症状から原因を見分ける
ライラックのトラブルは、葉に出るもの、幹に出るもの、株全体に出るものの三つに分けて見ると原因にたどり着きやすくなります。葉の白い粉や穴は病気と食害、幹の穴と木くずはカミキリムシ、株全体のしおれは根の問題か暑さです。まず葉の表裏、次に幹の根元、最後に株元の土の順に見ていきます。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初の一手 |
|---|---|---|
| 葉に白い粉 | うどんこ病 | 病葉を取り、風通しを良くする |
| 新芽やつぼみに小さな虫 | アブラムシ | 手で取るか水で流す |
| 幹の根元に木くず | カミキリムシの幼虫 | 穴を探して針金で刺す |
| 葉に穴、糸を引く | ハマキムシ、ケムシ | 巻いた葉ごと取る |
| 葉の縁が茶色く枯れる | 葉焼け、水切れ | 遮光し、朝に水を与える |
| 株全体がしおれ、土が湿っている | 根腐れ | 水を止め、鉢なら植え替え |
| 根元から細い枝が勢いよく伸びる | 台木のひこばえ | 地際で切り取る |
うどんこ病は夏から秋の風物詩
ライラックは七月から九月にかけて、葉が白い粉をふいたようになるうどんこ病がほぼ毎年出ます。関東の蒸し暑さと風通しの悪さが原因で、株を枯らすことはまずありませんが、葉が早く落ちて見た目が悪くなり、株の力もやや落ちます。花後の剪定で枝を透かし、風を通しておくことがいちばんの予防です。
出てしまったら、初期のうちは白くなった葉を取り除くだけで広がりを抑えられます。広がり始めたら重曹を五百倍に薄めた水や、庭木用の殺菌剤を葉の裏表に散布します。秋に落ちた病葉は翌年の感染源になるので、株元から集めて捨てます。
- 白い葉を早めに取る
- 数枚のうちに取り除いて袋に入れて捨てます。株元に落としたままにすると胞子が残ります。
- 重曹水か殺菌剤を散布
- 広がったら重曹五百倍か庭木用の殺菌剤を、葉の裏側にもかかるように散布します。一週間おきに二〜三回続けます。
- 秋に落ち葉を片付ける
- 落葉したら株元の葉を全て集めて袋に入れて処分します。堆肥に混ぜず、翌年の発生をかなり減らせます。
うどんこ病で葉が落ちても、枝先の花芽は残ります。翌年の花に大きな影響はありません。
カミキリムシは幹の根元を見る
ライラックで株を枯らす最大の害虫はカミキリムシです。六月から八月に成虫が幹の根元近くに産卵し、幼虫が幹の中を食い進みます。根元におがくずのような木くずが落ちていたら、幼虫が入っている印です。放置すると数年で幹が空洞になり、強風で折れたり、養分が上がらず枯れたりします。
木くずを見つけたら、その上の幹に開いた小さな穴を探し、針金を差し込んで幼虫を刺すか、穴に園芸用の殺虫剤を注入して穴をふさぎます。成虫を見つけたら捕殺します。株元に草を茂らせないことと、幹の根元を月に一度見回ることが早期発見につながります。
- 六月から月に一度根元を見る
- 幹の根元から高さ五十センチまでの間に、木くずや小さな穴がないか確かめます。株元の草は刈っておきます。
- 木くずの上の穴を探す
- 木くずが落ちている真上の幹を触り、柔らかい部分や小さな穴を見つけます。皮がめくれる場合もあります。
- 針金か殺虫剤で退治する
- 穴に針金を差し込んで幼虫を刺すか、カミキリムシ用の殺虫剤を注入し、穴を粘土や癒合剤でふさぎます。
- 成虫は捕まえる
- 六月から八月に幹や葉に止まっている成虫を見つけたら、手で捕まえて処分します。産卵前に減らすのが肝心です。
アブラムシとハマキムシは春から初夏
四月の新芽とつぼみに緑色のアブラムシが群がることがあります。花房が変形したり、排せつ物にすす病が付いて葉が黒くなったりするので、数が少ないうちに手でつぶすか水で洗い流します。テントウムシが来ていれば放っておいても減ります。
五月から六月には、葉を糸で巻いて中に潜むハマキムシや、葉を食べるケムシが出ます。巻いた葉を見つけたら葉ごと取って踏みつぶします。数が多いときは庭木用の殺虫剤を使いますが、開花中はハチが来るので花が終わってから散布します。
| 時期 | 害虫 | 見つけ方と対処 |
|---|---|---|
| 4月〜5月 | アブラムシ | 新芽とつぼみを見る。指でつぶすか水で流す |
| 5月〜6月 | ハマキムシ | 葉が糸で巻かれている。葉ごと取る |
| 5月〜7月 | ケムシ類 | 葉に穴と黒い糞。見つけ次第捕殺 |
| 6月〜8月 | カミキリムシ | 根元の木くず。穴を探して幼虫を刺す |
| 7月〜9月 | ハダニ | 葉の裏が白くかすれる。葉裏に水をかける |
病気ではない生理障害
関東で育てるライラックには、病気に見えて実は暑さや土の影響という症状が多くあります。夏に葉の縁が茶色く枯れるのは葉焼けと水切れで、秋に紅葉せず茶色く落ちるのは普通の落葉です。葉が小さく黄色いのは土が酸性に傾いているか根詰まりで、苦土石灰と植え替えで戻ります。
花が咲かないのも病気ではなく、剪定時期の誤り、窒素過多、日照不足、若木のいずれかです。株を見て、枝葉の勢いが強すぎるなら肥料、枝が細く間延びしているなら日照、秋冬に枝先を切ったなら剪定が原因です。手当てをしても変わらない症状は、季節の姿として受け入れて翌年の管理に反映します。
| 見た目 | 時期 | 判断 |
|---|---|---|
| 葉の縁が茶色い | 7月〜9月 | 葉焼け。遮光と朝の水やりで軽くなる |
| 紅葉せず茶色く落ちる | 10月〜11月 | 正常な落葉 |
| 葉が小さく黄色い | 5月〜6月 | 酸性の土か根詰まり。苦土石灰と植え替え |
| 花が咲かない | 4月〜5月 | 剪定時期、窒素過多、日照不足、若木 |
| 夏に葉が全部落ちる | 8月 | 暑さと乾燥。枝が緑なら生きている |
枯れそうなときの切り分けと手当て
株全体がしおれたり葉が落ちたりしたときは、あわてて水や肥料を足す前に原因を切り分けます。土が湿っているのにしおれているなら根腐れ、乾いているなら水切れ、根元に木くずがあればカミキリムシ、細い枝ばかり茂って本体が弱っているなら台木のひこばえです。枝を削って中が緑なら回復の見込みがあり、茶色く乾いていればその枝は枯れています。
- 土の湿り気を触って確かめる
- 株元から五センチ下を指で触り、湿っていれば水を止めて乾かします。乾いていれば朝にたっぷり与えます。
- 根元と幹を見る
- 木くず、穴、接ぎ口より下の芽がないか確かめます。あればそれぞれの手当てをします。
- 枝を削って生死を見る
- 枝の皮を爪で少し削り、緑なら生きています。茶色い枝は健全なところまで切り戻します。
- 回復まで肥料を与えない
- 弱った株に肥料は逆効果です。新芽が動いて葉が開くまで、水の管理だけで様子を見ます。
ライラックの長く咲かせるコツは作物ページに
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