咲かない原因を株の姿から切り分ける
ミルトニアは新しいバルブが十分に太ってから、その付け根に花芽を出します。咲かないときはまず、今年できたバルブの大きさを去年のものと比べます。小さければ育て方の問題、同じかそれ以上なら花芽を出す条件の問題です。
| 姿 | 原因の見立て | 対策 |
|---|---|---|
| 新バルブが去年より小さい | 夏の弱りか光と肥料の不足 | 春の生育期に光と薄い肥料を増やす |
| 新バルブは大きいが花芽が出ない | 秋の温度差が足りない | 九月下旬から夜を涼しくする |
| 花芽が出たが途中で枯れた | 乾燥か低温か急な移動 | 花芽の時期は環境を変えない |
| つぼみが黄色くなって落ちた | 水切れか暖房の乾いた風 | 湿度を保ち風を当てない |
春から夏にバルブを太らせる
花は前年の春から夏にかけて作った新しいバルブに付きます。新芽が出る三月から六月にかけて、光と肥料と水を最も充実させる時期です。この時期に葉が長く伸びるだけで細いバルブになると、秋にどれだけ条件を整えても咲きません。
新芽は最初、古いバルブの脇から扇のように葉を広げ、夏までに根元がふくらんでバルブになります。このふくらみが去年のバルブと同じかそれ以上の大きさになっていれば、秋の条件次第で咲く体力があると判断できます。
- 薄い液体肥料を週一回
- 四月から七月上旬まで、洋ラン用の液体肥料を表示の倍に薄めて週に一度与えます。濃い肥料は根を傷めるので薄く回数で補います。
- 光を少し強めにする
- 春は東窓のレース越しで、葉が淡い黄緑を保つ程度に光を当てます。濃い緑で葉が垂れるなら光不足です。
- 七月に肥料を止める
- 暑さで根の働きが落ちる七月以降に肥料が残ると根を傷めます。梅雨明けまでに肥料をやめ、秋まで水だけにします。
秋の温度差が花芽の合図
九月下旬から十月にかけて、昼と夜の温度差が八〜十度になると花芽が動きます。日中は二十〜二十五度、夜は十二〜十五度が理想です。室内では夜の温度が下がりにくいため、夜間だけベランダの日陰へ出す、窓を開けた部屋に置くなどして夜を冷やします。
- 夜だけ窓辺や屋外へ
- 最低気温が十度を下回らない十月中は、夜にベランダの雨の当たらない場所へ出して冷やします。朝には室内へ戻します。
- 三〜四週間続ける
- 温度差を与える期間は最低三週間必要です。途中でやめると花芽になりかけた芽が葉芽に戻ります。
- リン酸多めの肥料を一度
- 九月中旬に薄いリン酸多めの液体肥料を一〜二回与えると花芽の充実に役立ちます。以後は与えません。
ミルトニオプシス系は春咲きが主で、秋の冷えで花芽ができて冬から春に咲きます。ミルトニア系は秋から冬に咲く品種が多く、夏の終わりの温度差が合図です。
花芽が出てから開花までの管理
花芽はバルブの付け根の葉の間から出て、最初は新芽とよく似ています。新芽は平たく先が広がりますが、花芽は丸く細くまっすぐ伸びるので区別できます。花芽が見えたら環境を変えず、水を切らさないことが大切です。
花芽が伸びる時期に室温が二十五度を超えると、つぼみが途中で止まったり黄色く落ちたりします。花芽が見えてからは十五〜二十度の涼しめの部屋で管理すると、ゆっくり大きなつぼみに育ちます。
- 置き場所を固定する
- 花芽が伸びる間に鉢を回したり移動させたりすると、つぼみが落ちることがあります。光の向きも固定します。
- 支柱で花茎を支える
- 花茎が十センチほど伸びたら細い支柱を立て、柔らかいひもでゆるく留めます。花の重みで倒れるのを防ぎます。
- 暖房の風と乾燥を避ける
- つぼみは乾燥に最も弱く、暖房の風で黄色くなって落ちます。朝の葉水を欠かさず、風の当たらない場所で咲かせます。
花を長く楽しむ
花は一つの花茎に三〜八輪付き、涼しい場所なら一か月近く咲き続けます。開花中は肥料を与えず、水やりは通常通りにします。二十五度を超える暖かい部屋では一週間ほどで傷むため、玄関など涼しい場所へ移すと長持ちします。
| 場面 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 開花中に暖かい部屋に置く | 十五〜二十度の部屋へ移す | 高温で花が早く傷む |
| 花に水がかかった | すぐティッシュで吸う | 斑点が残り腐りやすい |
| 花が三分の二ほど終わった | 花茎を付け根で切る | 残す体力を株に回す |
| 同時に二本花茎が上がった | 株が小さいなら一本にする | 翌年の開花に響く |
花後の扱いと翌年への準備
花が終わったら花茎を付け根から切り、新芽が出るまで通常の水やりを続けます。花後は株が疲れているので、肥料はすぐには与えず、新芽が二〜三センチ伸びてから薄い液体肥料を始めます。この新芽が来年の花を付けるバルブになります。
- 花茎を根元で切る
- 花が終わった花茎は消毒したはさみで付け根から切ります。残すと枯れ込んで腐りの入口になります。
- 植え替えの必要を確かめる
- 春に花が終わった株は、ミズゴケの傷み具合を見て植え替えを判断します。傷んでいれば花後すぐが適期です。
ミルトニアの花を咲かせ続けるのに使うもの
つぼみが上がってからやることは決まっています。摘む・支える・足す、の 3 つです。
- 液体肥料(リン酸多め)探す言葉「液体肥料 開花 リン酸」
- 規格の目安
- 1000 倍希釈の原液。N-P-K の真ん中(P)の数字が高いもの。
つぼみを作る時期はリン酸が要ります。窒素の多い肥料を続けると、葉ばかり伸びて花が上がりません。
- 花がら摘み用のはさみ探す言葉「園芸ばさみ 花がら摘み」
- 規格の目安
- 刃渡り 3〜5cm、先の細いもの。
種を作らせないことが、次の花を咲かせる条件です。花の下の節まで切り戻すのが基本です。
- 支柱(草花用)探す言葉「園芸支柱 草花 リング」
- 規格の目安
- 直径 8mm・長さ 90〜150cm の細い支柱か、株ごと囲むリング支柱。
花の重みで倒れると、そこから茎が折れます。咲いてから立てるのでは間に合わないので、つぼみのうちに。
- 誘引用の麻ひも探す言葉「麻ひも 園芸 誘引」
- 規格の目安
- 太さ 2mm 前後。目立たない色のもの。
きつく縛ると茎が食い込みます。8 の字にゆるく掛けて、茎が太る余地を残します。
- 開花促進剤は、肥料と日当たりが足りているなら急ぎません。
- リング支柱がなくても、細い支柱 3 本を株の周りに立てて麻ひもで囲めば同じことができます。
ミルトニアの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はミルトニアの育て方にまとめています。
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