苗と種のどちらから始めるか
マジョラムはオレガノの近縁で、より甘く穏やかな香りを持つハーブです。種は一ミリに満たないほど細かく、発芽まで二週間前後かかるうえ温度も20度前後が必要なので、初めてなら4〜5月に出回るポット苗から始めるのが確実です。下の表で自分の状況に合う始め方を選びます。
| 状況 | 向く始め方 | 時期の目安 |
|---|---|---|
| 初めて育てる、株が一〜二つあれば足りる | ポット苗を買う | 4月中旬〜5月、9月下旬〜10月 |
| たくさん育てたい、費用を抑えたい | 種をまく | 4月中旬〜5月中旬(室内なら3月から) |
| 去年の株がある | 挿し芽か株分けで更新する | 5〜6月、9〜10月 |
| オレガノと区別がつかない | 葉を触って香りを確かめて買う | 苗売り場で |
スイートマジョラムは寒さに弱く、関東の露地では冬に枯れることがあります。宿根性で強いのはオレガノなので、名札で確かめて買います。
よい苗の見分け方
苗売り場ではオレガノやポットマジョラムと並んで置かれることが多く、葉の形も似ています。スイートマジョラムは葉が小さく丸みがあり、灰緑色でうぶ毛があります。葉をそっとこすると甘くやわらかい香りがし、オレガノのような刺すような強さはありません。
- 葉の色と香りを確かめる
- 灰緑色で葉に張りがあり、こすると甘い香りのするものを選びます。葉が濃い緑で大きく香りが強いものはオレガノの可能性があります。
- 株元と節間を見る
- 株元から枝分かれが多く、節と節の間が詰まってこんもりしたものが良い苗です。ひょろりと伸びて下葉が落ちた苗は日照不足で育っています。
- 鉢底を見る
- 鉢底の穴から白い根が少しのぞく程度が植えごろです。根が茶色く回りきっているものは根詰まりしていて、植えても伸び出すまで時間がかかります。
土は水はけを最優先にする
地中海沿岸の乾いた岩場に育つハーブなので、日本の梅雨と多湿が最大の敵です。土は市販のハーブ用培養土か、草花用培養土にパーライトか軽石の小粒を二〜三割混ぜて、水が素早く抜けるようにします。酸性の土を嫌うので、庭土なら植え付けの二週間前に苦土石灰を一握り混ぜておきます。
地植えの場合は日当たりのよい場所を選び、周りより10センチほど高く土を盛って植えると、梅雨の長雨でも根元に水がたまりません。
- 鉢植えの土を作る
- 草花用培養土7に対してパーライトか軽石小粒を3混ぜます。鉢底には鉢底石を2〜3センチ敷き、5〜6号の素焼き鉢が一株の目安です。
- 地植えは高畝にする
- 植える場所を幅30センチ、高さ10センチほど盛り上げ、腐葉土と苦土石灰を混ぜて二週間なじませます。水がたまる低い場所は避けます。
植え付けの手順
- 根鉢を軽くほぐす
- ポットから抜き、底の根が回っていれば軽くほぐします。根が白く張っているだけなら崩さずそのまま植えます。
- 浅めに植える
- 根鉢の上面が土の表面と同じか、ほんの少し高くなるように植えます。株元に土をかぶせると茎が蒸れて枯れ込みます。
- 株間は25〜30センチ
- こんもりと横に広がるので、地植えは25〜30センチ空けます。60センチのプランターなら2株までにします。
- 植えたら一度だけたっぷり
- 植え付け直後は鉢底から流れるまで与え、その後は表面が乾くまで待ちます。一週間は明るい日陰で落ち着かせてから日なたへ移します。
植え付け後に元気がないときの原因
| 症状 | 考えられる原因 | 立て直し |
|---|---|---|
| 葉が黄色くなって下から落ちる | 水のやりすぎ、土の水はけ不足 | 水を止め、鉢なら土を替えて植え直す |
| 昼にしおれ、夕方に戻る | 植え付け直後の根の未活着 | 数日は明るい日陰に置き、朝に水を与える |
| 株元が黒く細くなる | 深植えで蒸れた | 株元の土を取り除き、風通しのよい場所へ |
| 葉が細く色が薄い | 日照不足 | 一日五時間以上日が当たる場所へ移す |
植え付け後の枯れは、ほとんどが水のやりすぎです。迷ったら水を与えず、葉を触って柔らかくなるまで待ちます。
種から育てるときの手順
種は細かく光を好むので、土をかぶせずにまきます。発芽温度は20度前後で、関東の露地なら4月中旬以降、室内なら3月からまけます。発芽まで10〜14日かかるうえ苗が小さいので、育苗箱で育てて本葉が四〜六枚になってから鉢や畑に移します。
- 浅い箱にばらまく
- 湿らせた種まき用の土に種をぱらぱらとまき、土はかけません。霧吹きで表面を湿らせ、乾かないよう新聞紙をかけて明るい場所に置きます。
- 発芽したら間引く
- 芽が出そろったら新聞紙を外し、混んだ部分を3センチ間隔に間引きます。細くて徒長(茎ばかりひょろ長く伸びること)した苗は抜きます。
- 本葉四〜六枚で移植
- 本葉が四〜六枚になり草丈が5センチほどになったら、根を崩さないようにポットか鉢に移します。まき始めから移植まで六〜八週間が目安です。
マジョラムの苗づくりに使うもの
本葉が出てからポットに移し、根が回ってから花壇や鉢へ。この 2 段階に必要なものです。
- ポリポット(9cm)探す言葉「ポリポット 9cm 園芸」
- 規格の目安
- 直径 9cm が標準。生育の早いものは 10.5cm。
セルトレイのまま育てると根が回りきって傷みます。本葉 2〜3 枚でポットへ移します。
- 育苗用の受け皿トレイ探す言葉「育苗トレイ 受け皿 底面給水」
- 規格の目安
- ポットが並ぶ大きさで、水を張れる深さのあるもの。
上から水をやると小さな苗が倒れます。下から吸わせると茎が締まります。
- 液体肥料探す言葉「液体肥料 苗 薄め」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。苗には規定より薄めて使います。
種まき用土には肥料分がほとんどありません。本葉が出たら薄い液肥で足します。
- 苗を買って植えるなら、育苗の資材は要りません。
- 育苗箱の加温は、春まきの一部を除けば要りません。
マジョラムの収穫までのコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はマジョラムの育て方にまとめています。
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