種、こぼれ種、挿し芽のどれで増やすか
マロウは種でよく増え、放っておいてもこぼれ種で翌年の苗が出ます。株分けは太い直根を切ることになり、うまくいきません。花の色や形が気に入った株を確実に残したいときだけ挿し芽を使います。目的に合わせて選んでください。
| 目的 | 向く方法 | 時期 |
|---|---|---|
| 数を増やしたい | 種の採取とまき直し | 採種7〜9月、まき9月下旬〜10月 |
| 手間をかけず続けたい | こぼれ種の苗を移植 | 10月と3月 |
| 同じ花色の株を残したい | 挿し芽 | 5〜6月、または9月 |
| 古株を若返らせたい | 種で世代交代 | 三年目の秋 |
種の採り方と保存
花が終わると、がくの中に車輪のような形の実ができます。緑色のうちは未熟で、茶色く乾いてがくが開きかけたころが採りごろです。晴れた日の午前中に、がくごと摘み取って紙袋に入れます。放っておくと実がばらけて地面に落ち、翌年あちこちから芽が出ます。
採った実は紙袋のまま風通しのよい日陰で一週間乾かし、指でもんで種をほぐします。種は一つの実に十粒ほど入っています。封筒に入れて日付を書き、冷蔵庫の野菜室で保存すれば翌年の秋まで発芽率を保てます。
種で増やすと花色にばらつきが出て、濃い紫の中に薄い色の株が混じることがあります。気に入った色を確実に残したいなら挿し芽、数を増やしたいなら種と使い分けます。こぼれ種の苗は親の近くに密集して出るので、本葉二枚のうちに間隔をあけて移すと大株になります。
- がくが茶色に乾いたら採る
- 実を指で押して固く、がくが乾いてめくれてきたら収穫です。緑色のうちに採ると発芽しません。
- 紙袋で一週間乾かす
- がくごと紙袋に入れ、口を軽く閉じて日陰に吊るします。ビニール袋は湿気がこもりカビが出ます。
- 冷蔵庫の野菜室へ
- ほぐした種を封筒に入れ、密閉容器に乾燥剤と一緒に入れて野菜室で保存します。二年目までは十分使えます。
こぼれ種の苗を見分けて生かす
秋になると親株の周りに、丸くて縁にぎざぎざのある小さな葉の苗がたくさん出ます。これがマロウのこぼれ種の苗です。似た形の雑草とは、葉の表面に細かい毛があり、触るとややざらつく点で見分けられます。密生した苗をそのまま放置すると、翌年に細い株ばかりが競り合って病気が出ます。
- 十月に本葉四枚で掘り上げる
- 移植ごてで根を深めにすくい、直根を切らないように掘り上げます。根が十センチ以上伸びた大きな苗は移植に向きません。
- 五十センチ間隔に植え直す
- 育てる場所に五十センチ間隔で植え、たっぷり水を与えます。余った苗は間引いて処分するか、鉢上げして人に譲ります。
- 春に出た苗も使える
- 三月から四月に出た苗も同じように移植できます。ただし秋の苗より開花が遅れ、その年は葉が中心になります。
苗の周りの土を軽く落として根を確かめ、直根が真っすぐ伸びていれば移植後もよく育ちます。曲がった根の苗は避けます。
挿し芽で気に入った株を残す
マロウは種で増やすと花色や草姿が少しずつばらつきます。濃い紫の花や小ぶりでよく咲く株など、気に入った性質を確実に残したいときは挿し芽が確実です。五月から六月の花が咲く前の若い茎か、九月の切り戻し後に伸びた新しい芽を使います。
挿し穂は花の付いていない若い枝を選びます。つぼみの付いた枝は根が出る前に咲こうとして力を使い切るため、活着しません。切り口を一時間ほど水に浸けてから挿すと、しおれずに根が出やすくなります。
- 先端の柔らかい茎を十センチ
- 花芽の付いていない若い茎を先端から十センチ切り、下半分の葉を取ります。上の葉が大きければ半分に切って蒸散を減らします。
- 一時間水に浸けてから挿す
- 切り口を水に一時間浸けて水を吸わせ、湿らせた種まき用土に三センチほど挿します。発根剤は使わなくても構いません。
- 日陰で三週間、乾かさない
- 明るい日陰に置き、土が乾かないように霧吹きで湿らせます。三週間ほどで新しい葉が動き出したら発根の合図です。
- 根が回ったら鉢上げ
- ポットの底から根が見えたら三号鉢へ移し、日向に慣らします。秋挿しの株は冬を鉢で越させ、春に定植します。
増えすぎたときと、うまく増えないときの対処
マロウはこぼれ種で増えすぎることのほうが多く、庭の隅々に苗が出て困る人も少なくありません。逆に、種をまいても芽が出ない、挿し芽が腐るという失敗もあります。どちらも原因はいくつかに絞れるので、当てはまるものから直します。
| 場面 | 原因 | 対処 |
|---|---|---|
| 庭中に苗が出る | 花後の実を放置した | 花が終わったら実を早めに摘む。苗は春に間引く |
| 採った種が発芽しない | 未熟なうちに採った、または古い | がくが乾くまで待つ。二年以内に使う |
| 挿し芽が根元から腐る | 土が湿りすぎ、風通し不足 | 水を減らし、清潔な新しい用土に挿し直す |
| 挿し芽がしおれたまま | 葉が多く蒸散に負けた | 葉を半分に切り、透明な袋をかぶせて湿度を保つ |
マロウの挿し芽・株分けに使うもの
ハーブは挿し芽で増やしやすいものが多く、水に挿すだけで根が出る種類もあります。
- 挿し芽用土(赤玉土小粒)探す言葉「挿し芽 用土 赤玉土 小粒」
- 規格の目安
- 赤玉土の小粒か鹿沼土の単用。肥料分のないもの。
- 数量の目安
- 3 号ポット 1 個で 0.2L。
肥料分があると、根が出る前に切り口が傷みます。清潔で肥料のない土が条件です。
- よく切れるはさみ探す言葉「園芸ばさみ 切れ味 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm。使う前にアルコールで拭きます。
切り口が潰れると水を吸えません。節の少し下を斜めに一度で切ります。
- 3 号ポット探す言葉「ポリポット 3号 育苗」
- 規格の目安
- 直径 9cm(3 号)。
根が出るまでは小さい容器のほうが乾き具合を見やすく、管理も楽です。
- ミントやバジルのように水挿しで根が出るものは、用土も促進剤も要りません。
- 発根促進剤は、根の出にくい木質のハーブ以外では急ぎません。
マロウの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はマロウの育て方にまとめています。
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