まず自分の株がどちらの系統かを見分ける
店頭で「ミルトニア」として売られる株には、暑さに弱いミルトニオプシス系と、比較的暑さに耐えるミルトニア系の二つがあります。見た目が似ていて札に区別が書かれていないことも多いので、葉の色と花の姿で判断します。系統によって夏の置き場所の厳しさがまったく違います。
| 見た目 | 系統の目安 | 夏の扱い |
|---|---|---|
| 葉が灰色がかった淡い緑で薄く柔らかい | ミルトニオプシス系 (パンジーラン) | 涼しい場所が必須。三十度を超える部屋では弱る |
| 葉が濃い緑で厚みがあり、やや硬い | ミルトニア系 | 風通しがあれば室内の夏を越しやすい |
| 花に仮面のような模様があり、平らに開く | ミルトニオプシス系 | 花後すぐ涼しい場所へ移す |
| 花弁が細めで星形に近く、色が黄褐色や赤紫 | ミルトニア系 | 明るい窓辺で通常管理でよい |
迷ったら暑さに弱い方として扱います。涼しく管理して困ることはほとんどありませんが、暑い場所に置いて枯らす失敗は取り返しがつきません。
春と秋は明るい窓辺が基本
四月から六月と、九月下旬から十一月は、レースのカーテン越しの光が当たる窓辺が最も向きます。直射日光は葉焼けの原因になりますが、暗すぎると葉ばかり伸びて花芽が付きません。手をかざして薄い影ができる明るさが目安です。
- 東向きの窓が第一候補
- 午前中の柔らかい光が当たり、午後は日陰になる東窓は、葉焼けと高温を同時に避けられます。南窓しかない場合はレースを二重にして光を弱めます。
- 葉の色で明るさを確かめる
- 葉が黄色っぽく赤みを帯びたら光が強すぎ、深い緑で長く垂れるようなら光が足りません。淡い黄緑を保っていれば適正です。
- 窓から三十センチ離す
- 窓ガラスに近いと夜の冷えと昼の熱が直接伝わります。少し離した棚の上に置くと温度の振れ幅が小さくなり、根の傷みが減ります。
夏は家の中で一番涼しい場所を探す
七月から九月中旬が一年で最も枯れやすい時期です。ミルトニオプシス系は夜の気温が二十五度を超え続けると根が弱り、葉が波打って新芽が止まります。日中の暑さよりも、夜に気温が下がらないことが問題なので、夜間の涼しさを優先して置き場所を決めます。
- 北側の部屋か玄関を使う
- 日が当たらない北向きの部屋は、夏の室温が二〜三度低く保たれます。明るさは足りなくても、夏の間は生き延びさせることを優先します。
- エアコンの風を直接当てない
- 冷房の効いた部屋は有効ですが、吹き出し口の風が当たると葉が乾いて傷みます。風が回らない棚の陰に置き、扇風機で室内の空気をゆるく動かします。
- 夜だけでも涼しくする
- 日中に冷房が使えない家では、夜にベランダの日陰に出して外気で冷やす方法があります。朝の日が当たる前に室内へ戻します。
- 鉢を涼しく保つ
- 鉢を素焼きの大きめの鉢に二重に入れ、外側の鉢の内側を湿らせておくと、気化熱で根の周りの温度が下がります。
夏に花茎が上がっても、株が弱っていれば早めに切り取ります。夏の開花は株の体力を大きく削ります。
冬は最低温度十度を確保する
冬は寒さそのものより、窓辺の夜の冷え込みが問題です。最低気温が十度を下回ると根の働きが止まり、葉に黄色い斑点が出やすくなります。夜はカーテンと窓の間に置かず、部屋の内側へ移動させるだけで三〜五度違います。
| 場面 | 置き場所 | 注意 |
|---|---|---|
| 昼間の晴れた日 | 南か東の窓辺のレース越し | ガラスに葉を触れさせない |
| 夜間 | 部屋の中央寄りの棚 | 発泡スチロールの箱に入れると保温できる |
| 暖房を使う部屋 | 暖房の風が当たらない位置 | 乾燥するので朝に葉水をする |
| 外気が氷点下の日 | 窓から離した廊下側 | 段ボールで囲うと五度前後を保てる |
置き場所を変えてから調子を崩したときは
洋ランは環境の変化に反応が遅く、置き場所を変えて二〜三週間してから不調が現れます。原因は移動直後ではなく、その前の場所にある場合も多いので、いつどこへ動かしたかを記録しておくと切り分けが楽になります。
- 葉のしわで水切れか根傷みか見る
- 葉が縦にしわになって水をやっても戻らないなら、根が傷んで水を吸えていません。鉢を抜いて白い根が残っているか確かめます。
- 新芽が黒ずんだら風通し不足
- 新芽の付け根が黒く柔らかくなるのは蒸れが原因です。水を控え、扇風機で風を回し、黒くなった部分を清潔なはさみで取り除きます。
- 葉が波打つのは高温のしるし
- 新しい葉がアコーディオンのように波打つのは、暑さと乾燥で葉が展開中に止まった跡です。涼しい場所へ戻すと次の葉から正常になります。
- 元の場所へ戻すのは一度だけ
- 頻繁に動かすと株が順応する前に次の変化が来ます。戻すと決めたら最低三週間はそこで様子を見て判断します。
一年を通した移動の目安
季節ごとの移動を先に決めておくと、暑さや寒さが来てから慌てません。関東平野部の室内での目安を示します。寒冷地は冬の保温を、暖地は夏の避暑を一段強めに考えます。
| 時期 | 置き場所 | 光の強さ |
|---|---|---|
| 3月〜6月中旬 | 東窓のレース越し | 明るい日陰 |
| 6月下旬〜9月中旬 | 北側の涼しい部屋か冷房の部屋 | やや暗くてもよい |
| 9月下旬〜11月 | 東か南窓のレース越し | 明るい日陰。花芽の時期 |
| 12月〜2月 | 昼は窓辺、夜は部屋の内側 | 冬の直射なら当ててよい |
ミルトニアの置き場所を整えるのに使うもの
置き場所は、動かせるようにしておくのがいちばんです。季節で日の当たり方が変わります。
- 遮光ネット探す言葉「遮光ネット 50% 園芸」
- 規格の目安
- 遮光率 50% 前後。強すぎると花が咲かなくなります。
真夏の直射は葉を焼きます。ただし遮光率 70% を超えると、今度は日照不足になります。
- キャスター付き鉢台探す言葉「鉢 キャスター 台」
- 規格の目安
- 耐荷重を鉢の重さ(土 + 水)で見ます。8 号鉢で 10kg 前後。
大きな鉢は動かせないと季節に合わせられません。台に載せると鉢底の通気も良くなります。
- フラワースタンド探す言葉「フラワースタンド 屋外」
- 規格の目安
- 屋外なら金属製か樹脂製。段になっているものは日当たりを稼げます。
地面に直に置くと、鉢底から虫が入り、風も通りません。高さを付けるだけで環境が変わります。
- 簡易温室は、寒さに弱い植物を持っていないなら要りません。
- 遮光ネットの代わりに、夏の間だけ半日陰へ動かせば済むことが多いです。
ミルトニアの長く咲かせるコツは作物ページに
栽培カレンダー、病害虫の一覧、品種の選び方はミルトニアの育て方にまとめています。
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