一年の流れを表で確かめる
スズランの一年は三月の芽出しから始まり、五月に咲き、夏は葉を守り、十一月に葉が枯れて休眠します。関東平野部の露地を基準にしています。寒冷地では開花が五月中旬から六月にずれ、夏の暑さ対策は軽くて済みます。
作業が集中するのは花後の五月から六月と、株分けをする十月から十一月です。夏は守りに徹し、冬は乾かしすぎないよう見守ります。
| 月 | 作業 | 株の姿の目安 |
|---|---|---|
| 3月 | 芽出し前に植え付け・植え替え、水やり開始 | 土から尖った芽が顔を出す |
| 4月 | 葉が広がる。表面が乾いたら水 | 二枚の葉が開き、中旬につぼみが見える |
| 5月 | 開花、花がら摘み、花後の追肥 | 下旬に花が終わる |
| 6月 | 株元にマルチ、鉢は日陰の準備、液体肥料は末まで | 葉が最も茂る |
| 7月〜8月 | 日陰で葉を守る、朝の水やり、肥料は止める | 葉が焼けなければ順調 |
| 9月 | 中旬から二回目の肥料、遮光を外す | 暑さが引いて葉が持ち直す |
| 10月 | 植え付け・株分けの適期、枯れた葉を取る | 葉が黄色くなり始める |
| 11月 | 株分けの仕上げ、枯れ葉の片付け、腐葉土を敷く | 地上部が枯れて休眠 |
| 12月〜2月 | 乾燥が続けば水やり、何もしない | 地下で芽が育っている |
三月から五月は芽出しと開花
三月に芽が出たら、水やりを再開します。四月に葉が開き、中旬につぼみが葉の間から見えます。開花中は水を切らさないようにし、花が茶色くなったら花茎を切って追肥(育ちの途中で足す肥料)を与えます。この時期は日が当たっても構いませんが、五月下旬の暑い日は葉が焼けることがあるので様子を見ます。
開花の目安は、つぼみが葉の間から伸びて白くふくらんだころです。ここから二〜三週間咲きます。花が咲いている間に日差しが強くなってきたら、鉢は午後だけ日陰になる場所へ動かします。
- 芽が見えたら水を再開
- 尖った芽が土から見えたら、表面が乾いたらたっぷり与える水やりに戻します。指で土を触って確かめてから与えます。
- つぼみが見えたら水を切らさない
- 四月中旬につぼみが見えたら、鉢は毎日か一日おきに朝の水やり。水切れは花を小さくします。
- 花が終わったら花茎を切り追肥
- 花が茶色くなったら根元近くで花茎を切り、緩効性肥料をひとつまみ株元から離して置きます。
六月から九月は葉を守る
夏は翌年の花を作る大切な時期であり、同時にスズランが最も弱る時期です。六月末までに日陰とマルチの準備を済ませ、七月から九月上旬は朝の水やりだけに徹します。葉が緑のまま九月を迎えられれば、翌年の花はほぼ約束されます。
夏の間に葉が全部枯れてしまっても、地下茎が生きていれば翌春に芽が出ます。秋に掘って芽を触り、固くふくらんでいれば大丈夫です。
| 時期 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 6月末まで | 株元に腐葉土のマルチ、鉢は日陰へ | 梅雨明け前に済ませる |
| 7月〜8月 | 朝の水やり、肥料なし | 葉が垂れていたら夕方にも水 |
| 8月 | 葉焼けした葉も切らない | 緑が残っていれば光合成している |
| 9月中旬 | 二回目の肥料、遮光を外す | 最高気温が三十度を下回ったころ |
十月から十一月は株分けと植え替え
葉が黄色くなって枯れ始める十月から十一月が、植え付け、植え替え、株分けの適期です。三〜四年経って混み合った株は、この時期に掘り上げて太い芽を選び、腐葉土を混ぜた新しい土に浅く植え直します。枯れた葉を片付け、株元に腐葉土を薄く敷いて冬を迎えます。
株分けをするかどうかは、その年の春の花数と葉の大きさを思い出して判断します。減っていたなら分け、まだ多いなら来年まで待って構いません。
- 葉が枯れたら取り除く
- 黄色くなって軽く引いて抜ける葉を取り除きます。まだ緑なら地下茎に養分を送っているので、抜けるまで待ちます。
- 混み合った株は株分け
- 植えて三〜四年で花が減った株を掘り上げ、太い芽を三〜五個ずつに分けて植え直します。増やし方のガイドを参照してください。
- 腐葉土を薄く敷く
- 株元に腐葉土を二〜三センチ敷き、冬の乾燥と霜柱から地下茎を守ります。春に芽が出るときの邪魔にはなりません。
作業が遅れたときは
スズランは丈夫な宿根草なので、時期を多少外しても立て直せます。ただし夏の暑さ対策の遅れだけは取り戻しにくいので、六月末の準備を最優先にしてください。それ以外は次の適期まで待つのが最も傷みの少ない方法です。
| 状態 | 立て直し | 見込み |
|---|---|---|
| 春の植え付けが四月にずれ込んだ | 根鉢を崩さず植え、水を切らさない | 花はその年は少ないが翌年は咲く |
| 花がら摘みを忘れて実が付いた | 見つけ次第花茎ごと切る | 養分の損失は少なく済む |
| 夏に葉が全部枯れた | 秋に掘って芽を確かめ、太ければ植え直す | 翌春に芽が出れば回復 |
| 秋の株分けを逃した | 三月の芽出し前に行う | 春の株分けでもほぼ同じ結果 |
スズランの栽培に一年を通して使うもの
咲かせるための買い物は、野菜とは比率が違います。窒素を効かせすぎると葉ばかり茂って花が減るので、そこを外さないものを挙げます。
- 草花用の培養土探す言葉「草花 培養土 元肥入り」
- 規格の目安
- 元肥入り、14〜25L の袋。水はけを重視した配合のもの。
- 数量の目安
- 直径 24cm(8 号)の鉢 1 個で約 8L、65cm プランター 1 個で 12〜15L。
野菜用の土は肥料分が多く、草花では葉ばかり伸びることがあります。袋の表示で用途を確かめます。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 草花 置き肥」
- 規格の目安
- 粒状で 2〜3 か月効くタイプ。リン酸の比率が高い「花用」と書かれたもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個に 10〜15g(大さじ 1 強)を 2〜3 か月ごと。
置いておくだけで少しずつ溶けるので、水やりのたびに考えなくて済みます。夏の高温期は効きが強く出るので量を控えます。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。リン酸(P)の数字が高いものが花向きです。
つぼみが上がる時期だけ、週 1 回のペースで足します。効きが早いぶん、切れるのも早いのが液肥です。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
咲き終わった花を残すと種を作りに養分が回り、次の花が減ります。摘み続けられるかどうかで花期の長さが変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 「花用」「野菜用」で土を分けるのは、両方を育てるようになってからで十分です。
スズランの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はスズランの育て方にまとめています。
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