株分けの時期と判断
スズランは地下茎で横に広がり、三〜四年で一面に群生します。混み合うと芽が小さくなって花が減るので、そのころに掘り上げて分けます。適期は葉が枯れる十月から十一月と、芽が動く前の三月です。種からも育ちますが、開花まで四〜五年かかるうえに実は有毒なので、家庭では株分けだけで十分です。
株分けをするかどうかは、春の花数と葉の大きさで判断します。前年より花が減り、葉が小さく密になっているなら分けどきです。まだ葉が大きく花も多いなら、あと一〜二年待って構いません。
秋に分けると翌春の花はやや少なめですが、根が冬の間に馴染んで株が安定します。三月に分けると花はその年に期待しにくいものの、芽の太さを見ながら選べる利点があります。
| 状態 | 株分け | 理由 |
|---|---|---|
| 植えて一〜二年、花がよく咲く | しない | 掘ると翌年の花が減る |
| 三〜四年経ち葉が小さく花が減った | する | 混み合って芽が太れない |
| 株が一方向に広がり中央が空いた | する | 外側の元気な芽を中央に植え直す |
| 鉢植えで根が回った | 二年に一回 | 土の量と養分が尽きる |
| 夏に弱って葉が早く枯れた | する | 太い芽だけ選んで涼しい場所に植え直す |
掘り上げて芽を分ける
地下茎には、先端がふくらんだ太い芽(翌年咲く花芽付き)と、細く小さい芽(葉だけ出る)が混ざっています。太い芽を三〜五個ずつまとめて一株にすると、翌春から咲きます。細い芽は別にまとめて植え、二〜三年育てると咲く大きさになります。
- 株から離して掘る
- 株元から十五センチほど離してスコップを入れ、地下茎を切らないよう土ごと持ち上げます。手袋を着けて作業します。
- 土を落として芽を見る
- 土を手で落とし、地下茎に付いた芽を確かめます。先端が丸くふくらんで太いものが花芽付き、細く尖ったものは葉芽です。
- 太い芽を三〜五個ずつに分ける
- 地下茎を手で折るか、清潔なはさみで切り、太い芽が三〜五個付いた塊に分けます。小さく分けすぎると翌年の花が減ります。
- 細い芽はまとめて育てる
- 細い芽だけの塊は別の場所に十センチ間隔で植え、二〜三年育てます。捨てずに育てれば数年後に咲きます。
地下茎と芽には強い毒があります。手袋を着け、作業後は手を洗い、切った地下茎は袋に入れて処分してください。
植え直しの手順
分けた株は、腐葉土をたっぷり混ぜた新しい場所か、新しい用土の鉢に浅く植えます。同じ場所に戻すときも、土に腐葉土を三〜四割混ぜ直してから植えると、その後の生育が違います。芽の先が土から一〜二センチ隠れる深さにし、たっぷり水をやります。
- 腐葉土を混ぜた土を用意
- 植える場所の土に腐葉土を三〜四割混ぜます。鉢は赤玉土小粒五、腐葉土四、軽石一の配合か、草花用培養土に腐葉土を足したものを使います。
- 芽の先を上にして浅く
- 芽の先端を上に向け、表面から一〜二センチ隠れる深さに植えます。深植えは芽が出ない原因になります。
- 株間は十〜十五センチ
- 分けた塊を十〜十五センチ間隔で並べます。群生させたい場所は、塊を寄せて植えても構いません。
- 水をやり腐葉土を敷く
- 植え終えたらたっぷり水をやり、株元に腐葉土を二〜三センチ敷いて冬の乾燥と霜柱を防ぎます。
株分け後の管理
秋に分けた株は、冬の間も根が動いています。乾かしすぎないよう、二週間以上雨がなければ暖かい日の午前中に水をやります。三月に芽が出たら通常の管理に戻し、花後に肥料を与えて太らせます。分けた年の春は花が少なめでも、二年目には元通り咲きます。
分けた年の春に葉が出れば成功です。花が咲かなくても、葉が大きく緑なら翌年に咲きます。芽が出ないときは掘って確かめ、太い芽があれば植え直して待ちます。
| 時期 | 管理 | 目安 |
|---|---|---|
| 株分け直後〜11月 | たっぷり水、腐葉土のマルチ | 根が新しい土に馴染むまで乾かさない |
| 12月〜2月 | 二週間以上雨がなければ午前中に水 | 土の表面が白く乾いたら |
| 3月 | 芽が出たら水を再開 | 尖った芽が土から見える |
| 5月〜6月 | 花後に追肥 | 太い芽なら花が咲く。細い芽は葉だけ |
株分けで失敗したときの原因
分けた株の芽が出ない、出ても小さい、といった失敗は、深植え、乾燥、細い芽だけを植えた、のどれかがほとんどです。翌春に掘って芽を確かめれば原因が分かり、その年の秋に直せます。
| 起きたこと | 原因 | 次からの直し方 |
|---|---|---|
| 春に芽が出ない | 深植え・冬に乾かした | 浅く植え直し、冬も乾かさない |
| 葉だけで花がない | 細い芽だけを植えた・分けすぎた | 太い芽を三〜五個ずつまとめる |
| 芽が腐った | 過湿・切り口が生 | 切り口を半日乾かしてから植え、水はけを良くする |
| 翌年も混み合ったまま | 分けた塊が大きすぎた | 次は三〜五芽ずつに分ける |
スズランは株分けを繰り返しても弱りません。三〜四年ごとに分けることが、長く咲かせる最も確かな方法です。
スズランの挿し芽・株分けに使うもの
挿し芽は、肥料分のない清潔な土に挿すのが基本です。培養土に挿すとうまくいかないのはそのためです。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒・鹿沼土)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用、または「挿し芽・種まき用」と書かれた土。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L、育苗箱 1 枚で 2L 前後。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 発根促進剤探す言葉「発根促進剤 挿し木」
- 規格の目安
- 粉末を切り口に付けるタイプか、液に浸すタイプ。
根の出にくい種類で成功率が変わります。出やすい草花なら無くても十分です。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。斜めに一度で切るのが基本です。
- 3 号ポット・育苗箱探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)のポットか、浅い育苗箱。
根が出るまでは小さい容器のほうが管理しやすく、乾き具合も見えます。
- 発根しやすい草花なら、発根促進剤は要りません。水に挿すだけで根が出るものもあります。
- 密閉できる容器があれば、挿し芽用の温室は要りません。
スズランの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はスズランの育て方にまとめています。
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