枝の年齢を見分ける
スグリの実は前年に伸びた枝の付け根と、二年から三年目の枝に付く短い枝に多くなります。四年を超えた枝は実が小さく数も減るので、根元から切って若い枝に入れ替えます。剪定の前に、株の枝を年齢ごとに見分けられるようになることが大切です。
| 枝の姿 | 年齢の目安 | 扱い |
|---|---|---|
| 皮がなめらかで色が明るい | 一年枝 | 残す。先端だけ軽く切り戻す |
| 皮が少し灰色で短い枝が付く | 二年から三年枝 | 残す。もっとも実が付く |
| 皮が黒ずみ、ひび割れる | 四年以上の古枝 | 根元から切って更新する |
| 細く、地面をはうように出た枝 | 徒長枝(勢いだけで伸びた枝) | 根元から抜く |
迷ったら太くて黒い枝から切ります。株全体の枝数は八本から十二本を目安に保ちます。
剪定の時期は葉が落ちた後
剪定は落葉後の十二月から二月に行います。芽が動き出す三月以降に切ると樹液が流れて株が弱ります。夏の剪定は、込み合った枝を軽く抜く程度に留めます。
切り口が直径一センチを超えるときは癒合剤を塗っておくと、そこから枯れ込むのを防げます。細い枝の切り口はそのままで構いません。剪定した枝は病気の持ち越しを避けるため、株元に置かず袋に入れて処分します。
- 枯れ枝を落とす
- 先端が茶色く、爪で削っても緑が出ない枝を先に切ります。枯れた枝を残すと病気の温床になります。
- 古枝を根元から切る
- 四年以上の黒ずんだ枝を、年に二本から三本ずつ地際で切ります。一度に全部切ると翌年の実がなくなります。
- 内側の込んだ枝を抜く
- 株の中心に向かって伸びる枝や、交差してこすれる枝を根元から抜きます。中心に手が入る程度に空くと風通しがよくなります。
- 残した枝の先を切り戻す
- 一年枝の先端を三分の一ほど切り戻すと、翌年に実の付く短い枝が増えます。切り口は芽のすぐ上で斜めにします。
株立ちの本数を決める
スグリは毎年地際から新しい枝が出ます。全部残すと株が込み合って実が小さくなるので、毎年三本前後の若い枝を残し、残りは抜きます。残す枝は太く、まっすぐ上に伸びたものを選び、細い枝や横にはう枝は抜きます。
残す枝は株の外側に向かって伸びているものを優先すると、開いた形になって中心に日が入ります。内側に向いた枝は太くても抜く候補です。
| 株の姿 | 残す枝の数 | 抜く枝 |
|---|---|---|
| 植えて一年目 | 三本から四本 | 細い枝、地面をはう枝 |
| 植えて二年から三年目 | 六本から八本 | 内向きの枝、交差する枝 |
| 四年目以降の成木 | 八本から十二本 | 古枝を年二、三本ずつ |
トゲのある種類は手袋と道具を用意する
スグリの仲間のうちグーズベリー系は枝に鋭いトゲがあり、素手で剪定するとけがをします。厚手の革手袋と、柄の長い剪定ばさみを用意します。トゲのないカラント系も、細い枝が込み合うので、小ぶりのはさみのほうが作業しやすいです。
はさみは使う前にアルコールで拭くか、火であぶって消毒します。病気の株を切った刃で健全な株を切ると、うどんこ病や枝枯れが移ります。作業後は刃の樹液を拭き取り、油を薄く塗ってしまいます。
- 革手袋をはめる
- 布手袋はトゲが貫通します。ひじまで覆う革手袋か、袖を守るアームカバーを合わせて使うと安心です。
- 切った枝はすぐ片付ける
- 地面に落ちたトゲ枝は後で踏んでけがをします。切るたびに袋へ入れ、燃えるごみとして出します。
夏の軽い剪定で風を通す
冬の剪定が基本ですが、六月から七月に株の内側が込み合っていたら、細い枝や交差する枝を数本抜きます。夏に太い枝を切ると株が弱るので、指より細い枝に限ります。収穫後に行うと実を落とす心配がなく、うどんこ病の予防にもなります。
夏に抜いた枝は必ず袋に入れて処分します。病葉が付いた枝を株元に落としたままにすると、秋に病気が再発します。また、夏の剪定の後は切り口が乾くまで水を多めに与え、株の負担を減らします。
- 収穫後に内側を見る
- 七月に株の中心をのぞき、手が入らないほど込んでいたら細い枝を抜きます。切るのは五本以内に留めます。
- 地面をはう枝を抜く
- 横に倒れて地面に触れる枝は、実が土に付いて傷むうえ病気の入口になります。根元から切ります。
実が減ったときの原因と立て直し
剪定を怠ると三年ほどで実が小さくなり、数も減ります。逆に切りすぎると翌年の花芽がなくなります。株の様子を見て、どちらに傾いているか判断してから直します。
| 症状 | 原因 | 戻し方 |
|---|---|---|
| 実が小さく数も少ない | 古枝が多く、株が込んでいる | 冬に古枝を三本抜き、二年かけて更新 |
| 枝は勢いよく伸びるが実がない | 切りすぎか肥料の窒素が多い | 翌冬は先端の切り戻しだけにする |
| 株の内側だけ実がない | 日が入らず花芽が付かない | 内向きの枝を抜いて中心を空ける |
| 枝が長く垂れて実が地面に付く | 切り戻し不足 | 一年枝を三分の一切り戻す |
更新剪定は二年から三年かけて行います。一度に若返らせようとすると、その年は収穫がゼロになります。
スグリの剪定に使うもの
剪定でいちばん多い失敗は、切れない道具で無理に切ることです。切り口が潰れると、そこから枯れ込みます。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ バイパス 果樹」
- 規格の目安
- 刃渡り 5〜6cm、直径 2cm まで。バイパス式。手の大きさに合ったものを。
生きた枝を切るならバイパス式です。アンビル式は枝を潰すので、切り口がふさがるまでに時間がかかります。
- 剪定のこぎり探す言葉「剪定のこぎり 折込 24cm 生木」
- 規格の目安
- 刃渡り 24cm 前後、生木用の粗い刃。折込式は持ち運べます。
直径 2cm を超えたらのこぎりに切り替えます。太い枝は下側に受け口を入れてから切ると、樹皮が裂けません。
- 癒合剤探す言葉「癒合剤 トップジン 剪定」
- 規格の目安
- ペースト状で刷毛の付いたもの。
直径 3cm を超える切り口に塗ります。乾燥と雨から切り口を守るためで、小さい切り口には要りません。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
木を変えるたびに刃を拭きます。切り口から入る病気は、道具が運ぶことが少なくありません。
- 直径 3cm 以下の切り口には癒合剤は要りません。塗りすぎると内側が乾かないこともあります。
- 電動の剪定ばさみは、木が何本もあるようになってからで十分です。
スグリの収穫までのコツは作物ページに
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