植え場所は午前だけ日が当たる所
スグリは北ヨーロッパ原産の落葉低木で、暑さに弱く寒さに強い果樹です。関東平野部の露地では、真夏の直射日光と西日で葉が焼け、株が弱って翌年の実付きが落ちます。午前中だけ日が当たり、午後は建物や落葉樹の陰になる場所がいちばん育ちます。
一日中日陰では花が付かず、一日中日なたでは夏に葉を落とします。庭の東側や北東側、落葉樹の足元など、明るいけれど涼しい場所を探してから植え付けの準備に入ります。
| 場所 | 向き不向き | 見ておく点 |
|---|---|---|
| 建物の東側 | 最適 | 午後は影になり、夏の葉焼けを避けられる |
| 落葉樹の足元 | 適 | 冬は日が入り、夏は木陰になる |
| 南向きの壁際 | 不向き | 照り返しで夏に葉が縮れて落ちる |
| 北側の日陰 | 不向き | 枝は伸びるが花芽が付かず実がならない |
鉢植えなら季節で場所を動かせます。関東以西では地植えより鉢植えのほうが失敗が少ないと考えてよいです。
苗は落葉期に植える
植え付けの適期は葉が落ちた十一月から二月です。根が休んでいる間に植えれば、春の芽吹きと同時に新しい根が動きます。ポット苗なら春や秋にも植えられますが、真夏の植え付けは根が傷んで枯れやすいので避けます。
- 苗を選ぶ
- 枝が三本以上あり、根元がぐらつかない二年生苗を選びます。枝の先が茶色く枯れ込んでいる苗や、鉢底から根がはみ出して固まっている苗は避けます。
- 穴を掘って土を混ぜる
- 直径四十センチ、深さ三十センチほど掘り、掘り上げた土に腐葉土をバケツ二杯分と苦土石灰をひとつかみ混ぜ戻します。スグリはやや酸性から中性の土を好み、極端な調整は不要です。
- 浅めに植える
- 根鉢の上面が地面と同じ高さになるように植え、深植えしません。株元に土を寄せて軽く押さえ、たっぷり水を与えて土を落ち着かせます。
- 株元を覆う
- 植え付け後、株元に腐葉土やわらを厚さ五センチほど敷きます。スグリの根は浅く、夏の地温上昇に弱いので、覆いは夏まで残しておきます。
株間と支柱
スグリは株立ちで、成木は高さも幅も一メートルから一メートル半になります。隣の株や塀との間は一メートル以上空けると風が通り、うどんこ病が減ります。支柱は基本的に不要ですが、植えた年だけは風でぐらつかないよう仮支柱を一本添えると根の活着が早まります。
- 株間を取る
- 複数株を植えるときは一メートルから一メートル半空けます。詰めて植えると内側の枝に日が入らず、花芽が付かなくなります。
- 仮支柱を添える
- 植えた年は高さ六十センチほどの支柱を株の脇に立て、主な枝を一本だけ麻ひもでゆるく結びます。翌年の春には外して構いません。
鉢植えの用土と鉢の大きさ
鉢植えは八号から十号の深めの鉢で始めます。用土は赤玉土の小粒六に腐葉土四を混ぜたもので十分です。市販の果樹用培養土でも構いません。夏の鉢の温度上昇を抑えるため、素焼き鉢か白っぽい鉢を選び、二重鉢にするとさらに安心です。
| 鉢の大きさ | 苗の目安 | 植え替え |
|---|---|---|
| 八号 | 一年生から二年生の苗 | 二年後に一回り大きく |
| 十号 | 枝が五本以上の成木 | 三年ごとに根を整理 |
| 十二号以上 | 株分けした大株 | 重いので置き場を決めてから |
鉢底には必ず鉢底石を入れ、水はけを確保します。過湿にすると根腐れで一気に枯れます。
植え付け後一年目の育て方
植え付けた年は実を期待せず、根を張らせることに専念します。春に花が付いても摘み取ると、株の力が枝と根に回り、二年目からの実付きが安定します。一年目の夏は特に暑さに弱いので、遮光と水やりを他の年より念入りにします。
一年目の冬に地際から出た若枝が三本以上あれば順調です。二本以下なら肥料か日照が足りていないので、翌春の置き場所と寒肥の量を見直します。
- 一年目の花を摘む
- 四月に花が付いたら指で摘み取ります。実をならせると株が消耗し、二年目の枝の伸びが半分ほどになります。
- 夏の水を切らさない
- 根がまだ浅いので、六月から八月は晴れが三日続いたら朝に株元へたっぷり与えます。鉢植えは毎朝が目安です。
- 冬に枝を切り戻す
- 一年目の冬は、伸びた枝の先端を三分の一ほど切り戻すだけにします。古枝の更新はまだ必要ありません。
植えたのに育たないときの切り分け
植え付け後に葉が出ない、出た葉がすぐ落ちる、という失敗の多くは場所か水のどちらかが原因です。株を掘り返す前に、枝を少し削って緑色が残っているか確かめ、生きていれば置き場所と水の見直しで立て直します。
| 症状 | 考えられる原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 春に芽が動かない | 深植えか根の乾き | 株元の土を少し除き、水を切らさない |
| 夏に葉が縮れて落ちる | 西日と地温の上昇 | 遮光ネットをかけ、株元の覆いを厚く |
| 葉が黄色く、土が湿ったまま | 水はけが悪い根腐れ | 水やりを控え、鉢なら植え替える |
| 枝は伸びるが花が付かない | 日照不足か窒素過多 | 午前の日が当たる場所へ、肥料を減らす |
夏に葉を落としても枝が生きていれば秋か翌春に芽が出ます。あわてて掘り上げず、涼しくなるまで様子を見ます。
スグリの植え付けに使うもの
木は一度植えたら動かせません。植え穴と支柱をきちんと作るかどうかで、その後の何年かが決まります。
数量は苗木 1 本を単位にしています。
- 完熟堆肥・腐葉土探す言葉「完熟堆肥 バーク 40L」
- 規格の目安
- バーク堆肥か腐葉土。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つ(直径 60cm × 深さ 50cm)に 20〜30L を掘り上げた土と混ぜます。
穴を大きく掘って土を入れ替えるのが植え付けの本体です。ここを手抜きすると、根が広がらないまま何年も伸び悩みます。
- 支柱(添え木)探す言葉「園芸支柱 太い 180cm」
- 規格の目安
- 直径 25〜30mm × 長さ 180cm。1 本の添え木か、2 本の二脚(鳥居型)。
根が張るまでの 1〜2 年、風で株元が動くと細い根が切れ続けます。細い支柱では木の重さを支えられません。
- 樹木用の結束テープ探す言葉「樹木 誘引 テープ 幅広」
- 規格の目安
- 幅 20mm 前後の伸びる素材か、麻ひもと当て布。
幹は太ります。細いひもで縛ると食い込み、そこで水の通り道を締めてしまいます。幅の広いもので 8 の字に留めます。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 樹木」
- 規格の目安
- 粒状で長く効くタイプ。
- 数量の目安
- 植え穴 1 つに 50〜100g。根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。
植え付け直後は根が傷んでいます。濃い肥料が触れると、そこから傷みが広がります。
- 鉢で育てるなら支柱は短いもので足ります。180cm の添え木は地植え用です。
- 植え穴に石を入れる必要はありません。水はけが悪いなら、盛り土にして高く植えるほうが効きます。
スグリの収穫までのコツは作物ページに
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