症状から原因を絞る
ミルトニアの不調は病気より環境が原因のことが多く、薬をまく前に置き場所と水やりを見直すのが先です。葉と新芽と根のどこに症状が出ているかで、大まかな原因を絞れます。
症状を見つけたら、まずいつから出たかと、その前に置き場所や水やりを変えたかを思い出します。変えた直後なら環境の障害、変えていないのに広がるなら虫か病気の可能性が高いという目安で判断し、それでも迷うときは葉裏と根を触って確かめます。
| 症状 | 考えられる原因 | 最初の対応 |
|---|---|---|
| 新芽の付け根が黒く柔らかい | 軟腐病 (蒸れによる腐敗) | 患部を切り取り乾かし、風を回す |
| 葉の裏に細かい白い点、葉がかすれる | ハダニ | 葉裏を水で洗い流し、湿度を上げる |
| 葉やバルブに白い綿や茶色の殻 | カイガラムシ | 歯ブラシでこすり落とす |
| 葉が波打って縮む | 高温乾燥の障害 | 涼しい場所と湿度で次の葉から回復 |
| 葉に黄色い輪や筋状の模様 | ウイルス病の疑い | 隔離し、はさみを株ごとに消毒 |
| 根が茶色く柔らかい | 根腐れ | 腐った根を切り植え直す |
軟腐病は梅雨と夏に新芽から
新芽の中心に水がたまり、高温で細菌が増えると、付け根が黒く柔らかくなって嫌なにおいがします。進むとバルブまで腐って株全体が倒れます。ミルトニアで最も多い枯れ方で、蒸れと夜の水やりが主な原因です。
- 黒い部分を切り取る
- 消毒したはさみで黒くなった部分を健康な緑の部分まで切り戻します。切り口には殺菌剤か園芸用の癒合剤を薄く塗ります。
- 水を止めて乾かす
- 三〜四日は水をやらず、扇風機で風を回して株を乾かします。切り口が乾いて固まれば進行は止まります。
- 予防は水の残し方と風
- 水やりのあと新芽の中に水を残さない、夕方に水をやらない、風を止めない。この三つで発生はほぼ防げます。
腐敗がバルブの半分以上に広がった株は助かりにくいので、健康なバルブだけを切り離して新しいミズゴケで植え直します。
ハダニは冬の乾燥した室内で増える
暖房で湿度が下がる冬と、乾いた夏の室内でハダニが増えます。葉の裏に付いて汁を吸い、葉の表面がかすれたように白っぽくなります。ミルトニアの柔らかい葉は被害が出やすく、放置すると葉全体が茶色くなります。
- 葉裏を水で洗う
- ハダニは水に弱いため、霧吹きで葉の裏を勢いよく濡らすか、株ごとぬるま湯のシャワーで洗い流します。三日おきに三回繰り返します。
- 湿度を上げて予防する
- 朝の葉水と受け皿の軽石で湿度を四十パーセント以上に保つと、発生そのものが減ります。
- ひどいときは薬剤
- 洗っても減らないときは観葉植物やラン用のハダニ剤を葉裏中心にかけます。同じ薬を続けると効かなくなるので二種類を交互に使います。
カイガラムシは見つけ次第こすり落とす
葉の付け根やバルブの表面に白い綿状や茶色の殻状の虫が付きます。成虫には薬が効きにくいため、歯ブラシや綿棒で物理的に落とすのが確実です。落としたあとに幼虫向けの薬剤を使うと再発が減ります。
- 古い葉鞘を外す
- バルブを包む枯れた葉鞘の中に隠れていることが多いので、枯れた薄皮を剥がして中を確かめます。
- 歯ブラシでこする
- 湿らせた歯ブラシで軽くこすって落とします。葉の裏も忘れず見ます。落とした虫は捨てて鉢に残さないようにします。
- 二週間後に再確認
- 卵から出た幼虫が再び付くので、二週間後にもう一度点検します。三回繰り返せばほぼいなくなります。
根腐れの見分けと立て直し
葉にしわが寄るのに水をやっても戻らないときは根腐れを疑います。鉢から抜いて根を見ると、健康な根は白く張りがあり、腐った根は茶色く柔らかくて指でつまむと皮だけ残ります。ミズゴケが古く黒ずんでいる場合はほぼ根腐れです。
| 状態 | 判断 | 立て直し |
|---|---|---|
| 白い根が半分以上残る | 軽い根腐れ | 腐った根だけ切って新しいミズゴケで植え直す |
| 白い根がほとんど無い | 重い根腐れ | 根を全部切り、小さい鉢に軽く植えて葉水で発根を待つ |
| バルブまで柔らかい | 回復は難しい | 硬いバルブだけ残して植え直し、駄目なら諦める |
根がほとんどない株は、ミズゴケを固く絞って湿らせすぎないようにし、二十度前後の明るい日陰で二か月ほど葉水だけで管理すると新しい根が出ることがあります。
ウイルス病と生理障害の区別
葉に黄色い輪や筋、モザイク状の模様が出るのはウイルス病の可能性があります。治す方法はなく、他の株に移るのが問題です。似た症状でも、寒さで出る黄色い斑点や、光の強さで出る赤みは生理障害で、環境を直せば次の葉から正常に戻ります。
| 見た目 | 見分け | 対応 |
|---|---|---|
| 新しい葉にも同じ模様が続く | ウイルス病の疑い | 他の株から離し、道具は株ごとに消毒 |
| 古い葉だけに斑点、新葉は正常 | 低温や日焼けの障害 | 置き場所を直す。斑点は消えないが広がらない |
| 葉全体が赤紫がかる | 光が強すぎる | レース越しの明るい日陰へ移す |
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