摘心は本葉六枚のころ一回
摘心(茎の先を摘んで枝分かれさせること)は、苗の本葉が六枚から八枚になったころ、一番上の芽を指でつまんで取ります。これで下の葉の付け根から二本から四本の枝が出て、株が横に広がります。摘心しない株は一本の茎が伸びて上に一輪だけ咲き、見栄えが貧弱になります。
- 本葉六枚を数える
- 双葉は数えず、本葉が六枚以上あることを確かめます。早すぎると株が小さいまま止まり、遅すぎると枝分かれの位置が高くなって倒れやすくなります。
- 先端の芽を指で摘む
- 一番上の若い葉のかたまりを指先で摘み取ります。はさみでもよいですが、指で摘むほうが傷が小さく回復が早いです。
- 摘んだあとは水と日を
- 摘心後の一週間は日によく当て、土が乾いたら水をやります。この期間に脇の芽が動くので、日陰に置くと芽が伸びません。
フレンチ種は摘心なしでもよく枝分かれしますが、アフリカン種は摘心しないと一本立ちになりやすいので必ず行います。
品種で摘心の要否が変わる
マリーゴールドには小輪で枝分かれの多いフレンチ種と、大輪で背が高いアフリカン種、その中間の種があります。株の性質が違うので、摘心の回数と位置を変えます。買った苗の品種名が分からないときは、葉の細かさと花の大きさで見分けます。
| 系統 | 摘心 | 理由 |
|---|---|---|
| フレンチ種(小輪・草丈二十〜三十センチ) | 一回か省略 | もともと枝分かれしやすい |
| アフリカン種(大輪・草丈六十センチ以上) | 一回必ず | 一本立ちになりやすく倒れる |
| 中間種(中輪・草丈四十センチ前後) | 一回 | 枝数を増やして花数をそろえる |
摘心した苗の育て方
摘心すると開花が一週間から十日遅れます。その分株が充実するので、花壇の見頃を考えて時期を決めてください。摘心後に出た枝が五センチほど伸びたら、通常の管理に戻します。枝が出ないなら光不足か水不足で、置き場所を見直します。
- 脇芽の数を確かめる
- 摘心から一週間で、上から二段目までの葉の付け根に小さな芽がふくらみます。三本以上出ていれば成功です。
- 弱い枝は整理する
- 五本以上出た場合、細くて内側に向く枝を一、二本取ると、残った枝が太くなり花が大きくなります。
- 背の高い品種は支柱
- アフリカン種は摘心しても六十センチを超えます。枝が広がったころに株の中心に短い支柱を立て、ひもで軽く囲います。
夏の切り戻しで秋の花を作る
梅雨明け後に株が伸びすぎて下葉が枯れ上がり、花が小さくなったら切り戻しの時期です。全体を三分の一から半分まで切り詰め、株の形を整えます。関東の平地なら七月下旬から八月上旬が目安で、九月中旬には再び満開になります。
- 葉のある位置で切る
- 枝の途中でも葉が残っていれば芽が出ます。葉のない木質化した部分まで切ると芽が出ないので、必ず緑の葉を残します。
- 全体を同じ高さにそろえる
- こんもりした形に仕上げるため、株の外側をやや低く中心をやや高く切ります。一部だけ切ると形が崩れます。
- 切り口は雨に当てない
- 梅雨の最中に切ると切り口から腐ります。晴れが二、三日続く予報のときに行い、切った直後は肥料をやりません。
枝が出ないときの原因と立て直し
摘心や切り戻しをしても芽が動かない場合、原因は切る位置と株の体力にあります。葉のない位置で切った、株が弱っている、日照が足りない、のどれかを確かめます。株がまだ緑色で茎に張りがあるなら、時間をかければ立ち直ります。
| 状態 | 原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 切り口の下に葉がない | 切りすぎ | 枯れなければ下の方から芽が出るのを待つ |
| 切り口が黒く変色 | 雨で腐れが入った | 黒い部分の下で切り直し、風通しを良くする |
| 芽は出たが細く伸びる | 日照不足 | 日向に移し、薄い液肥を一回 |
| 株全体が黄色い | 根が傷んでいる | 水を控えて乾かし、回復しなければ苗を更新 |
秋に咲かせ続けるための最後の手入れ
九月に入って気温が下がると、マリーゴールドは春以上によく咲きます。この時期は切り戻しをせず、花がら摘みと薄い追肥だけで十一月まで楽しめます。霜が降りると一晩で黒くなるので、初霜の予報が出たら鉢を軒下に取り込むか、花壇なら片づけの時期と考えます。
秋の花は春より色が濃く、株もこんもり整うので、写真を撮るならこの時期です。花が終わったあとの株は緑肥として土にすき込めるので、片づけまで無駄になりません。
- 九月上旬に追肥を再開
- 切り戻し後の新芽が伸びたころに、薄い液肥を二週間に一回に戻します。粒状なら一回で十一月まで持ちます。
- 倒れた枝は起こして支える
- 秋の台風で枝が倒れたら、無理に立てず支柱に軽く結んで支え、折れた枝だけ切ります。倒れたままでも花は咲くので、根を傷めないことを優先します。
- 初霜前に種を採る
- 残したい品種は十月までに花がらを一部残して種を採ります。霜に当たった株の種は発芽率が落ちます。
マリーゴールドの剪定・切り戻しに使うもの
切り戻しは株を若返らせる作業です。切る位置と、切り口を乾かすことに関わるものだけで足ります。
- 剪定ばさみ探す言葉「剪定ばさみ 園芸 ステンレス」
- 規格の目安
- 刃渡り 5cm 前後。バイパス式(刃が交差するもの)は切り口がきれいです。
アンビル式(刃が台に当たるもの)は茎を潰します。生きた枝を切るならバイパス式を選びます。
- 消毒用アルコール探す言葉「消毒用アルコール スプレー」
- 規格の目安
- 濃度 70〜80%。スプレー式。
株を変えるたびに刃を拭きます。病気の株から健全な株へ、はさみが運んでしまうのを防げます。
- 園芸用手袋探す言葉「園芸手袋 背抜き」
- 規格の目安
- 手のひらにゴムを張った背抜きタイプ。細かい作業ができる薄手のもの。
茎の汁でかぶれる植物があります。厚い革手袋だと、切る位置を指で確かめられません。
- 柔らかい茎の草花は、指で摘めばはさみは要りません。
- 癒合剤は木の太い枝を切るときのもので、草花には要りません。
マリーゴールドの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はマリーゴールドの育て方にまとめています。
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