びてしまった、植えっぱなしで消えた、といった失敗は、乾かし方と置き場所と温度に原因があります。残った球根の状態を見て、翌年の方法を変えます。
しぼんだ球根でも固さと弾力が残っていれば植えれば芽が出ます。花は小さくなりますが、葉を育てれば翌年には戻ります。指で押して弾力があるかどうかを、捨てるか植えるかの目安にします。
| 状態 | 疑う原因 | 次に直すこと |
|---|---|---|
| 保管中にかびが広がった | 乾かし足りない、袋が密閉 | 3週間乾かし、ネットに替える |
| 球根がしぼんで軽い | 暑い場所、乾き過ぎ | 新聞紙に包んで涼しい場所へ |
| 冬のうちに芽が伸びた | 暖かい部屋に置いた | 涼しい場所に移し、3月下旬に早めに植える |
| 植えっぱなしで春に出ない | 凍結、冬の湿気で腐った | 掘り上げ方式に変える |
グラジオラスの冬越しに使うもの
寒さそのものより、凍って溶けるのを繰り返すことで傷みます。土を凍らせないことが目的です。
- バーク堆肥・腐葉土(マルチング用)探す言葉「バーク堆肥 マルチング」
- 規格の目安
- 40L 前後の袋。株元に 3〜5cm の厚さで敷きます。
- 数量の目安
- 株元の直径 40cm 分で 5L 前後。
土に布団をかけるのと同じです。春には鋤き込めば土壌改良材にもなり、片付けが要りません。
- 不織布(べたがけ用)探す言葉「不織布 防寒 べたがけ」
- 規格の目安
- 目付 20〜30g/㎡。厚いほど保温しますが、光も遮ります。
かけたまま水をやれて、日中の光も通します。ビニールと違い、内側が蒸れません。
- 鉢用の断熱材探す言葉「発泡スチロール 鉢 保温」
- 規格の目安
- 発泡スチロールの箱か、鉢を包むプチプチ。
鉢は地面より先に凍ります。地面に直に置くか、鉢ごと包むかで越冬できるかが変わります。
- 球根の保存ネット探す言葉「球根 保存 ネット袋」
- 規格の目安
- 目の粗いネット袋。
寒さに弱い球根は掘り上げて越冬させます。風の通るところに吊るし、密閉しません。
- 耐寒性のある宿根草は、地上部が枯れても根は生きています。掘り上げずに株元を覆うだけで足ります。
- ビニールで覆いっぱなしにすると、晴れた日に蒸れます。不織布のほうが失敗しません。
グラジオラスの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はグラジオラスの育て方にまとめています。
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