一年の作業を月別に見る
アジアンタムは五月から九月によく育ち、十月以降は生育がゆっくりになります。下の表は関東平野部の室内を前提にした目安です。日付よりも、新しい葉が出ているかどうかと室温を見て作業を決めます。
| 月 | 作業 | 目安 |
|---|---|---|
| 1月〜2月 | 水やりを控えめに、葉水は日中だけ | 室温が五度を下回らないように |
| 3月 | 窓辺の光に慣らす。傷んだ葉を切る | 新芽が見え始めたら肥料の準備 |
| 4月 | 薄い液体肥料を開始 | 最低気温十度以上が続いたら |
| 5月〜6月 | 植え替え・株分け | 気温二十度を超えて安定したころ |
| 7月〜8月 | 水切れに注意、直射を避ける | 朝夕の葉水を毎日 |
| 9月 | 植え替えの最終期限。肥料を薄める | 気温が下がり始めたら |
| 10月 | 屋外の株を室内へ。肥料を止める | 最低気温が十五度を切る前 |
| 11月〜12月 | 水やりの間隔を空け、暖かい場所へ | 夜の窓辺の冷気を避ける |
春(三〜五月)にやること
春は冬に傷んだ葉を整理し、生育を再開させる時期です。三月に古い葉や縮れた葉を株元から切ると、新芽に光が届いて勢いが出ます。肥料は最低気温が十度を超えて新芽が動いてから始め、いきなり濃く与えないようにします。
三月はまだ夜が冷えるため、水やりは冬の間隔のままにします。四月に入り新芽が次々と伸び始めたころが、春の管理に切り替える合図です。急に水と肥料を増やすと、まだ弱い根が追いつきません。
- 傷んだ葉を切る
- 三月に茶色くなった葉を株元から切ります。株全体が傷んでいるなら全部切っても、四月には新しい葉が出ます。
- 肥料を薄く始める
- 四月から二週間に一回、規定の倍に薄めた液体肥料を与えます。緩効性の粒状肥料なら株元に少量置きます。
- 植え替えの準備
- 五月に入り気温が安定したら植え替えます。根詰まりしている株、二年以上植え替えていない株から順に行います。
夏(六〜八月)の管理
夏はよく育つ一方、水切れと葉焼けが最も起きやすい時期です。一日でも水を切らすと葉が縮れます。旅行などで留守にするときは、鉢を浴室や北側の部屋に移して腰水にするか、透明の袋で包んで湿度を保ちます。
- 水やりは毎朝確かめる
- 夏は一〜二日で乾くので毎朝土を触ります。夕方にしおれ気味なら葉水をたっぷりかけ、翌朝に水を与えます。
- 西日と冷房の風を避ける
- 午後の直射が入る窓辺から離し、冷房の風の通り道から外します。この二つだけで夏の失敗はほぼ防げます。
- 留守中は腰水と袋
- 三日以上家を空けるなら、受け皿に水を張って鉢底を浸け、透明の袋でゆるく覆って日陰に置きます。
秋(九〜十一月)に冬支度をする
秋は生育が落ち着き、冬に備える時期です。屋外に出していた株は最低気温が十五度を切る前に室内へ戻します。肥料は十月で止め、水やりの間隔を徐々に空けて、冬に向けて株を慣らします。
- 室内へ戻す前に虫を見る
- 葉裏にハダニやカイガラムシがいないか確かめます。見つけたらシャワーで洗い流してから室内に入れます。
- 肥料を止める
- 十月以降の肥料は根を傷めるだけなので止めます。株元に粒状肥料が残っていれば取り除き、水やりの回数も少しずつ減らしていきます。
- 置き場所を冬向きに
- 十一月には日当たりのよい窓辺へ移します。ただし夜の冷気を避けるため、窓から少し離すか夕方に動かします。
冬(十二〜二月)の越冬
冬は低温と暖房による乾燥の二つが敵です。最低でも五度、できれば八度以上を保ちます。暖房の効いた部屋は温度は十分でも空気が乾くため、加湿器や寄せ置きで湿度を補います。葉が多少傷んでも株元が生きていれば春に戻ります。
冬の間は新しい葉がほとんど出ませんが、それは休んでいるだけで異常ではありません。葉が少し黄ばむ程度なら様子を見て、春の新芽を待ちます。この時期に植え替えや株分けをしないことが、春の立ち上がりを早くします。
| 場面 | 起きやすいこと | 対応 |
|---|---|---|
| 暖房の効いたリビング | 乾燥で葉先が縮れる | 加湿器の近くに置き、葉水を日中に |
| 暖房のない部屋 | 五度を下回り葉が黒ずむ | 発泡スチロール箱や段ボールで夜だけ囲う |
| 窓辺 | 夜間の冷気で葉が傷む | 夕方に窓から離す |
| 浴室 | 湿度は十分だが暗い | 昼間だけ明るい場所へ出す |
作業が遅れたときの立て直し
暦どおりに動けない年もあります。遅れを取り戻そうと無理に作業するより、株の姿を見て次の一手を決めるほうが傷みが少なくて済みます。
- 植え替えが九月を過ぎた
- 根鉢をくずさず一回り大きい鉢に移すだけにします。土を落とす植え替えは翌年五月に回します。
- 取り込みが遅れて冷えた
- 葉が黒ずんだ株は暖かい部屋へ移し、傷んだ葉を切って水を控えめに保ちます。株元が生きていれば春に芽が出ます。
- 冬に葉が全部枯れた
- 乾燥か低温で葉が枯れても、株元を触って固ければ生きています。葉を全部切って湿らせたまま、四月まで待ちます。
冬に葉が傷んだからと肥料を与えるのが一番多い失敗です。動かない時期の肥料は根を傷めるので、再開は四月まで待ちます。
アジアンタムの栽培に一年を通して使うもの
鉢ものは、季節ごとに買い足すものがほとんどありません。年に一度の植え替えと、日々の水やりの判断を支えるものだけです。
数量は直径 24cm(8 号)の鉢 1 個を単位にしています。号数は直径 cm を 3 で割った数です。
- 観葉植物用の培養土探す言葉「観葉植物 培養土 水はけ」
- 規格の目安
- 水はけ重視の配合。多肉植物・サボテンならさらに粒の粗い専用土。5〜14L の袋。
- 数量の目安
- 8 号鉢 1 個で約 8L、6 号鉢で約 3L。
室内では土が乾きにくく、水もちのよい土だと根が傷みます。用途の書かれた土を選ぶだけで失敗が減ります。
- 土壌水分計探す言葉「土壌水分計 観葉植物」
- 規格の目安
- 土に挿して読む針式。乾き・適・湿の 3 段階が読めれば十分です。
鉢ものを枯らす原因の筆頭は水のやりすぎです。表面が乾いていても中は湿っていることが多く、測るのがいちばん確実です。
- 緩効性肥料(置き肥)探す言葉「緩効性肥料 観葉植物 置き肥」
- 規格の目安
- 2〜3 か月効く粒状。土の上に置くだけのもの。
- 数量の目安
- 8 号鉢に 10〜15g を、生育期(春から秋)に 2〜3 か月ごと。
冬は生育が止まるので与えません。休眠中に肥料を置くと、吸われずに土に残って根を傷めます。
- サーキュレーター探す言葉「サーキュレーター 静音 小型」
- 規格の目安
- 小型で首振りのあるもの。植物に直接強い風を当てない置き方ができるもの。
室内は風がありません。空気が動かないと土が乾かず、ハダニやカイガラムシも増えます。弱い風を回すだけで変わります。
- 活力剤は肥料の代わりになりません。肥料を与えているなら急ぎません。
- 冬の間は、肥料も植え替えも要りません。水やりの回数を減らすだけです。
アジアンタムの上手に育てるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はアジアンタムの育て方にまとめています。
iPhone 対応(Android 版は準備中)。無料で使えます。
この記事は広告を含みます。