一年の作業を表で見る
関東平野部の露地植えを基準にした一年です。株の姿を見て前後二週間はずらしてかまいません。寒冷地は開花が五月中旬〜六月と遅くなるので、花後の作業も一か月ほど後ろにずれます。鉢植えは夏の移動が加わります。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1月 | 枯れ枝の整理、ひこばえの除去 | 花芽の付いた枝先には触らない |
| 2月 | 寒肥、苦土石灰、鉢の植え替え | 芽が動く前に済ませる |
| 3月 | 植え付けの最終期、水やり開始 | 芽がふくらんだら植え付けは翌冬へ |
| 4月中旬〜5月上旬 | 開花、アブラムシの見回り | つぼみに虫が付いたら早めに取る |
| 5月下旬〜6月中旬 | 花がら切り、剪定、お礼肥 | 花が茶色くなったらすぐ |
| 6月下旬 | 株元のマルチング | 梅雨明け前に |
| 7月〜9月 | 遮光、朝の水やり、鉢は半日陰へ | 肥料は与えない |
| 10月〜11月 | ひこばえの除去、遮光を外す | 植え付けの準備 |
| 12月 | 植え付け、落ち葉の片付け | 休眠に入ってから |
冬(十二月〜二月)は根を作る季節
落葉して休眠する冬は、植え付けと寒肥、鉢の植え替えの季節です。二月に枝先の真下へ寒肥(冬に与えてゆっくり効かせる肥料)を埋めると、春の芽出しから初夏の花芽作りまで穏やかに効きます。枝先の丸い芽は翌春の花芽なので、冬に枝先を切らないことがいちばん大切です。
根元を見て、接ぎ口より下から出ている台木の芽があれば地際で切り取ります。葉がないので幹の様子がよく見え、絡んだ枝や枯れ枝も見つけやすい時期です。ただし整理は枝の付け根で抜く程度にとどめ、樹形を変えるような剪定はしません。
- 十二月、植え付けと片付け
- 落葉したら植え付けの適期です。落ち葉は病気の元になるので株元から取り除き、袋に入れて処分します。
- 一月、ひこばえと枯れ枝を取る
- 根元の台木の芽と、明らかに枯れた枝だけを切ります。枝先の丸い花芽は残し、樹形を変える剪定はしません。
- 二月、寒肥と苦土石灰
- 枝先の真下に穴を掘って油かすと骨粉を埋め、株のまわりに苦土石灰をまきます。鉢植えはこの時期に植え替えます。
春(三月〜五月)は花を楽しみ虫を見る
三月に芽がふくらみ、四月中旬から五月上旬にかけて関東では花が咲きます。この時期にやることは少なく、乾いたら水を与えることと、つぼみや新芽に付くアブラムシを見回ることです。花の香りが強い品種はハチも呼びますが、実害はありません。
花が咲いたら、切り花にして室内でも楽しめます。枝を切ることが軽い剪定にもなるので、混み合った枝を選んで切ると一石二鳥です。ただし切りすぎると翌年の花が減るので、全体の二割程度にとどめます。
| 時期 | 株の姿 | やること |
|---|---|---|
| 3月上旬 | 芽がふくらむ | 水やりを始める。植え付けはここまで |
| 3月下旬〜4月上旬 | 葉が開く | 新芽のアブラムシを見回る |
| 4月中旬〜5月上旬 | 開花 | 切り花は混み枝を選ぶ。乾いたら朝に水 |
| 5月中旬 | 花が色あせる | 花がら切りの準備 |
初夏(五月下旬〜六月)は一年でいちばん忙しい
花が終わった直後の二〜三週間が、翌年の花を決める時期です。花がら切りと混み枝の剪定、お礼肥を六月中旬までに済ませ、梅雨明け前に株元をわらや腐葉土で覆います。七月に入ると枝先に花芽ができ始めるので、以後は枝先に触らないようにします。
剪定は控えめが原則で、内向きの枝と交差する枝を付け根から抜く程度にします。高さを詰めたいときも一年で三分の一までです。花がら切りは花房の下の二枚の葉の付け根の芽を残して切ります。
- 花後二週間以内に花がら切り
- 茶色くなった花房を、すぐ下の葉の付け根の芽を残して切ります。手の届く範囲で十分です。
- 同時に混み枝を抜く
- 内向きの枝、交差する枝、細い枝を付け根で切って風を通します。幹の上に空が見える程度が目安です。
- お礼肥を軽く
- 化成肥料をひとつかみ株のまわりにばらまきます。鉢植えは液体肥料を千倍で一回です。
- 梅雨明け前にマルチング
- 六月下旬に株元へわらか腐葉土を五センチ敷き、地温の上昇と乾燥を防ぎます。幹に触れないよう隙間を空けます。
夏(七月〜九月)は守りに徹する
関東の夏はライラックにとって試練の季節で、やることは守りだけです。肥料は与えず、剪定もせず、朝の水やりと遮光で暑さをしのぎます。西日の当たる場所はよしずや遮光ネットで午後の日を遮り、鉢植えは午前中だけ日の当たる半日陰へ移します。
この時期に枝先で翌年の花芽が作られています。葉が多少焼けても、枝が枯れなければ花芽は残ります。夏に葉が落ちてしまっても、枝を削って中が緑なら生きているので、水を続けて秋を待ちます。九月下旬に涼しくなったら遮光を外し、鉢を日当たりへ戻します。
| 状態 | 判断 | 対応 |
|---|---|---|
| 昼に葉がしおれる | 水切れ。夕方戻れば問題なし | 翌朝たっぷり与える |
| 葉の縁が茶色い | 葉焼け | 遮光を強める。病気ではない |
| 葉が落ちた | 暑さと乾燥 | 枝の緑を確かめ、水を続ける |
| 根元から細い枝が急に伸びる | 台木のひこばえ | すぐ地際で切る |
予定が狂ったときの立て直し
花後の剪定を忘れて七月に入ってしまったら、その年はもう枝先を切らず、枯れ枝とひこばえだけを取ります。翌年の花後にまとめて整理します。寒肥を忘れたら、三月中に緩効性肥料を軽くまく程度にとどめ、量を増やして取り返そうとしないことです。植え付けの時期を逃して四月以降になったら、鉢のまま半日陰で夏を越させ、十二月に植え付けます。
- 剪定を忘れたら翌年へ
- 七月以降は枝先に触らず、枯れ枝とひこばえだけを取ります。翌年の花後に混み枝を整理します。
- 寒肥を忘れたら三月に軽く
- 緩効性の庭木用肥料を株のまわりに軽くまきます。量を倍にしても効果は出ず、花芽が減ります。
- 植え付けを逃したら鉢で夏越し
- ポットのまま午前中だけ日の当たる場所に置き、朝の水やりで夏を越させます。十二月に落葉してから植えます。
ライラックの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
ライラックの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はライラックの育て方にまとめています。
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