症状から原因を見分ける
スズランは有毒なため虫や動物にほとんど食べられず、病気も多くありません。不調の多くは環境によるもので、葉の状態を見れば原因の見当が付きます。表で当たりを付けてから手当てに進んでください。
薬を使う場面はほとんどなく、置き場所、水、株間の見直しが手当ての中心です。葉を数枚手に取って裏表を確かめ、虫がいないか、斑点の形はどうかを見てから判断します。
| 症状 | 原因の見当 | 対処 |
|---|---|---|
| 葉の縁や先が茶色く焼ける | 直射日光・高温・水切れ | 日陰に移し、朝の水やりとマルチ |
| 葉が黄色く柔らかく、株元から倒れる | 過湿・地下茎の腐り | 水を減らし、鉢は水はけの良い用土へ |
| 葉に褐色の斑点が広がる | 斑点病 | 病葉を取り、風通しを良くする。花用の殺菌剤 |
| 葉に灰色のカビ、花が腐る | 灰色かび病 | 花がらを早めに取り、雨に当てない |
| 葉がかじられている | ナメクジ | 夜に見回って捕まえる。株元を乾かし気味に |
| 春に芽が出ない | 冬の乾燥・深植え・腐り | 掘って芽を確かめ、太ければ浅く植え直す |
葉焼けは夏の置き場所で防ぐ
関東平野部の夏の直射に当たると、葉の縁から茶色く焼けて枯れ上がります。病気ではないので薬は効きません。焼けた葉は光合成ができず、翌年の花が減ります。落葉樹の下、建物の北側、遮光ネットの下など、夏の午後に日が当たらない場所で育てることが唯一の対策です。
- 焼け始めたらすぐ日陰へ
- 葉の縁が少しでも茶色くなったら、鉢は日陰に移し、庭は遮光ネットを張ります。数日放置すると葉全体が枯れます。
- 焼けた葉は切らない
- 緑の部分が残っていれば光合成を続けています。見た目が悪くても秋まで残し、翌年の花のために働かせます。
- 地温を下げる
- 株元に腐葉土を三センチ敷き、鉢はコンクリートから離してすのこに乗せます。鉢を二重にするのも効きます。
- 来年の場所を決め直す
- 毎年焼けるなら場所が合っていません。秋に掘り上げて、より涼しい場所か鉢植えに切り替えます。
地下茎の腐りは過湿から
葉が黄色く柔らかくなり、株元を押すとぐらつくときは地下茎が腐っています。原因は水はけの悪い土、受け皿の水、毎日の水やりです。腐った部分は戻らないので、健康な芽を残して植え直します。
腐りは梅雨と真夏に進みます。この時期に葉が黄色くなり始めたら、まず水やりの回数と受け皿の水を見直してください。薬より先に水を減らすことが手当てです。
- 株元を触って確かめる
- 葉の付け根を軽く押し、ぐらつくなら地下茎が腐っています。固く据わっていれば別の原因を疑います。
- 掘り上げて腐りを取る
- 黒く柔らかい地下茎を切り取り、白く固い部分と芽だけを残します。切り口を半日乾かしてから植え直します。
- 水はけを直す
- 鉢は軽石を二割混ぜた新しい用土に替え、庭は川砂や軽石を混ぜて高めに植えます。受け皿の水は毎回捨てます。
- 水やりの間隔を空ける
- 植え直した後は、表面が乾いてから与えます。新芽が動くまでは控えめにし、土を触って湿っていれば待ちます。
有毒植物としての注意
スズランは花、葉、茎、地下茎、実のすべてに強い毒があり、少量でも吐き気、めまい、心臓への影響を起こします。花を挿した花瓶の水にも毒が溶け出します。若い葉はギョウジャニンニクと間違えられ、毎年誤食事故が報告されています。食用の山菜のそばには絶対に植えず、家族にも有毒であることを伝えてください。
ギョウジャニンニクはちぎるとニンニクのにおいがしますが、スズランはにおいがありません。ただし迷ったら食べないのが原則で、見分けに自信がなければ庭に山菜を植えないことが安全です。
| 場面 | 注意 | 対処 |
|---|---|---|
| 剪定・花がら摘み・株分け | 汁が肌に付くと炎症を起こすことがある | 手袋を着け、作業後に手を洗う |
| 切り花として飾る | 花瓶の水にも毒が溶け出す | 子どもやペットの届かない場所に飾り、水は流しに捨てる |
| 秋の赤い実 | 目立つので子どもが口にしやすい | 花後に花茎を切って実を付けさせない |
| 山菜との混植 | 若葉がギョウジャニンニクに似る | 食用の作物と離して植え、目印を立てる |
| 誤って口にした | 少量でも症状が出る | 量にかかわらずすぐ医療機関に相談 |
病気でない不調の直し方
病気や虫でなくても、環境や管理が原因で花が減る、葉が小さくなるといった症状が出ます。薬では直らないので、原因を切り分けて置き場所や管理を変えます。多くは翌年に回復します。
| 症状 | 原因 | 直し方 |
|---|---|---|
| 年々花が減る | 密植・夏の弱り・実を付けさせた | 秋に株分けし、花がらを摘む |
| 葉が大きく花茎が葉に隠れる | 日陰すぎ・窒素過多 | 春に日が当たる場所へ、肥料を減らす |
| 霜柱で地下茎が浮く | 浅植え・マルチなし | 土を押さえ、腐葉土を敷く |
| 株が一方向にだけ広がる | 地下茎の性質 | 秋に掘り上げて中央に植え直す |
スズランが一夏で急に消えることはまれです。翌春に芽が出なければ掘って確かめ、太い芽があれば植え直して待ってください。
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