場所は夏の日陰で決める
スズランは春に日が当たり、夏は木陰になる場所を好みます。北国の草原に自生する植物で、関東平野部の夏の直射と高温が最も苦手です。落葉樹の下、建物の東側や北側など、夏の午後に日が当たらない場所を選んでください。
一度根付くと地下茎で広がり、三〜四年で群生します。動かすと翌年の花が減るので、数年置ける場所に植えます。鉢植えなら夏だけ涼しい日陰に移せる利点があります。
| 場面 | 向き不向き | 理由 |
|---|---|---|
| 落葉樹の下 | 最適 | 春は明るく、夏は木陰で涼しい |
| 建物の東側で午前中だけ日が当たる | 適 | 午後の直射がなく、葉焼けしにくい |
| 建物の北側で一日中明るい日陰 | 可 | 花はやや少ないが葉は健全に育つ |
| 南向きの日向 | 不向き | 夏に葉が焼けて枯れ、株が弱る |
| 西日が当たる壁際 | 不可 | 高温で地下茎が傷み、数年で消える |
スズランは全草に強い毒があり、花を挿した水にも毒が溶け出します。食用作物のそばには植えず、子どもやペットの手が届く場所を避けてください。
植え付けは十月〜十一月か三月
植え付けの適期は、葉が枯れて休眠している十月から十一月と、芽が動き出す前の三月です。市販の苗は三月から四月に芽付きのポットで出回ることが多く、この場合は根鉢を崩さずに植えます。地下茎の芽(ピップと呼ばれる細長い芽)を買った場合は、秋か早春に植えます。
日本に自生する在来種は小型で花が葉に隠れがち、園芸店の多くはヨーロッパ原産のドイツスズランで、花が大きく葉の上に出て香りも強いものです。育て方はほぼ同じですが、在来種のほうが暑さにやや弱い傾向があります。
- 腐葉土をたっぷり混ぜる
- 植える場所の土に腐葉土を三〜四割混ぜ、ふかふかにします。水はけと保水の両方が要るので、粘土質なら軽石も加えます。
- 芽は先を上にして浅く
- 地下茎の芽は先端を上にし、芽の先が土の表面から一〜二センチ隠れる程度に浅く植えます。深植えすると芽が出ないことがあります。
- 株間は十〜十五センチ
- 地下茎が横に伸びて広がるので、十〜十五センチ空けます。群生させたいなら、三〜五芽を一か所にまとめて植えます。
- ポット苗は根鉢を崩さない
- 芽付きのポット苗は根を触らずそのまま植え、周りの土を軽く押さえます。深さは鉢土の面と同じにします。
- 植えたらたっぷり水をやる
- 植え付け後にたっぷり水をやり、株元に腐葉土を薄く敷いて乾燥を防ぎます。休眠中でも根は動くので、乾かしすぎないようにします。
鉢植えの用土と鉢
鉢植えは夏に涼しい場所へ移せるので、暑い地域では庭植えより育てやすくなります。用土は赤玉土小粒五に腐葉土四、軽石一の配合か、市販の草花用培養土に腐葉土を二割足したものを使います。鉢は乾きにくいプラスチック鉢でも構いませんが、夏の高温を避けるため素焼き鉢を二重にする方法もあります。
| 鉢の大きさ | 芽の数の目安 | 注意 |
|---|---|---|
| 五号鉢 | 三〜五芽 | 一〜二年で根が回るので植え替える |
| 七号鉢 | 七〜十芽 | 群生して見応えが出る。二年に一回植え替え |
| 浅い平鉢(深さ十センチ以上) | 五〜七芽 | 乾きやすいので夏の水切れに注意 |
鉢底石を二〜三センチ入れ、鉢底の穴が詰まらないようにします。受け皿の水は毎回捨ててください。
植え付け後の一年目
植えた年は芽の数が少なく、花も数本で終わることがあります。二年目から地下茎が広がって花数が増えるので、一年目は株を太らせることを優先します。土の表面が乾いたら水をやり、夏は必ず日陰にして葉を守ります。
- 春は表面が乾いたら水
- 芽が出てから葉が広がる四月から五月は、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。この時期の水切れは葉を小さくします。
- 夏は葉を守る
- 六月以降は直射に当てず、株元に腐葉土を敷いて地温を抑えます。葉が緑のうちは光合成で地下茎を太らせています。
- 一年目は肥料を控える
- 植え付けの一か月後に緩効性肥料を少量置くだけにします。多いと根が傷み、少ないほうが安全です。
芽が出ない、花が咲かないときの原因
植えたのに春に芽が出ない、葉は出るが花がない、といった失敗は、深植え、乾燥、夏の暑さ、芽が小さいことのどれかがほとんどです。掘って芽の状態を確かめると原因が分かります。
| 起きたこと | 原因の見当 | 直し方 |
|---|---|---|
| 春に芽が出ない | 深植え・冬の乾燥で地下茎が枯れた | 浅く植え直し、休眠中も乾かしすぎない |
| 葉は出るが花がない | 芽が小さい・植えた年 | 二年目を待つ。花後に肥料を与えて太らせる |
| 葉が小さく数が少ない | 夏の暑さで地下茎が弱った | 夏に日陰へ移し、腐葉土で地温を下げる |
| 芽が腐っていた | 過湿・水はけ不良 | 軽石を混ぜて水はけを良くし、新しい芽を植える |
作業のときは手袋を着け、作業後は手を洗います。掘り上げた地下茎は食材と別に扱い、子どもの手が届かない場所に置きます。
スズランの植え付けに使うもの
苗も球根も、植えたあとに動かすと根が傷みます。植える日にそろえておくものだけを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、水はけ重視の配合。14〜25L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、65cm プランターで 12〜15L、花壇なら 1 ㎡ あたり 20〜30L。
花壇でも、土が固いところは掘り上げて培養土を混ぜたほうが根が張ります。
- 腐葉土探す言葉「腐葉土 園芸」
- 規格の目安
- 葉の形が残っている完熟のもの。40L 前後の袋。
- 数量の目安
- 花壇 1 ㎡ あたり 5〜10L を掘り上げた土に混ぜます。
土をふかふかにして、水もちと水はけを同時に良くします。花壇の土づくりの基本です。
- 緩効性肥料(元肥)探す言葉「緩効性肥料 元肥 マグァンプ」
- 規格の目安
- 粒状で 1 年ほど効くタイプ。植え穴の底に入れて使います。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 5〜10g、花壇 1 ㎡ あたり 50g 前後。
根に直接触れないよう、土を一枚かぶせてから植えます。触れると濃さで傷みます。量は袋の表示に従ってください。
出典: 農林水産省「都道府県施肥基準等」
- 移植ごて探す言葉「移植ごて ステンレス 目盛り」
- 規格の目安
- 幅 6〜8cm。目盛り付きなら球根の深さを測れます。
球根は「球の高さの 2〜3 倍の深さ」に植えるのが基本で、目分量だと浅くなりがちです。
- 球根植え器は、球根をまとめて植えるようになってからで十分です。移植ごてで足ります。
- 鉢を毎回買い替えなくても、古い鉢を洗って日に当てれば使えます。
スズランの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はスズランの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。