方法を選ぶ
アジアンタムはシダの仲間で、茎を切って挿しても根は出ません。増やすなら根茎を分ける株分けか、葉裏の胞子をまく方法の二つです。株分けは確実で早く、胞子まきは時間がかかりますが数が取れます。
| 目的 | 方法 | 時期と日数 |
|---|---|---|
| 確実に一〜三株増やす | 株分け | 5〜6月。一か月で根付く |
| たくさんの小苗を取る | 胞子まき | 5〜7月。芽が出るまで一〜三か月 |
| 大きくなりすぎた株を小さくする | 株分けを兼ねた植え替え | 5〜6月。植え替えと同時に |
株分けの適期と株の選び方
株分けは気温が二十度を超えて安定する五月から六月が最も成功しやすい時期です。根が傷ついても夏の間に回復します。分ける株は鉢いっぱいに広がり、芽の数が多いものを選びます。芽が三つに満たない小さな株を分けると、どちらも弱って回復に時間がかかります。
親株が根詰まりしていると根鉢がほぐれにくく、無理に裂いて根を痛めがちです。その場合は水を張ったバケツで根鉢を揺すり、土を落としてから分けると根の切れる量が減ります。
- 芽の数を数える
- 株元をのぞき、葉の出ている芽の数を数えます。分けたそれぞれに芽が三つ以上残る大きさで分けます。
- 前日に水をやる
- 根鉢が湿っていると根が切れにくく、乾く心配も減ります。前日にたっぷり与えておきます。
株分けの手順
根茎は横に這うように伸び、そこから細い根と葉が出ています。根鉢をほぐして根茎の切れ目を探し、手で裂くか清潔なハサミで切り分けます。根は乾くとすぐ傷むので、鉢と土をそろえてから始めて手早く済ませます。
- 鉢から抜いて土を落とす
- 株を抜き、根鉢の周りの土を指でほぐします。根が絡んでいるところは無理に引かず、水で洗い流すとほぐれます。
- 根茎の切れ目で分ける
- 芽のかたまりごとに根茎の細くなった部分を探し、そこで手で裂きます。固いときはハサミで根茎を切ります。
- それぞれを植える
- 分けた株の根の大きさに合った小さめの鉢に、保水性のある土で植えます。株元が埋まらないよう元の深さにします。
- 葉を半分に減らす
- 根が減った分、葉からの蒸散を減らすため、古い葉や大きな葉を半分ほど切り落とします。
- たっぷり水をやる
- 植えたらすぐに鉢底から流れるまで与え、葉水もかけます。二週間は風のない明るい日陰で休ませます。
分けた直後に葉が縮れても、根茎が生きていれば一か月で新芽が出ます。あわてて水を増やさず、湿らせたまま待ちます。
胞子まきの手順
葉裏の縁が折れ返った部分に茶色の胞子が付きます。これを紙の上に落として集め、湿らせた清潔な土にまくと、まず苔のような緑の膜が広がり、そこから数か月かけて小さな葉が出ます。半年から一年の根気がいりますが、一度にたくさんの苗が取れます。
- 胞子を集める
- 葉裏の茶色が濃くなった葉を切り、白い紙に挟んで数日置きます。紙に落ちた茶色の粉が胞子です。
- 清潔な土にまく
- 熱湯をかけて冷ましたピートモスや種まき用の土を容器に入れ、胞子を薄くまきます。土はかぶせません。
- 密閉して明るい日陰に
- ラップやふたで密閉し、直射の当たらない明るい場所に置きます。二十〜二十五度を保つと一〜二か月で緑の膜が出ます。
- 小さな葉が出たら植え替え
- 膜から葉が二〜三センチに伸びたら、数株ずつまとめて小鉢に移します。密閉を少しずつ外して外気に慣らします。
胞子をまく容器は数か月ふたをしたままになります。カビが出ないよう、土と容器は必ず熱湯で消毒し、まいたあとは触らないようにします。
増やした株の育て方
分けたばかりの株も胞子から育てた苗も、根が少なく乾燥に極めて弱い状態です。最初の一〜二か月は湿度を高く保つことに専念し、肥料は新しい葉が二〜三枚出てから薄く始めます。
| 時期 | 置き場所 | 水と肥料 |
|---|---|---|
| 分けた直後〜二週間 | 風のない明るい日陰、袋で覆う | 土を湿らせたまま。肥料なし |
| 三週間〜一か月 | 袋を外し、元の場所へ | 表面が乾き始めたら水。肥料なし |
| 新葉が二〜三枚出たら | 通常の置き場所 | 薄い液体肥料を二週に一回 |
失敗の原因と立て直し
株分けで枯れる原因は、根が乾いた、小さく分けすぎた、時期が悪かったの三つがほとんどです。胞子まきでは雑菌やカビで緑の膜が消えるのがよくある失敗です。原因を知っておくと次回はほぼ防げます。
- 分けた株の葉が全部縮れた
- 根が乾いたのが原因です。葉を全部切り、袋で覆って湿らせたまま待ちます。根茎が固ければ一か月で芽が出ます。
- 小さく分けすぎて動かない
- 芽が一つか二つの株は回復が遅いです。枯れなければ夏の間に育つので、水を切らさず秋まで見守ります。
- 胞子の容器にカビが出た
- 土の消毒が足りなかった印です。カビの部分を取り除き、次回は熱湯消毒した土と清潔な容器を使います。
- 秋に分けて冬に弱った
- 根が回らないまま冬に入ったためです。暖かい場所で水を控えめに保ち、翌春に新芽を待ちます。
アジアンタムの挿し木・株分けに使うもの
鉢ものは剪定した枝がそのまま材料になります。水に挿すだけで根が出る種類も多く、道具はほとんど要りません。
- 挿し木用土(鹿沼土・赤玉土小粒)探す言葉「挿し木 用土 鹿沼土 小粒」
- 規格の目安
- 鹿沼土か赤玉土の小粒、単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土であることが条件です。
- 水挿し用の容器探す言葉「ガラス 花瓶 小さい 水耕」
- 規格の目安
- 口の細いガラス容器。中が見えるもの。
根の出方を目で確かめられます。水は 2〜3 日に一度替え、切り口が濁ったら洗います。
- よく切れるはさみ・カッター探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、失敗しても被害が小さくて済みます。
- 水挿しで根が出る種類なら、用土も発根促進剤も要りません。
- 多肉植物は切り口を数日乾かしてから挿します。水に挿すと腐ります。
アジアンタムの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアジアンタムの育て方にまとめています。
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