今年やるべきかを決める
ホヤは根が軽く詰まった状態を好むため、毎年の植え替えは必要ありません。むしろ触りすぎると花が遠のくので、必要な合図が出たときだけ行います。
下の表で当てはまる行があれば今年の春に植え替えます。どれにも当てはまらないなら、土の表面だけ新しくして次の春まで待つほうが株のためになります。
| 株の状態 | 植え替えるか | やり方 |
|---|---|---|
| 鉢底の穴から根が出ている | 今年の春に行う | 一回り大きい鉢へ移す |
| 水が土に染み込まず表面を流れる | 今年の春に行う | 同じ鉢で土だけ入れ替える |
| 買ってから3年以上そのまま | 今年の春に行う | 根を軽くほぐして新しい土へ |
| つぼみが上がっている | 行わない | 花が終わるまで待つ |
買ってきたばかりの株もすぐには植え替えません。二週間ほど同じ場所に置いて環境に慣らしてから作業します。
適期は四月から六月
植え替えの適期は、最低気温が十五度を安定して超えてから真夏の暑さが来るまでの間です。関東平野部なら四月から六月がちょうどよい時期になります。
真夏は根の回復より消耗が勝ち、秋以降は新しい根が伸びる前に寒さが来ます。時期を外すと、そのまま冬に根腐れへ進むことが少なくありません。
| 時期 | 植え替えの可否 | 理由 |
|---|---|---|
| 4〜6月 | 最適 | 気温が上がり新しい根がすぐ伸びる |
| 7〜8月 | 避ける | 高温で株が消耗し根が動かない |
| 9月 | やむを得なければ可 | 10月までに根が動けば冬を越せる |
| 10〜3月 | 行わない | 根が伸びず、湿った土で腐る |
用土は水はけを最優先にする
ホヤは木に着生して育つ植物なので、細かい土でみっちり埋めると根が傷みます。指でつまむと粒が感じられるくらい粗い土が合います。
- 基本の配合を作る
- 赤玉土の小粒を半分、軽石やパーライトを三割、腐葉土やバークを二割ほど混ぜます。市販の多肉植物用の土に軽石を足しても構いません。
- 水はけを確かめる
- 鉢に入れて水を注ぎ、数秒で底から流れ出れば合格です。表面に水がたまるようなら軽石を足してやり直します。
- 鉢底石を入れる
- 鉢の底に軽石を二センチほど敷きます。深い鉢ほど底に水が残りやすいので、この一手間が根腐れを大きく減らします。
- 素焼き鉢を選ぶ
- 迷ったら素焼きの鉢にします。側面から水分が抜けるので過湿になりにくく、水やりの失敗を鉢が助けてくれます。
水苔だけで植える方法もあります。乾きが見た目でわかりやすい反面、二年ほどで傷むので定期的な入れ替えが要ります。
植え替えの手順
手順そのものは単純ですが、乾かしてから抜く、根を見て黒い部分だけ切る、植えたあとすぐ水をやらないという三つを守るかどうかで、その後の回復の速さが大きく変わります。
- 土を乾かしておく
- 作業の三日ほど前から水を止め、土を乾かします。湿ったまま抜くと根に土が固まって付き、ほぐすときに切れます。
- 鉢から抜く
- 鉢の側面を軽くたたいてから、株元を持って引き抜きます。つるを引っぱると節から折れるので、必ず株元をつかみます。
- 根を確かめる
- 白か薄い茶色の根は健康です。黒くて指でつまむとつぶれる根は傷んでいるので、清潔なはさみで切り取ります。
- 新しい鉢へ入れる
- 根鉢は三割ほど軽くほぐす程度にとどめ、新しい土を隙間に入れます。棒で軽く突いて空洞をなくします。
- 数日置いてから水をやる
- 植え替え直後は与えず、明るい日陰で三日から五日置いてから与えます。切った根の傷口が乾いてからのほうが安全です。
植え替え後の不調と立て直し
植え替えのあと数週間は元気がないように見えることがあります。多くは自然な反応ですが、下の表の左側に当てはまる姿が続くときは手当てが必要です。
| 症状 | 様子見でよいか | 手当て |
|---|---|---|
| 下葉が数枚だけ黄色くなる | 様子見でよい | 水を控えめにして明るい日陰で待つ |
| つる全体がしおれて戻らない | 手当てが要る | 根の傷みを疑い、乾いた土へ植え直す |
| 新芽が2か月出ない | 手当てが要る | 鉢が大きすぎないか確かめ、締め直す |
| 土がいつまでも乾かない | 手当てが要る | 水はけのよい土に入れ替える |
植え替え後一か月は肥料を与えません。切れた根に肥料が触れると傷みが広がり、回復がかえって遅くなります。
ハンギングと板付けの植え替え
- つるを束ねておく
- 作業の前に長いつるをゆるく束ね、ひもで軽く留めます。垂れたつるを踏んだり折ったりする事故がなくなります。
- 軽い土を使う
- つり下げる鉢は重さが問題になります。軽石やバークを多めにして、水を含んでも重くなりすぎない配合にします。
- 板付けは水苔を替える
- 板に付けた株は、鉢の植え替えの代わりに二年に一度水苔を巻き直します。古い水苔は黒く崩れていれば替えどきです。
- 留め直して固定する
- 根が動くと新しい根が伸びません。テグスや麻ひもで株元をしっかり留め、指で押しても揺れない状態にします。
つり下げた鉢は下から風が当たるため、床置きより乾きが速くなります。植え替え後の管理でも水の間隔を短めに見ます。
ホヤの植え替えに使うもの
植え替えは鉢を大きくする作業ではなく、根と土を新しくする作業です。同じ鉢に戻す選択もあります。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 鉢(ひと回り大きいもの)探す言葉「植木鉢 8号 スリット」
- 規格の目安
- 直径で 3cm(1 号)だけ大きいもの。スリット鉢は根が鉢底で回りません。
急に大きくすると、根の届かない土が湿ったまま残り、根腐れの原因になります。1 号ずつが原則です。
- 培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 観葉植物用、または多肉・サボテン用。水はけ重視の配合。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L、10 号鉢で約 15L。
古い土は粒が潰れて水はけが落ちています。土を替えることが植え替えの目的の半分です。
- 鉢底石探す言葉「鉢底石 ネット入り」
- 規格の目安
- 軽石。ネット入りなら次の植え替えでそのまま取り出せます。
鉢底の穴が土でふさがらないようにするためです。ネット入りは繰り返し使えます。
- 根切りばさみ・割り箸探す言葉「根切りばさみ 園芸」
- 規格の目安
- 刃の厚いはさみ。根鉢をほぐすのは割り箸や竹串で足ります。
固まった根鉢は、外側を切ってほぐさないと新しい根が出ません。土をかむので、普通のはさみは傷みます。
- 同じ鉢に戻すなら、新しい鉢は要りません。根を整理して土を替えるだけで十分です。
- 鉢底ネットは、スリット鉢なら要りません。
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